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第二十四話 再び始まりの洞窟にて2

『ハァ…ハァ…激しいエニカ様も素敵ですねっ⋯!』

「コロ」

『はい、承知致しました。魔物についてとそのマッドゴーレムについてお話し致しますね』

「ありがとうコロ。よろしくね」

「ピギャァ!」

『くっ⋯!さも当然の如く、エニカ様のお隣を陣取るなんて⋯!後で色々教え込まねばならないようですね⋯!』

 後でコロがこの子にどんなことを教え込むつもりなのか気掛けなきゃならないようだね。

 一応コロから魔物などについて詳しい説明を聞かせてもらえることになり、先生役のコロと相向かいになるように座り直した。

 コロの様子を見て怯えたり怖がってなければいいんだけどと思いながら、いつの間にか隣にいたゴーレムくん(暫定呼び名。ずっと魔物呼びもどうかと思って)をチラ見したら、特に気にした様子もなくて、「いつお話が始まるんだろ?」みたいに首を(かし)げて待っているようだった。

『中々に図太いようですね。まぁいいでしょう。これ以上エニカ様をお待たせすることは出来ませんからね。

 まずは魔物についてご説明致します。この世界では有機体、無機物問わず魔力と魔核を持ち、魔力の捕食や補給を必要とするものの総称を魔物と呼びます。

 魔核とは、魔物の生命維持活動に必要な器官となっており、人間種で例えると心臓にあたる器官となります。この魔核を破壊されたり奪われたり魔力の補給をしなかったりすることにより、魔力の供給や循環が出来ない状況になりますと魔物は死に至ります。ここまではよろしいでしょうか?』

「うん、大丈夫だよ」

「ピギャッ!」

 ここら辺は心臓か魔核かの違いと魔力の有無だけで、大体は元の世界の生き物と構造がほぼ一緒みたいだ。

『分かりました。二人ともご理解頂けたようですね。

では次のご説明に参ります。

 魔物には、上位魔、中位魔、下位魔という主に三つの等級分けがあります。この等級の分け方は魔力と知能の高さで大まかに分かれます。

 まずは下位魔について、魔力は高くなく並あれば良い方です。しかし人語を理解する程の知能はありません。先程遭遇したロックベアーがこの下位魔に該当します。一番数が多い魔物になります。

 次に中位魔については主に二種類に分けられます。一つは魔力は高いが人語を解するほどの知能はないもの。エニカ様がお見かけされたサンダーバードがこれに該当します。もう一つは魔力は高くなくとも人語を理解する程の知能があるもの。それはそこのマッドゴーレムが該当します。

 最後に上位魔については、下位魔や中位魔と比較して魔力知能ともに高いもののことを言います。

 上位魔にあたる魔物になる程、数は少なくなっていきます。

 他にも神魔と呼ばれる並み居る魔物と一線を画す魔物もおりますが、その魔物は極少数で滅多に姿も現さないため、基本は上位魔、中位魔、下位魔がいると思って頂ければよろしいです。

 ここまでの説明で何か不明な点はございますか?』

「コロ先生、質問があるけどいいかな?」

『エニカ様の先生呼び尊い⋯ではなかった、どうぞエニカ様』

「今の説明は分かったけど、何で身体能力とか身体の大きさとかは等級の判断基準になっていないのかな?

 ロックベアーに実際出くわしてみて、魔力や知能が高くなくても強そうな魔物だったから気になってね」

 本人ならぬ本魔物も側にいるからちょっと聞きにくいけど、身体の小さいゴーレムくんが中位魔なのも気になるし。

 知能の高さと生き物を石化させる不思議な魔法を使えるところが大きいのかな?

『良いご質問です。この(くらい)分けは言わば魔物と敵対した時の危険度や厄介さの区分けとなっております。

 この度、エニカ様が遭遇したマッドゴーレムとロックベアーで例えますと、身体能力や体格がいかに勝っていても最終的に倒されたのはエニカ様ばかりに気を取られ、周囲の注意を怠りマッドゴーレムを侮ったロックベアーです。

 それに対し、そこのマッドゴーレムは己がロックベアーの視界に入っていないことを把握した上で、『石化の魔眼』を発動していたように見受けられました。

 しかもエニカ様に当たらぬよう、タイミングを見計らった上で、ですね』

「つまりは体格や身体能力の高さより、頭が良い魔物の方が不利な相手でも隙をついたり、魔力を上手く扱えたりするから厄介ってこと?」

『エニカ様の仰る通りです。知能の高い魔物は仮に魔力が少なくても知恵が回ることで戦略に幅が広がり、対処が困難になる場合が多いため、危険度や厄介さの基準の一つとなっているのです。

 ちなみに、知能が高くなくても魔力が高い場合は、無意識にでも魔法を発動出来るため、知能の高さとは別に危険であると見なされます』

 頭が良くなくても魔力が高いと無意識に魔法を発動できるって、魔力の制御が出来てなさそうだから中位魔として等級分けされるのも分かる気がする。

「ピッ!ピギャギャ!!」

「ん?どうしたの?」

 今まで良い子にしてコロの話を聞いていたゴーレムくんが突然鳴き始めた。

 鳴いているのが気になってゴーレムくんのいる方へ向くと洞窟内の暗さで少し分かりにくかったけど、ゴーレムくんが口をパカリと開けていたのが見えた。

「お口を開けてどうしたのかな⋯これは?」

 ゴーレムくんの口の奥に何か丸く光るものが見える。ブラウン系の色合いなのにまるでダイアモンドのような光を放っている。時々赤い光もチラついているけど、この綺麗なの本当になんだろう?

『ああ、そこまでするということはやはり⋯』

「コロ、この子が何をしているか分かるの?」

『今からマッドゴーレムについてお教えするつもりではおりましたが⋯今、この魔物が行っているのは魔核を見せて敵意が無いことを示しているのです。

 先にお伝え致しますと、この魔物はエニカ様を主と認識しているのです』

「え?何で?」

 本当にどうして??いつの間に???

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