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第五十三話 川近くの野営地にて2

『エニカ様、ソイル、ヒサメ。これから先、森を抜けるための行路と期間についてお話があります』

 私の身支度や食事の準備がある程度終わり、朝食を食べている最中にコロからの申し出があった。

 ちなみに今朝は麦っぽい穀類で作ったお粥と昨日の魚の残りだ。

 魚は美味しいけど、麦(っぽい穀類)を茹でて作った麦粥はもち麦っぽい食感がするけど、味がするようなしないような、何とも言えない味わいになっている。

 マスターさんが入れてくれた食料品の幾つかに塩だけだけど調味料があるからちょっと味変出来るし、私の分のご飯でみんなに協力してもらっているから我が儘言えないのも分かっているけど⋯この食生活が続くのは中々厳しいな。

『エニカ様?如何なされましたか?』

「ん?ああ、何でもないよ。話に戻ろうか」

 いけない今の食生活のことでちょっと上の空になっちゃった。コロの話に戻ろう。

『何か御座いましたら遠慮なくお申し付け下さい。

 ではこれからの行路について、ヒサメが川の所在を知っていたお陰で、当初の目的の一つであった川の発見が達成されました。

 今後は街に向かうに辺り、天候の変化や魔物の集まり具合など道中の様子を見ながら、結び石と川の下流の方向を照らし合わせて街へ向かうようにしたいと考えています。

 今の時点でどなたか意見がある方はいらっしゃいますか?』

「私はないよ。みんなは?」

「ボクもコロ君の意見に異論はないよ」

「ピギャッ!」

 ヒサメの言葉にソイルも頷く。ソイルも特に意見は無いみたい。

『承知致しました。それでは基本はこの経路で街へ向かうことに致しましょう。

 あともう一つ、目安として街へ辿り着く予定期間を決めておきたいと思います』

「予定期間?」

『はい。洞窟から出発して本日で約五日ほど経っております。

 道中でエニカ様が食べられる野草や果物を採ったり、ヒサメが魚を捕れることで食の幅が広がりましたが、マスターが用意していた食料品がそろそろ尽きる時期に差し掛かるのではないかと危惧しております』

「あ〜⋯やっぱりコロは気付いていたんだね⋯」

『勿論で御座いますエニカ様!エニカ様が朝にお目覚めになられてから夜に眠られるまで、むしろ眠られてからお目覚めになるまでも、エニカ様に関わる全てを網羅し、把握し、管理し、調整し、対応し、エニカ様が健やかに日々を過ごせますよう心掛けておりますのでご安心下さい!!』

 ペカーっと良い笑顔でさらっと日夜問わず、私の全情報を握っている事実を言い切ったコロ。恐怖を通り越して逆に頼もしく感じてきたよ⋯

 それはともかく、マスターさんから用意してもらっていた穀類や豆類、黒パンや干し肉、ドライフルーツといった食料品が減ってきているのは本当のこと。

 まだ数日分は持つと思うけどもう少し食料品を使う頻度や量を減らして、野草や果物の採集だけでなく、川で魚や魔物を狩ることに本腰を入れてしないといけないとは考えていた。

 ⋯ちょうどコロたちにも相談しようと思っていたからタイムリーではあったね。

「あの、話の途中で悪いんだけど聞きたいことがあるんだ。質問をして良かったかい?」

『どうぞ、ヒサメ』

「エニカ姉様に必要な食料が少なくなってきて、もう少し旅路を急いだ方が良さそうなことは何となく理解したけど⋯

 話を聞いていたら、どうも森にある洞窟から出発したように聞こえるし、ますたー?って人も何者なんだろうと思ってさ」

「ピギャピギャ!」

 ヒサメの質問にソイルも首を縦に振って頷いていた。思わずコロと顔を見合わせる。

 ⋯そういえば、ヒサメもだけどソイルにも私が異世界からの転移者であることとか、きちんと話して無かった気がする⋯

「コロ。ソイルとヒサメには一から話しておいた方が良いと思ったんだけど、どう?」

『⋯そうですね。二人共、従魔契約を交わしておりますし、これから共に旅をする上では話しておいた方が良いかと思われます。

 申し訳ありませんエニカ様。もう少し状況が落ち着いてから二人には説明をしなければならないと思っておりましたが、今のタイミングになってしまい⋯』

「いや、コロのせいじゃないよ。洞窟の時だってソイルと契約してすぐ、防御魔法が解けかかっているのが分かってバタバタしてたしね⋯」

「⋯ソイル君、エニカ姉様やますたーって人のことは何か聞いているのかい?」

「ピギャ⋯」

 ヒサメがソイルに尋ねた時、ソイルが寂しそうに首を横に振ったのを見たら心が痛くなった。

「ゴメンねソイル⋯初日から沢山助けてもらってたのに、大事な話をちゃんとしていなくて⋯」

「ピギャッ!?ピギャギャッ!!」

 私が声を掛けると焦ったように首を横に振るソイル。必死に気にしないでって言ってるようで、本当に申し訳ない気持ちになってくる。

『本来ならばエニカ様の安全が保証される場所で、お二人に話すべきだと考えておりましたが⋯初めからエニカ様の事情を話す機会が設けられず申し訳ありません。ソイル、ヒサメ。

 森を出る期間を相談する前に、お二人にエニカ様やマスターのことを改めてお話ししたいと思います。

 しかし、詳細は先程申し上げました通り、エニカ様の安全が保証されてからお話ししたいと思いますので、かい摘んでエニカ様のご事情をお話ししますと⋯』

 コロから私やマスターさんのことを簡単に二人に話してもらった。

 事情が事情だから、私のことをちゃんと話すタイミングを見計らうのって難しいな⋯

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