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第五十話 泉のほとりにて6

 アオ、スイ、ソラ、ユキ、フブキ、アクアマリン、セレナ⋯うーん本当に悩む⋯どれもウンディーネちゃん似合うわ⋯

 現在ウンディーネちゃんからお願いされて、全力を持って名前を考えている最中だけど⋯どれも似合う反面、どれもしっくり来ない感じがして絶賛悩み中であった。

 コロとソイルの時も悩んだけど、ウンディーネちゃんもこれが中々に迷う。

 青や銀のイメージカラーと氷魔法を使えることから、氷や雪を連想させる名前ってどうだろうと思ったし、僕っ娘だから中性的な名前が良いかもと思っているところまでは決まってる。

 ただ、上で出した名前は「これがウンディーネちゃんだ!」って言うには、どこか物足りなさを感じてモヤモヤしていた。

 連想しながら考えているものの、青と銀色の瞳が綺麗で氷魔法を使える僕っ娘美少女にピッタリな名前というのもあるようでいて、私の語彙力が足りなくてすぐに思い浮かばない。

 ⋯連想にプラスして印象的な出来事から名前のヒントを考えてみようかな。

 そう思いついた途端に、脳裏に思い浮かんだのは四ドブスに強力な冷風を浴びせた時のこと。

 ウンディーネちゃんの美しいアイスブルーの長髪が細かい氷の結晶となって散った瞬間、まるで氷の雨が降り注いだようだと思った。

「氷の雨⋯氷雨(ひさめ)⋯はちょっと言葉の響きが渋いし女の子っぽいかなぁ⋯」

「氷の雨でひさめ?ボクの名前はヒサメなのかい?」

「あ」

 しまった!?また独り言が出ちゃった!!!

「ひさめ、ヒサメ⋯うん!すっごく良い名前だよ!ありがとう姉様!!」

 頬を赤く染めてお礼を述べるウンディーネちゃん、改めヒサメに「まだ名前を決めてる最中なんだよ」なんて言える訳が無かった。

 ⋯でも本人が気に入っているようなら、この名前に決めた方が良さそうだ。

「⋯ヒサメっていう名前を気に入ってもらって良かったよ。これからはヒサメって呼ばせて貰うね」

「うん!沢山ボクの名前を呼んでね!あ、でもあと一つお願いがあるんだけど⋯」

『ヒサメ。契約をしてエニカ様に色々甘えたくなるのはとてつもなくよく分かりますが、従魔契約は私たちが思うよりも心身に負担のかかるものです。

 内容によってはエニカ様に休んで頂いたり、エニカ様のお時間がある時に申し出ることは出来ませんか?』

「あ⋯ご⋯ごめんなさい姉様⋯」

「大丈夫だよヒサメ。コロも心配してくれてありがとう。どんな内容かにもよるから教えてくれる?」

 ヒサメのお願いにコロが窘める。コロの気遣いも本当にありがたいけど、どんなお願いかによってはすぐに叶えられるかもしれない。

 私の言葉に、ヒサメは頬を赤く染めながら口を開いた。

「姉様と⋯あと君たちさえ良ければ、ボクもみんなの名前を呼びたいなって思ってるけど⋯ダメかな?」

「そのぐらいいいよヒサメ!私の名前はエニカだから呼びやすいように呼んで!」

『そのぐらいであれば⋯改めて人工スライムのコロと申します。お好きなようにお呼び下さい。

 そちらはマッドゴーレムのソイルと言います。ソイルも呼びやすいように名前を呼んでも構いません

か?』

「ピギャアッ!」

 ヒサメの申し出に私は勿論、二人も了承してくれた。

「本当にありがとう!エニカ姉様!コロ君!ソイル君!」

 お礼を述べたヒサメの笑顔はとても美しく綺麗なものだった。


――――――


『さて、ここに長居は無用ですが⋯これらはいかが致しましょうか?』

「原型留めないぐらい粉々にする?」

『ああ美しい笑顔で物騒なことお口にされるなんてっ⋯!!?エニカ様の仰せのままに!!!』

「ピギャアッ!!」

「姉様⋯ボクのために怒ってくれてるのは凄い嬉しいけれど、姉さん達の後始末で当事者を置いてったまま話が進むのは少し複雑な気持ちだよ⋯⋯」

「あ、ごめんね!?ヒサメ!!」

 つい思い出し怒りの方が先走っちゃったよ。

 無事にヒサメを仲間に出来たし、氷が溶け出したら他の魔物も集まるだろうからと、先に進もうという話になった。

 ソイルに造ってもらった土のドームを崩して外に出てきたのはいいけど、今も外は一面の銀世界。

 四ドブスも雪祭りで飾ったらクレーム間違いなしな様相のままだった。

 今も四ドブスも周りも凍ってるってヒサメの魔法凄いね。

「姉さん達は自然に溶けるまでしばらく凍ったままだと思うし、泉からは離れない⋯離れられないと思うから、このままでもいいのかなって思うよ」

「えっ?ヒサメはこのままでいいの?」

 今まで受けたことを考えれば対応生温くない?ヒサメがそう思うなら良いけど⋯

『自然に溶けるまで⋯なるほど。その方法もありかと思います』

「どういうこと?コロ」

『ウンディーネたちの身体を粉々にすれば溶ける速度が同じぐらいになるので、身体が集まりやすくなってしまいます。

 しかし自然に溶けるのを待つ場合ですと、今の気候ではじわりじわりと溶けていき、溶けた部分から蒸発してくると思います。今は泉から距離がある今、溶けきったら身体の大半の水分が失われている状態でしょうから、泉に戻るのも一苦労になると思います。

 溶けた分、土や枯れ葉などの不純物も混じるので泉に戻るまでは元の身体のような透明度や色合いは保てないでしょうね』

 コロの解説が終わった後にヒサメを見る。

「姉様を傷つけようとしたからね。姉さん達でもただでは済ませないよ?」

 良い笑顔で言い放っていた。

 ⋯⋯うん!!ヒサメが逞しくて安心した!!

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