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第五十八話 洞窟?内にて

「ピギャッ!」

 モルモットフォルムへと変形を果たしたソイルは、慣れない姿形であるにも関わらず、懸命に小さな四つ足を動かしてすぐに私たちの下へ走って来ることが出来た。

『ソイル!自力で動ける姿になりましたね!

 しばらくその姿を保つことは出来ますか!?』

「ピギャァ!」

 コロの問いかけにソイルは力強く頷く。

 だけど、こんな時にコロがソイルに慣れない姿を取らせたままにするということは、それだけ切羽詰まった状況であることが伺えた。

「コロ!今、何が起きているの!?」

『ご説明差し上げたいところですが、今は外に出ることを優先致します!

 ヒサメ!外に向かって氷柱をおもいきり投げてもらえますか!?』

「了解!!」

 コロの言葉に、ヒサメが間髪を入れず右手に生成した氷柱を出入り口に向かって投げた。

 が、ヒサメの投げた鋭い氷柱は洞窟を抜ける直前、()()()()()()、ゆっくりと外の雨模様に沈み込むように消えて見えなくなっていった。

「な、に、あれ⋯」

『やはり閉じ込められたようですね⋯!“ダンジョン・ミラージュ”に!!』

「「ダンジョン・ミラージュ?」」

「ピギャ?」

 私の疑問はソイルとヒサメも感じていたようだった。二人と言葉が被る。

『詳細は無事に切り抜けたら後ほどお伝えしたいと思いますが、簡潔に申しますとたった今、この洞窟はダンジョンへ切り替わりました!

 脱出には一定時間過ぎるか、ダンジョンのボスを倒すまでは出られないと思って下さい!』

「え?」

「は?」

「ピッ!?」

 一瞬コロの発言が飲み込めなかった。

 この洞窟がダンジョンに切り替わったってどういうこと?

「ここがダンジョン化したってことは、つまりは敵が現れてボクたちに襲いかかってくるってことだよね?」

『ヒサメの仰る通りです!前衛をソイルとヒサメ、後衛をエニカ様と私という陣形を取ってよろしいですか?エニカ様、ソイル、ヒサメ!』

「ピギャッ!」

「前線でエニカ姉様を護れるからいいよ!」

「わ、私も大丈夫っ⋯!」

 戦いに関してはみんなの方が慣れているから、素直にみんなの言うことを聞くようにしている。

『エニカ様だけではなく、ソイルとヒサメにも現時点で十分な説明が出来ずに申し訳ありません!

 ですが、おそらく第一陣の敵が間もなく現れると思います!皆さん気を引き締めて参りましょう!』

 コロの緊迫した声色に、ソイルとヒサメも真剣な表情で洞窟の奥を見やった。

 気付くと洞窟の奥行きは更に深くなり、平坦に近い道が真っ直ぐに続いていた。

 不思議なことに、光源は無くとも自分やみんなの周囲、道の少し先の辺りまでは私でも見える程度の明るさがあった。

 けれど、奥は真っ暗闇で様子を見ようにも見ることは出来なかった。

『ソイル!ヒサメ!敵が来ましたよ!

 エニカ様の安全確保第一でお願いします!』

「グルルルッ⋯!」

「エニカ姉様には指一本触れさせないよっ⋯!」

 コロの言葉に二人が戦闘態勢に入る。

 目を凝らせば、奥の暗闇から得体のしれない何かが蠢きながら近付いて来るのが見えた。

「あれは⋯スライム?」

 思わず呟いてしまった。

 こちらに近付いて来たのは、不定形に形を変えながら地を這うスライムのような物体であった。

 色合いは濁った水のようで、常にグニャグニャ動く姿は正直気持ち悪い⋯!

 そんなキモい物体が三体。今までも何度か魔物を見てきたけど、生物に近い形のものが殆どだったから生理的に受け付けない感じだ。

『エニカ様の仰る通り、あれはスライムです!

 ヒサメの方が対戦の相性が良いかと思います!ソイルはエニカ様の守りに入って下さい!』

「分かった!行ってくる!」

「ピギャッ!」

 そこからのヒサメとソイルの行動は早かった。

 ヒサメはスライムの前に颯爽と立ちはだかり、ソイルは私の前に番犬(番ゴーレム?)のように立った。

『スライムは酸を吐き出したり、餌となる魔物を取り込んで溶かしたりするので注意して下さい!』

「忠告ありがとうコロ君!でも大丈夫だよ!コイツら川によくいたからね!」

 目の前のヒサメを敵だと認識したのか、スライムたちがヒサメ目掛けて液体を吐き出した。

 ヒサメは舞うように液体を避ける。

 ヒサメが避けた後の地面は、液体が掛かる度にジュワジュワ音を立てて溶け出した。きょ、強酸だ⋯!!

「エニカ姉様が歩く道をこれ以上汚さないでくれるかい⋯!」

 ヒサメが右手から氷柱を生成する。

 いつも作る短い氷柱ではなく、地面に着くぐらい長い氷柱をヒサメは作り出した。

 トンッ、と作り上げた氷柱を杖のように地面に着いて軽く音を鳴らすと、次の瞬間には目にも止まらぬ速さでスライムの一体を刺した。

 だけど、スライムには全く効いていないようで、逆に氷柱を身体に取り込もうとしていた。

「ヒサメ⋯!?」

『ご安心を、エニカ様』


「いい加減エニカ姉様の邪魔だ。凍れ」


 ヒサメの言葉と共に、文字通りスライムはカチコチに凍りついた。

「君達もだよ」

 二体目、三体目のスライムも同じく氷の杖で凍らせて、あっという間に三体全てを前衛的な氷の置物へと変えてしまった。

 全部一人で倒すなんてヒサメ凄いや⋯⋯

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