第三十話 再び始まりの洞窟にて8
ついに三十話突入⋯!もう少ししたら旅立つ予定です。精進致します。
『独断で動き大変申し訳ありませんでした、エニカ様。
早急にお話しするつもりではありましたが、その前に守りを固める方が先決だと判断致しましてソイルに指示を出しました。
ソイルは私の指示を受けて動いただけですので、どうかご容赦を⋯』
「ピギュゥ⋯」
「そのことはソイルは勿論、コロのことも全く怒ってないから安心して。
コロやソイルがすぐに必要だと思って動くことなら私の相談は大丈夫だからね。ただちょっと、かなりビックリしただけだから気にしないでいいよ。
だけど、この洞窟の防御魔法が解けかかっているって本当?」
事実を知ることはとても恐ろしかったけど、知らない方がもっと恐ろしいことになると思い、それぞれ動こうとしていた二人を一旦引き留めて事実を確認することにした。
『⋯大変申し上げにくいことですが事実です』
コロが言いにくそうにしながら話してくれたのは、最初はコロも防御魔法がしばらく持つものだと思っていたけど、私たちが外に出てしまったり、ソイルを連れ帰ったことで、洞窟全体に掛けられていた魔法の均衡が崩れて解けかかっているとの内容だった。
『私が目覚めてからこまめに魔力探知をして魔法が機能をしているか確認をしていたのですが⋯
戻ってから今さっき確認しましたら、防御魔法の緩みが見られるようになっておりましたので、完全に解けるまでそう長くは持たないでしょう』
「そ、そんな状況になってたんだ⋯」
心もだけど、せめて身の回りが整うまではここで過ごしたかった⋯
でも落ち込んでいる暇はない。まずはコロの言ってた出入り口の守りを固めてから、色々話し合ったり考えたりした方がよさそうだ。
「分かったよ。そしたら急いで出入り口前のバリケードをしてから色々考えようか。コロ、ソイル」
『承知致しました!』
「ピギャッ!」
「でもさっきコロが言ってたソイルの土魔法ってどうなってるか見てみていいかな?」
この世界に来て光魔法や従魔契約、魔眼による石化は見ているけど、従魔契約以外は一瞬で消えたり、石になったところを直接見れてなかったりして、実は魔法の実感が今もちょっと薄かったりする。
『ソイル。エニカ様の目の前で土魔法の展開は可能ですか?』
「ピギャピギャ!」
『頷いているので可能なようです』
「そしたらソイルお願い。魔法で移動とかバリケード⋯土の壁とか堀とか作るところを見せてほしいな」
「ピギャア!」
「え!?」
ソイルが笑顔で頷いた瞬間、ソイルの足元の地面が突然盛り上がり、まるで地面の上でサーフィンをしているかのように、盛り上がった地面に乗ったまま移動し始めた。
『魔法での移動のため長距離の移動には向きませんが、出入り口ぐらいまでならこの移動方法が動きやすいようですね』
「ソイルこんなことが出来たんだ⋯」
『さてエニカ様。我々もソイルの下へ向かい、防御壁がどう作られていくか確認致しましょう』
――――――
「ピィギャッ!!」
洞窟の出入り口に辿り着くと、既に到着していたソイルが土魔法を掛けようとしているところだった。
ソイルが掛け声を上げると、洞窟の出入り口を取り囲むように土の壁がボコボコと盛り上がり、あっという間に取り囲んでしまった。
「ソイル凄い⋯」
『ご苦労さまですソイル。土壁のでき具合は丁度いいと思います。
しかしこのままでは壁の向こう側の確認が取りにくくなってしまいますので、一番上の部分を貴方や私が隠れやすくかつ周囲の様子が見えるように、上の部分に凹凸を作り、見張り用のスペースにしましょうか。
もし可能ならば壁を真っ直ぐではなく、途中でネズミ返しのように張り出したり、急な傾斜をつけると登りにくくなると思います。出来ますか?』
「ピギャッ!」
コロの指示にソイルは頷くと、コロの言った通りの張り出した板状の岩や急な坂道を造り出した。
え?こんな大掛かりな土魔法を使いこなすソイルって凄くない!?
一目見て的確そうな指示を出すコロも凄いけど!
「ピギュゥ〜⋯」
「ソイル!?大丈夫、じゃ明らかにないよね!?
コロどうしよう!!?」
一通り土の壁や罠を設置し終えると、ソイルは砂山が崩れるように倒れてしまった。
『急な魔力消費による疲労ですのでこれ以上無理をさせなければ休憩したら直に良くなりますよ、エニカ様。
今のソイルの魔力使用の限界は土魔法で防壁を築いたり、石魔法で罠を設置するまでは出来るのですね。
本当にお疲れ様です、ソイル』
「ピギャァ⋯」
ソイルのそばまで行って労いに行くコロと、疲れ過ぎてペチャァッと平らになりかけつつも律儀に答えるソイル。
コロ、ソイルの魔力の限界を見るためとはいえ、そこまでさせるのは始めっからスパルタモードだね!?




