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第四十一話 森の中にて6

『エ、エニカ様〜〜〜!!

 いくらこのウンディーネが見目が同性かつ麗しい人間に近く、過去や経緯がエニカ様からご覧になれば見過ごせない程に重く、明言を避けたい程にエニカ様を慕っているからと言ってベタ褒めし過ぎではありませんか〜〜〜!!?

 も、もしやこのウンディーネに一目惚れなされたのではっ⋯!!?

 今までの彼女の振る舞いをご覧になられていたと思いますが、水精型の魔物程、惚れても惚れられても面倒な魔物はおりませんよエニカ様〜〜〜!!!』

「ピ、ピギャァ⋯」

 ウンディーネちゃんに対し、図らずも思ったことをほとんどぶち撒けてしまったら、我に返ったコロとソイルが不安定になってしまった。

 コロは焦ったようにポンポン跳ね回っていて、ソイルは逆に私から少し離れた場所でちょっと俯きながらポロポロ涙を流していた。

 それに対し、ウンディーネちゃんはと言うと⋯

「やっぱり⋯やっぱり姉様はボクの運命の人なんだっ⋯!!ボロボロに死にかけていたボクのためにそばに来て涙を流して心配して魔核を見せたボクを信じてくれてボクの見た目魔法振る舞いを見ても変な目で見たりおかしいって言ったり嘲笑ったりしないでそのままのボクを認めて褒めてくれて⋯」

 超早口に喋りながらいつの間にか自分の世界に入っちゃっていた。

 美少女が浮かべる恍惚の表情っていけないものを見てる気がするなぁ⋯(現実逃避)

 つまり場はカオス状態になっていた。これどうにかするのは私しかいないよね⋯ですよね⋯⋯

 でも悩んでいても仕方ない!気持ちを切り替えて一人ずつ捌いていくしかない!!まずコロ!!

「コロどうしたの?一目惚れしたと思うぐらい、あの子のことを褒めてるように聞こえてた?」

『思わず嫉妬するぐらいには聞こえましたよ!!』

 ふむ、コロのことだから原因は多分、ウンディーネちゃんばかりを褒めちぎっていたように聞こえて嫌だったのかも。

「コロだって丸くてポヨポヨ動くところが可愛いし、見た目だって瞳や身体が宝石みたいにキラキラ色が変わって綺麗だし、コロのお陰で私だけじゃ気付かないところもしっかり見て気付いてアドバイスしてくれるのもいつも本当に助かっているよ。

 それに、コロがいないとこの世界のことや魔物のことだって分かんないんだから頼りにしてるんだよ?これからも色々教えて欲しいな」

『エニカ様にそのように仰って頂けるなんて⋯コロは大変感激致しました〜〜〜!!!』

「うぐっ!?そう言って貰えたら良かった⋯」

 久々に私のお腹に突撃されたけど、コロが落ち着いたなら良しとしよう⋯次はソイル!!

「ソイル?どうして離れてるの?こっちおいで?」

「ピ、ピギャ⋯」

 いつもならニコニコしながら来てくれるのに、今日は来てくれないな⋯もしかして⋯

「さっき私を空に上げたことを気にしてる?」

「ピ、ピィ⋯」

 やっぱり。あれは私も油断しちゃってたし、その後ソイルがしっかり抱き止めてくれたから、あんまり気にしなくてもいいのに。

 と言っても、咄嗟の判断とは言え一歩間違えれば怪我していた可能性もあったのを考えたら、真面目なソイルからすれば気にしちゃうよね⋯

「さっきのことは本当に気にしなくていいんだよ。

 私も不用心過ぎたと思ってるし、ソイルは咄嗟に私を守ってくれたんだから、ありがたいと思っても怒ったりとか嫌だってことは無いんだよ。

 だからおいで。ね?」

「ピ、ピギャァァ⋯」

 お、やっと来てくれそう。そんで撫でて褒めたらソイルも落ち着いてくれるかな?ん?

 ソイルを呼ぶ間、いつの間にか静かになったウンディーネちゃんを見てみれば、じーっと私たちの方を凝視していることに気付いた。

 自力で自分の世界から戻ってこられたみたいだけど、めっちゃ熱のこもった眼差しで見てくるね⋯

「姉様⋯お願いがあるんだ」

 私がどう声掛けしようか悩んでいたら、ウンディーネちゃんから話し掛けてくれた。

 だけどこの感じは⋯⋯


「ボクを⋯ボクをこの子たちと同じ、姉様の従魔にしてほしいんだ!!」


 やっぱり!!今までのウンディーネちゃんの様子から言い出してもおかしくない感じはしてたよ!!

「えっ!?いいのっ!?」

「ね、姉様も望んでくれるのなら⋯」

 思わず応えたら、ウンディーネちゃんは照れたように白いお顔を赤く染めながらはにかんでいた。

 けど、ウンディーネちゃんからの申し出は、私からしたら迷いもあるけど正直ありがたいと思った。

 コロとソイルは勿論頼りにしているし信頼もしている。だけど女性的な悩みに関しては今後もし起こった場合、どう相談するかでちょっと悩んでいたところだった。

 だから、魔物であっても人に近い同性が仲間にいるのは精神的に落ち着くし、私が一人っ子だったから妹が出来たみたいでちょっと嬉しいと思った。

 でも、今までのウンディーネちゃんの境遇から、たまたま通りがかった私が親切にしたように見えたことで、私のことを「姉様」と呼んだり、従魔になりたいという思いが芽生えたんじゃないかと思っている。

 従魔契約となれば、その思いを利用するように感じて気が引ける部分も少なからずある。

 そう悩んでいた時だった。

「ピギャッ!」

「お、ソイル。来てくれたねぇ。よしよし」

「ピギャァ!」

 足元をちょいちょい引っ張って、来たことを教えてくれたソイルを撫でてあげれば、嬉しそうに顔を綻ばせていた。

 ソイルの笑顔はいつ見ても癒されるなぁ⋯じゃなかった。ソイルとコロにも聞いてみよう。

「ソイル。ウンディーネちゃんが仲間になるのはどう思う?私はありがたいと思ってるけど⋯」

「ピギャ?⋯⋯ピギャッ!」

 ソイルは少しの間、ウンディーネちゃんの顔を見てから、大きく首を縦に振ってくれた。ソイルは賛成みたい。

「コロはどう思⋯どうしたの!?」

 次にコロを見れば、何故かコロは見たことのないぐらいシワシワな表情を浮かべていた。それどんな感情なの???

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