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第弐話 凡人の天才

 「黒木龍也ですか…」

 本部へ戻り、議長室へと呼び出された黒豹はとある書類に目を通していた。表紙は無地だが、一枚捲ると、一人の男のプロフィールが書かれていた。

 黒木龍也。筑波研究学園特別行政都市で生まれ育ち、現在は高校二年生。犯罪歴等なし。

と、プロフィールには特に目立つようなことは書かれていなかった。

 「議長、この人物が何か?」

 議長と呼ばれた男は持っていたティーカップを机の上に置き、足を組み直した。

 「そうだねぇ…君は、この男がどんな人間だと感じたか教えてくれるかな?」

 議長は黒豹を試すようにそう言う。彼女は少し考えるそぶりを見せるが、すぐに口を開いた。

 「率直に言うと、とても平凡な人間だと思いました。成績も普通、家庭環境も普通、親の職業も収入も平均的。絵にかいたような普通の人間です」

 「ふむ…先に言っておこう。僕は彼を評議会の幹部として迎え入れるつもりだよ」

 そう言うと、黒豹はほんの少し驚いたような表情を見せる。が、すぐに元の表情へと戻した。

 「…議長とは長い付き合いになりますので、なんの考えもなしにそんなことを言っているわけではないことは分かってます。《《種明かし》》をしてもらえますか?」

 「もう少し驚いてくれると思ったんだけどねぇ…1枚捲りなよ」

 そう言われ、黒豹は次の紙に目を通す。すると、様々な表やグラフが書かれていた。

 「これは…IQテストの結果、こっちはサバイバルゲームのスコア表?」

 書かれていたグラフや表は彼が受験したり、参加した企画や試験のデータだった。

 「議長、こんなデータで何がわかるんですか?」

 声にこそ出さないが、黒豹は呆れた表情を露わにして議長へと問いかけた。

 「彼は、戦術と話術の天才だよ。時代が戦時中なら間違いなく軍神になってただろうね」

 黒豹は耳を疑った。

 こんな平凡な人間が戦術と話術の天才?しかも高校生で?

 しかし、今一度サバイバルゲームの結果などを見ると、確かに完璧な戦術だ。非の打ちどころが見つからないのだ。

 「納得してもらえたみたいだね。彼の学校に明日行き、正式な辞令を渡す。君もついてきてくれるだろう?」

 「分かりました。ただし…彼を私の部下にさせてください」

 「言われなくても、君と同じ僕の直属の部下にするよ。彼は本部に必要な人間になるだろうからね」

 議長は紅茶を飲み干し、席を立つ。

 「それにしても…」

 部屋を出ようと自分の横をすり抜けた議長に黒豹は話しかける。

 「いつまでそんな名前で私のことを呼ぶつもりで?ここにはあなたと私しかいませんよ」

 「ほんの出来心だよ。君も同じだろう?『アヤ』」

 「あなたは本当に変わらないですね…『シュウ』

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