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第三十九話 森の中にて4

「姉様!貴女がボクを信じてくれて嬉しいよっ⋯!

 しかもボクを気に掛けてくれるなんてっ⋯!」

「そ、そう⋯?」

『近い。近いですよ貴女。

 敵意が無いことの証明はなされましたが、私たちはまだ貴女を信用はしておりません。

 これ以上、エニカ様に近付いたり触れようものなら問答無用で攻撃しますよ。

 それこそ二度とエニカ様のそばに侍ることなぞ出来ないぐらいに。』

「ピギャアッ!」

「君たち姉様の何なんだい⋯?さっきから姉様の周りをうろちょろとしてさぁ⋯

 君たちの返答次第ではボクだってこのまま黙っている気はないよ⋯」

 ギ、ギスギスしてるなぁ⋯いや、ここで私が一番他人事になっちゃいけないのは分かってるんだけどさ⋯

 せっかく綺麗に治っていた肌を怪我(?)をしていた時以上に傷つけて、魔核をさらけ出して敵意が無いことを証明してくれた彼女の意を汲みながら、色々話を聞きたいことと、肌を治したり新しい服は必要かを尋ねれば、女の子は素直に応じてくれてすぐに自力で肌や服を元の状態に直していた。

 でも、正体不明の女の子を警戒しているコロとソイルに会わせたら、あっという間に一触即発状態になってしまった。

 予想はしていたけど、いざピリピリした状態の中で口を挟もうなんて至難の業なんだってことを改めて思い知ったよ⋯

 でも、元を辿れば結果的にだけど自分が女の子を起こしている以上はきちんと責任を取らないとだと思うし、女の子から話を聞くっていう本題があるから意を決して口を開くことにした。

「み、みんなちょっといいかな?」

『どう致しましたか、エニカ様?』

「ピギャ?」

「どうしたんだい?姉様」

 勇気を出して声を掛ければ、みんな私の方を向いてくれた。

 ひとまずみんなが私の話を聞こうとしてくれることと、ピリピリした雰囲気が少しだけ落ち着いたことに内心ホッとしつつ、早速話を切り出すことにした。

「まず⋯貴女の目が覚めて安心したけど、痛むところとか苦しいところはない?」

 特にさっきこの子自ら指を突き立てて開いてた胸元とかさ。

 自分で治してたとはいえ見てて痛そうとかそんな次元の傷口じゃなかったよね?

 重傷といっても過言じゃないと思ったけど⋯

「大丈夫だよ姉様。むしろいつもより調子が良いぐらいなんだ!これも姉様がボクに魔力を注いでくれたからだね!」

「ん?魔力を注いだ?いつ⋯」

『エニカ様?私たちがおりますのに、その少女に魔力を注がれたのですか⋯?』

「ピギャァ⋯?」

「え?私そんなことをした覚えないんだけど⋯」

「そ、そんな姉様⋯太陽の光を集めて雫にしたような魔力を注いでボクを助けてくれたじゃないか⋯!

 でも例え姉様が覚えてなくたってボクには今も姉様の魔力が巡っているから言い逃れなんて出来ないしさせないけどね⋯」

 そんな闇堕ちしそうだったり、泣きそうだったり、妖しい目で見られても私も困るよ!心当たり無いんだし!

 ん?太陽の光を集めた雫⋯もしかして⋯

「私、貴女のほっぺに涙を落としちゃったから、もしかしてそれのこと?」

『もしかしなくてもそれが一番の原因かと思われます。エニカ様!ほいほい見知らぬ魔物に貴重な体液を慈雨の如く振る舞われるのは、流石の私も見咎めてしまいますよ!!』

「好きで振る舞ってはないからね!?」

「ピ、ピギャァ⋯!?」

「そんな意外そうな顔で見ないでソイル!

 誰も彼もに自分の体液を掛けるなんて変態じみたこと本当なら私絶っっっ対にしないからね!?ソイルの時は事故だと思って!!」

「ね、姉様にそんなただならぬ趣味があるなんて⋯!?

 でもどんな姉様でもボクは受け止めるし、ボ、ボクにもしてほしいな⋯なんて⋯」

『エニカ様この魔物、中々に見所はありそうですが随所に怪しい発言が見受けられます!!

 ここでいつまでも足止めを食らう訳にも参りません!!エニカ様への執着が強く危険な言動が見られる以上やむを得ませんが⋯』

「おや、やる気かい?姉様のためにも受けて立つよ!」

「ピギャァッ!!」



「コロ、ソイル、そこまで。私を心配してのことだって分かってるけど、その子からまだ何の話も聞けてないのに戦おうとするのは止めてほしいよ。

 貴女もせっかく傷が治ったばかりなんだから無理しちゃ駄目でしょ?

 あと、私は人でも魔物でも自分の体液を掛ける趣味は全く無いことをみんなよく覚えておいて、ね?お返事は?」

『はいエニカ様。大変失礼致しました。

 しかしにこやかに叱るお姿も素敵で興奮し⋯いいえ何でも御座いません』

「ピギャピギャア!」

「う、うん⋯分かったよ。姉様」

「みんな分かってくれたならいいよ」

 人を誰彼構わず体液を掛ける変態と見なしたまま、みんなして戦おうとするから思わずキレながら止めちゃったよね。

 でも、結果オーライだったみたいでコロとソイルは頭を下げてくれて、女の子はちょっと戸惑いながらも何故か微笑みながら返事をしてくれた。

 さて、また話の横道が逸れる前に女の子から話を聞くとしようかな。

 でもその前に私たちのことから話した方が話しやすいかな?

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