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第五十九話 ダンジョン・ミラージュ発生中

「エニカ姉様!エニカ姉様が通る道に汚水を撒き散らす害スライムを駆除したよ!」

 スライムたちを倒した後、敵に向けていた絶対零度の視線から一転、蕩けるような笑顔で私たちの方へ振り返ったヒサメ。

 ついさっきまでゾッとするような冷たい表情で敵を瞬殺したようには見えない綺麗な微笑みだ⋯

「お疲れ様ヒサメ!怪我はない?」

「どこも全く怪我をしてないよ!心配してくれてありがとう!エニカ姉様!」

『ヒサメ。恐らくまだ敵の出現は続くと思います。警戒を怠らないようにして下さい』

「それは分かってるよ、コロ君。ところで()()、どうしたらいいかい?」

 コロからの注意に、再び引き締まった表情に戻るヒサメ。

 ヒサメの視線の先には、先程凍らせた三体のスライムの姿は無くなっており、代わりに溶けきって動かなくなったようなスライム状の何かが落ちていた。

『あれはダンジョン内で敵となる魔物を倒した場合、その魔物が必ず落とすアイテムの一つになります。

 今回は下位魔のスライムであったため、スライムの死骸がアイテムとして落とされたのでしょう。

 スライムの死骸は粘着性があり、足止め用や投擲用の罠として活用出来ます。

 本来であれば専用の道具で取らないとくっついてしまって取れなくなりますが、私がくっつかない素材のものに変身して拾うことが出来ます。いかが致しましょうか、エニカ様?』

「コロが変身してくれたら拾えるんだね⋯売ることも出来る?」

『罠として活用出来るのはダンジョン産のスライムのみなので、そこそこのお値段で売却が見込めるかと。

 ダンジョン産の魔物が落としたアイテムは外の魔物と比較しても質が良いので、どのような魔物であってもそれなりに売れることが多いです』

「分かった。それなら拾おうかな」

『承知致しました。ソイル、ヒサメ。引き続きエニカ様の警護をお願い致します』

「ピギャッ!」

「言われなくてもそのつもりだよ、コロ君」

 ソイルのやる気は十分。戦ったばかりのヒサメもまだ余力がありそうだ。

『ではエニカ様。私が専用の道具に変身致します。

 拾得されたスライムの死骸はバックにつかないよう、気を付けてそのままお入れ下さい』

「分かった」

 コロは説明後、道具へと変身した。道具の見た目は長さが短めのトングそのものであった。

 ソイルとヒサメに周囲の状況を警戒してもらいながら、肩掛けバックを一旦地面に置いた。

 そこからコロが変身したトングで、バックにつかないよう気を付けながらスライムの死骸を入れていった。

 ⋯このバッグ、日用品から食材から採集したもの全部詰めちゃっているけど、今更ながら中身の区分けって大丈夫なんだろうか。

 今の分で困ったことはまだないけど、正直食用ではない魔物の死骸を一緒くたに入れるのはまだ抵抗あるなぁ⋯これからお金は絶対必要になるから、売れるものは売りたいとは思うけどね。

 それにしてもよく入るよねこのバッグ。

 コロと初めて出会った洞窟でコロから闇属性の魔力を注いでもらって以降、色々入るようにしてもらったけど、そこから後に魔力を注いでもらっていたっけ?

 案外、一回でも魔力を注げば意外と長く持つものなのかも。

 そう思いながら、バッグに最後のスライムを入れ込んだ。


――――――


 『ここで待ち構えたら奥で魔物が増えている可能性があります。早いうちに進んでボスを倒す方が攻略しやすいです』とのコロの意見に、謎のダンジョンの奥地へ進むことになった。

 今のところ、さっきのスライム以外はまだ魔物が出てきていないけど、みんなピリピリと気を張り詰めている。

「っ!? グルルルッ⋯!」

 ヒサメと共に前方を小さな足で歩いていたソイルが、敵の接近にいち早く気付いたのか唸り声を上げる。

「ボクからは見えないけど⋯敵がいるんだね!」

「ピギャッ!」

『地面からの振動でこちらに向かっているのがソイルには分かったのかもしれません!エニカ様、ご用心を!!』

「うん!」

 次はどんな魔物が襲ってこようとするんだろう⋯!本音を言えば来ないで欲しいんだけどっ!!

 願いは虚しく、再び洞窟の奥から現れたのは薄緑色の肌をした醜い小鬼のような見た目の魔物だった。

 スライムの時と同じく三体。

 手製の石斧みたいな武器をそれぞれ持っていて、こちらを見てニヤニヤと厭らしい表情を浮かべていた。

「もしかして⋯あれゴブリン?」

『その通りですエニカ様!流石の知識と観察眼です!

 ご説明は不要かと思いますが、集団で己たちより弱いものや特に女性を襲おうとする醜悪な魔物です!

 あのような下品で下劣な目でエニカ様を見るとは⋯ソイル、ヒサメ。これらは私に始末させて下さい』

「ギャギャッギャァァ!!」

「ギャッ!?ギャ⋯」

「ギャッ⋯ギャッ⋯」

 コロが言い放った途端、一匹のゴブリンの頭が燃え、もう一匹の頭がコロリと取れ、最後の一匹は口から泡を吹き出しながら倒れた。

 コロのあまりの早業に、私だけでなくソイルとヒサメも唖然としていた。

 今、コロはゴブリンたちをどうやって倒したの???

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