表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/162

第二十六話 再び始まりの洞窟にて4

「私のトイレで主認識ってそんなことある⋯?

 っていうより、私の出したもので持ち直すってのも謎なんだけど⋯」

 私が今まで読んできた異世界ものの小説や漫画、アニメやらでトイレが元で主認定なんて話あったっけ⋯?いや、ないよそんなん。

 そして人の排泄物で復活したことは嫌じゃないかな普通。本人おもいっきり認めちゃってるけど!

『非常に羨ましい事実ゴホン!驚かれたことだと思いますが、このエターナレンにおいて基本は全ての存在に魔力が宿っております。それは私やマッドゴーレムは勿論、転移者であるエニカ様であってもです。

 現在のエニカ様は全身に魔力が循環しているため、例え排泄物であっても排泄された直後までは魔力が宿っており、そのマッドゴーレムにとってはエニカ様の排泄が結果的に魔力を補給する形に至ったのだと考えられます。

 また元は魔力を含んだ泥土から発生しているため、魔核が弱っていれば身体の乾燥すらも死に至る原因となっていたでしょうから、水分の補給も兼ねたのかもしれません』

「そっか⋯私のトイレが偶然でもこの子の命を助けることになったって訳なんだね⋯」

 それでも主認定までしなくても良かったんじゃないかなと思うけど、きっと私とゴーレムくんではそこの価値観が違うのかもしれないよね。

 ⋯って今までゴーレムくんが何で主認定したかってことばかり気になってたけど、もしこれまでのコロの推測が事実だとしたらさ⋯

「この子、今私のその⋯排泄物まみれってことだよね?

 正直臭いとかは分からなかったけど、どうにかして綺麗にしてやれないかな?」

「ピギャギャ!ピギャピギャ!」

 ゴーレムくん何でそんな必死に首を横に振るのかな?君がどんな感情で嫌がってるのかが私には本当によく分からないよ⋯

『エニカ様が出される全てのものは尊く清浄であるかと思いますが、エニカ様のお立場からすると気になられますよね?

 しかしそのことに関して、非常に妬ましいことではありますが排泄されたものをすぐに魔力やただの水分として変換して魔核や身体の補強に当てているようですので、むしろ排泄後はそのマッドゴーレムが取り込んだ方が排泄前より清潔になるのではないかと思います。

 洞窟へ戻る前に簡易的な魔力探知を行い、エニカ様の魔力の痕跡が残されていないか確認してみましたが残渣すらも感じられませんでしたので、マッドゴーレムが全て取り込んだのでしょう』

「ピギャア!」

 今度は首を縦に何度も振るゴーレムくん。今の私の気持ちとしては異世界の生物って凄いな、以外考えることを止めようかなって思ってるよ。

 色々考えちゃうとこんな意思表示がしっかり出来る小さい生き物(?)に人の排泄物を⋯って私の中で培われている良心とか羞恥心とか道徳とか倫理観とかその他諸々の大切な何かが揺らぎそうになるからね。

『さてエニカ様。まだ説明が不足している部分はありますが、あらかたゴーレムとマッドゴーレムについての説明を終えたところで、少し話題を変えてエニカ様とそこのマッドゴーレムにご提案させて頂きたいことがあります』

 少し現実逃避をしていたところ、コロが改まった様子で私とゴーレムくんに向き合った。

「提案したいこと?何かな?」

「ピッ?」

『もしもエニカ様もマッドゴーレムも差し支えなければ、従魔契約を結ばれるのはいかがでしょうか?』

「え?」

「ピッ!?ピギャア!!」

 驚く私に対し、コロの従魔契約の言葉に最初に反応したのはゴーレムくんだった。

 洞窟の暗さにも負けない、キラキラした笑顔がランタンの灯りで照らされるのが見えた。

 この子は従魔契約がどんなものか知った上で喜んでいるのだろうか?

 そうじゃなくても、この子ときちんと話さないとだろうし、そもそもコロは何を思って提案したんだろう?

「コロ、どうしてこの子と従魔契約を結んだ方が良いの⋯って、ああ待って泣かないで君との契約が嫌とかじゃないから!」

 コロからゴーレムくんとの従魔契約を提案した理由が分からず疑問に思っての質問だったけれど、ゴーレムくんは私が契約を結ぶのを嫌だと勘違いしたみたいで、大きな目が潤み始めていた。

『彼を従魔に迎え入れた方が良いと判断したのは利点がいくつかあるためです。一つはこちらをご覧下さい』

 コロが頭に乗っけていたのはいつの間にか用意されていた望魔鏡であった。

『こちらが彼の魔力を写した結果です』

 望魔鏡を見てみれば、レンズの縁は茶色と赤の宝石のところだけ色がついていて、レンズ内もその二つの宝石のところだけ伸びていた。

『このマッドゴーレムは地属性と魔属性の魔力が使用できます。数値で表すと地属性は30代半ば程、魔属性は20程の魔力を保有していることになります。

 これは下位魔の魔力量平均が20程であることを鑑みると中位魔寄りの魔力量となります。

 量が多いのは地属性ですので、地属性の魔力限定にはなりますが、お二人が従魔契約を行いエニカ様の地属性の魔力量が増えれば、地属性の魔法がエニカ様も使用可能になります。

 またマッドゴーレムの魔力の質も上がるため、魔核が安定し使用できる魔法が増えると思います。

 地属性の魔法は主に土や石などを操ったり鉱物を精製したりすることが出来ますので、使用が出来る魔力や魔法が増えるのはお二人にとって損な話ではないかと思われます』

「コロの魔属性の魔力と一緒に、使えるようになる魔力が増えるのは私にはありがたいな」

「ピギャァ!」

『それに彼の持つ『石化の魔眼』はこれからエニカ様にとって大きな助けになるかと思われます』

「石化の魔眼⋯」

「ピッ、ピィ⋯」

 コロが度々口にしている『石化の魔眼』って、ロックベアーを石にした魔法のことだよね。

 でもコロが話題に出した途端、ゴーレムくんが目に見えて元気が無くなっちゃったのが気になるなぁ⋯

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ