神様見習いで神使になりました
私は『卯月 皐月』。
夕闇神社という、山の中の有名な神社の神様の神使をやっています。
何故神使をやっているかというと、私は人間ですが……神様になれる素質があるらしいのです。
それから私は神様見習いとして、神様に引き取られ、ここで働くようになりました。
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「皐月! あんたまだ買い出し行ってないの?!」
私の上司の割烹着姿の、タマさん。
猫又の見習いで、今はまだ完璧に化けられないので、人間に猫耳を生やしたような見た目だ。
こんな綺麗な顔が、いずれ毛むくじゃらになると思うと残念だ。
「はっ! 掃除が楽しすぎて……」
私は掃除が大好きなのだ。
私の口ぶりにタマさんは、どんどん目が吊り上がっていく。
「早く行きなさい!! 『トキ』様のお食事を一秒でも遅らせたら、妖が大量の山に捨てるからね!!」
「ひいぃ!!」
私はそのまま厨房まで走り、財布を引っ掴んで勝手口から出ていく。
「皐月!! 片付けてから行きなさい!」
「すみません、片付けといてください!」
私は振り返って、そう叫んだ後、ダッシュで石段を駆け下りた。
後ろから何か叫ばれているが、何も聞こえない聞こえない。