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第十一話 始まりの洞窟にて11

「はいコロ先生!質問があるのですがいいでしょうか?」

『先生呼び興奮します!!!いえ、失礼致しました。お聞きしたいことがありましたら私の話の途中でも構いません。どんどんお尋ね下さい!』

 コロって結構本音が漏れることあるよね。それはともかく、今後に関わりそうなことだから聞ける時に聞いておこう。

「魔力の話から少し話が逸れちゃうかもしれないんだけど、この世界の人たちって召喚の儀?ってので正式に私たちの世界の人たちを喚ぶことがあるって言ってたよね?

 今の話を聞いていたら、何のために喚ぶのか気になってきちゃって⋯」

 私の問いに、珍しくコロの視線が困ったように彷徨わせた。嫌な予感しかしない⋯⋯

『魔力についてお話しした後にご説明をするつもりでおりましたが、今のお話の中でお気付きになられたのですね』

 コロが一呼吸置くように目を閉じてから、意を消したように話し出す。

『これからお話しすることはエニカ様にとって少々刺激が強く、衝撃的なお話かもしれません。

 しかし、この世界に来られた今、今後エニカ様のお命やお心、お身体を守るためにも是非お知りおき下さい。エターナレンの者たちが転移者を喚ぶ理由。それは⋯⋯』

 真剣な声色で話すコロに、私も固唾を呑んで続きを聞く体勢になる。

『端的に申します。子作りのためです!!』

「もうダメだこの世界で生きてける気がしない異世界異文化異人種なんもかんもが怖さと辛みしかないやだやだやだ」

『エ、エニカ様ぁぁぁぁぁ!!!?』

 コロの言葉にすぐ心が折れて柩の蓋を一旦閉めてから、その上に倒れ伏した。

 新品の洋服を汚さないよう気がけるだけの理性はあったけど、ちょっと今立ち直れそうにない。

 話の前後から何となくコロの言いそうなことは予感していたけど、いざ言われると本能的恐怖と生理的嫌悪感しかない。

 魔力が主流かつ人外が中心の世界で、質も量も豊富で属性も全種類揃えた地球人なんて来たら、秒で捕まって繁殖用奴隷とかそんなにされるエロ同人レベルで済んだら御の字みたいなことになるんでしょきっと。

『エニカ様⋯⋯』

 コロが気遣わしげに近寄ってきてくれた。

 度々すぐ心が折れてコロに面倒をかけるのは申し訳ないと思いつつ、現実を聞かされたらショックを受けずにはいられなかった。

『如何しましょうか?一旦休まれてからお話しましょうか?⋯⋯それとも、お話しを聞くのを止められますか?』

 ううっ⋯コロの優しさと気遣いはありがたい。でも現実を知らなきゃ知らないでそれも恐ろしい。

「こ、このままの体勢で悪いけど、話の続きをお願いしていい?」

『⋯かしこまりました。質問以外にも具合が悪くなられることがありましたら、遠慮なく仰られて下さい』

 具合が悪くなるような内容は確定のようだ。

『まずは何故私が子作りと申しましたか。そこからお話しますね。

 先程魔力についてご説明した時、この世界では魔力が主流であることをお話ししたかと思います。

 魔力はエターナレンにとって、生命活動にも生活動線としても必要不可欠なものでありますが、いつの時代もとある課題に悩まされていました。世界レベルでの魔力の減退と魔力属性の偏りです』

「え?魔力の減退?魔力属性の偏り?」

 思わず声が出てしまった。

 魔法の存在する世界で魔力の減退は大問題になるとは思うけどその原因が何か、魔力属性の偏りに至ってはどんなことが問題で何が起こったらそんなことになるやらは、さっぱり分からない。

『ええ。この世界では多種多様な種族⋯例えば肉食獣や草食獣などが人型になったような姿の獣人種やエニカ様の腰元までの背の高さが特徴的な小人種など、他にも代表的な人種はおりますが、様々な姿形、生態、文明文化を持つ人種が存在しております。

 遥か大昔は同じ人種や魔力属性同士で番うのが一般的であったそうですが、そうなると能力も魔力も強力な個体が生まれやすい反面、別人種間での相互理解が進まず争いが絶えなかったようです。

 幾つもの種族が滅び世界の大半が壊滅状態になるような大戦後、僅かに生き残った各人種の代表などが集まり、和平施策の一環として全世界に対して一時的に同族間、同人種間で番うことを禁止し、別人種との婚姻のみしか許されない時期があったそうです』

 きょ、極端だな⋯⋯でも、そこまでしないと大きな争いが止まなかった歴史がこの世界にあったんだ⋯⋯

『その施策は別人種間で相互理解を広め深めるきっかけとなり、結果的に大戦の減少には繋がりました。

 しかし、とある問題が起こるようになりました。別人種同士で子どもが生まれ続けると個人が生まれつき保有出来る魔力量が減少していくことが長年の調査で判明したのです。

 それだけでなく、別の魔力属性持ち同士で番い子どもが生まれた場合、魔力量や魔力の質が高い方の属性持ちが生まれやすくなりますが、魔力属性によっては希少な属性があるため、希少な属性持ちが己の魔力量や魔力の質が少しでも高い一般的な属性持ちと子どもが出来れば希少な属性持ちの方が淘汰されていくという事態が起こるようになったのです。

 施策自体は早い段階で撤廃されていましたが、気付いた時には全世界で同様の問題が確認されるようになっていたのです』

 異世界の歴史が大変に重い⋯⋯そこから転移者との子作りにどう繋がっていくのか知るのが更に怖いけど聞くしかない⋯⋯

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