第十三話 始まりの洞窟にて13
『⋯承知致しました。ですがご無理は禁物です。
少しでもエニカ様のご不調がお見受けされましたら、エニカ様がお話を望まれましても休んで頂きますよ!』
「分かったよ。その時はちゃんとコロにも言うようにするね」
意気込むコロの様子に少し癒されながら、魔力についての話に戻ってもらうことにした。
『では魔力について、エターナレンでは存在する全てのものに魔力が宿ること、魔力を元に魔法の行使が可能なこと、魔力属性が12種類あること、転移者が概ね豊富な魔力量と質の高い全ての魔力属性を持ち合わせていることまではお話しさせて頂いております。
次にお話し致しますのは、魔力の使い方についてです。魔力とは通常意識をしなければ目で見たり、触れられるものではありません。
個人に内包される魔力を使用する場合、例えば魔法で火を起こそうとすれば、まず炎属性の魔力を思い浮かべ、その魔力が火に変化するイメージを想像します。次に頭の中でイメージした火が目の前に現れる想像を強く思い浮かべることで魔法による火が出現します』
「?????」
コロの話す言葉は分かる。けど、想像と理解が追いつかなかった。
説明は聞いていたけど、炎属性の魔力自体をどう思い浮かべたらいいかのところで早速躓いた。
「コロ、教えてもらったところに早速で悪いんだけど炎属性の魔力を思い浮かべるところから分からなくて⋯」
『お気になさらないで下さいエニカ様!私の説明不足です!申し訳ありません!
魔力や魔法が使用しやすくなるための方法がございますのでそれをお伝え致しますね!
魔力は視覚化した時に、その属性ごとに色があります。
光属性は白色、闇属性は黒色、炎属性は橙色、
水属性は青色、風属性は銀色、地属性は茶色、
力属性は金色、才属性は藍色、命属性は緑色、
霊属性は紫色、聖属性は桃色、魔属性は赤色、
となっております。慣れてくれば自然に出来るのですが、初めの内は魔力の使用時にこれらの色を思い浮かべられたらご想像がしやすくなられると思います。
また、具体的な魔法のイメージをされた時には、何か声掛けがあった方が魔法を発動させやすいかもしれません。
先程の例で言えば、火を出現させる前に『火よ出ろ』といった具合に唱えられた方が魔法を発現させるタイミングが掴みやすくなられると思います。
慣れてきたら声掛けなしでもスムーズに発現させられるようになられますよ』
「なるほど⋯こっちの方が魔力を使うイメージがしやすそうだよ。早速ちょっと練習を⋯」
『エニカ様。意欲が高いことは本当に素晴らしいことです。しかし休まれずに魔力を使用することはおすすめ致しません。少しの時間だけでもお休み下さいませ』
「そう⋯⋯分かったよ、コロ。ちょっと休ませてもらうね」
珍しく強めの口調でコロから注意を受けた。
説明を聞いた内にやっておきたいのが本音だけど、魔力使用初心者の自分が突っ走って取り返しのつかない失敗するよりかはコロの意見を素直に聞いた方がいいのは間違いないもんね。
私の返事にコロも少しホッとしたようだった。
『良かった⋯まだエターナレンにいらっしゃって半日も経たれないのに、エニカ様の心身を十分休ませるでなく、必要最低限ではあっても少なくない、更にご負担をお掛けするようなご情報ばかりをお伝えする形となってしまったことに心を痛めておりました⋯』
「コロ⋯」
『よろしければご休憩中、少しでもエニカ様が癒やされ、そして魔力の流れも良くなりますよう全身のマッサージを行わせて頂きますがいかがでしょうか?』
「今はコロの気持ちだけ受け取らせてもらうね」
キリッとした表情のコロには悪いけど、まさかマッサージをしたいがために休ませたりしていないよね?と邪推しちゃったから断ってしまった。
――――――
『ではエニカ様。魔力の使い方を練習してみましょうか』
しばらく休憩をしてから、いよいよ魔力を使ってみることになった。
『先程の例に出した火魔法は万が一、エニカ様が火傷する危険性がありますので、この場では変化の分かりやすい光属性の魔力で小さな光の球体を出現させてみましょう。
最初は私が手順を説明致しますので、エニカ様はまずその説明に合わせて光の球体を出現させることを目指しましょうか』
「うん、分かった」
いざ魔法を使えるかもしれないと思うとそんな場合じゃないって分かっていても、ちょっとワクワクしてしまう。
だけど、実際どんなことが起こるか分からないから気を引き締めていこう。




