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第二十五話 再び始まりの洞窟にて3

「この子が私を主として認めてる⋯?」

「ピギャ!ピギャピギャ!」

 コロから聞いたことが信じられずに思わず呟いた言葉だったけど、ゴーレムくんは嬉しそうに声を上げていた。

『はい。驚かれたことと思いますが、このマッドゴーレムのエニカ様に対するこれまでの行動を観察していると、どれもエニカ様を主と認識して行動しているように見て取れるのです』

「それって知らない内に従魔契約をしたってこと?」

『いいえ、従魔契約は主側、従魔側双方の同意を得て初めて成立するため、今はマッドゴーレムが一方的にエニカ様を主と認識しているだけです』

「主認定されるようなことはした覚えがないんだけど⋯」

『戸惑われていらっしゃるとは思いますが、何故そのマッドゴーレムがエニカ様を主と認識しているか、ゴーレム自体についても外でのおさらいを踏まえながらご説明致しますね』

「お願いするね、コロ」

「ピギャァ!」

『承知致しました、エニカ様。

 そこのマッドゴーレムはエニカ様を主と崇め奉りたいと思っているのであれば死ぬ気で言葉を話せるようになりなさい。

 外に出ていた時にも少しお話はさせて頂いておりますが、マッドゴーレムとはゴーレムという魔物の一種になります。

 ゴーレムとは基本は土や石、砂や泥など大地にある素材と地属性の魔力から生み出される魔物です。

 ゴーレムの種類が大きく二つに分けて自然型と人工型に分かれることをお話ししましたね。

 自然型は地属性の魔力が溜まっている場所から自然発生するゴーレム全般のことを指します。自然型ゴーレムは知能が高くないことが多く、発生した場所によって魔力の高低差が大きいこともお話ししたかと思います。

 一方、人工型は創造者が一から素材や魔力、命令式を調整して作り上げられる魔導生物のため、魔力や命令式を上手く調節出来れば命令を忠実に守る優秀な魔物となりますが、それは創造者の腕次第になるところが特徴的です。調節に失敗すると暴走してしまうため、創造に注意の必要な魔導生物の一つになります。

 ちなみに、石から出来ているものはストーンゴーレム、砂から出来ているものはサンドゴーレムなど、素材によって名称が変わります。

 そのゴーレムは少々乾き気味ですが身体の土に湿り気を帯びているのでマッドゴーレムにあたると思います』

「なるほど⋯でも今の話を聞いてたら、人工型のゴーレムは主として認識するかもしれないけど、この子の場合は自然型ゴーレムっぽいし、そもそも自然型のゴーレムが主って認識するにはどんな方法とか経緯があれば認識されるの?」

『鋭いご質問ですね。流石エニカ様。

 自然型のゴーレムを使役する場合、一度ゴーレムの魔核が破壊する寸前まで攻撃し、死にかけたところに命令式などの術式をかけるのが一般的です』

「え!?そこまでするの!?」

「ピッ!?」

『これだけ申しますと残酷なように感じられたかと思いますが、自然型ゴーレムは基本知能が高くなく、縄張りに入った者を襲う習性があることをお伝えしたかと思います。

 手加減し過ぎたら使役したい側が倒されてしまうので、強硬手段を取ることが自然と増えるのですよ』

「そ、そこまでして自然型のゴーレムに言うことを聞かせなきゃいけないのかな⋯」

『今でこそ自然型ゴーレムの使役は減りましたが、人工型ゴーレムの製造方法が普及するまでは、自然型ゴーレムと戦闘し使役の術式をかけるのが一般的だったようです。

 しかし自然型も人工型も共通しているのが、一度主と定めればそれ以外の主に仕えることは絶対になく、術式による主の書き換えも不可。そのゴーレムが生涯を終えるまで主に尽くす忠誠心の高さにより、ゴーレムを使役する者は少なくありません』

「ゴ、ゴーレムってそんなに主一筋になってくれる魔物なんだね⋯」

 なおさら何でこの子が私を主認定してるのかが気になる⋯!この子にそんな酷い攻撃とかしてない筈なんだけど!

「そしたら、この子が私を主と思ってるのは私が知らず知らずに攻撃しちゃった上に、気付かない内に偶然に術式を掛けたりしてたってことになるからなの?」

「ピギャ!ピギャ!ピギャギャ!!」

 ゴーレムくんが必死に何か伝えようとしてくれるけど、ごめんね言葉がよく分からないや⋯

『貴方は言葉を話せるようになってからエニカ様に伝えるようにして下さい。

 私も魔物の言葉が理解できる訳ではありませんので推測に過ぎないのですが⋯この個体は本来のゴーレムの一般的な大きさからするとかなり小さい方です。

 そこから考えられるのは、何らかの理由で元々かなり弱っていたか死にかけていたために、身体の大きさが維持できず小さくなったのではないかと思われます。

 そこに恐らくですがエニカ様の聖水によって持ち直したことで恩義を感じて主と認識したのではないかと推察致します』

「ピギャァ!!」

 コロが言い終わるとゴーレムくんは思いきり首を縦に振っていた。

「なるほどね、私のトイレでって、へっ???」

 もしかして私、ゴーレムくんの上で用を足しちゃってた上に、それが元で主判定を受けたってこと???

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