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ピンボール / 鉄球の如く…  作者: 音澤 煙管
3/4

若さとは? 編




「動くかどうかはお試しか?

" 100円/4プレー " なんだぁ、

へぇー良心的になったなぁ。」


バイト時代に手を焼いたピンボールゲーム機との再会も束の間、直ぐにテスト運転(プレー)をしようと100円を投じる。


「では入りまーす…チャリンッ」


感動の瞬間だ…


ピコンッ…ガチャンッ…

ガタガタガタッ…コンッコンッ

ポンッポンッガチャンッ…


…ゥヴーーーーーーンッ

(英語で)

べチャクチャべチャクチャ…


ヒュイーンッ…ゴゴーーーッ…

チンチンチンッ

キンコンッ…ゴロッカタンッ


前にプレーした人のギミックの途中がリセットされ、新しくゲームスタート、シューターにボールが送られる。


「ちゃんと動くやん!どれ…

いっちょ久しぶりにもんでろうー」


ココのバイトで、あらゆるゲーム機に触れ、実際にプレーして…

メンテナンスや修理までやったもんだから、暫くはゲームオタクになるきっかけをつくってくれた。


専門的な知識はわからないままだ…

でも、作った人の感性やら工夫を裏側の目で見てみればとても丁寧で複雑に、ゲームする人の立場と楽しさを考えて作ってある。モノ作りの職人が作った本物のゲーム機だから、手が焼けるわけだな。


バイトと人柄も認められて、

春と秋には業界関係者が無料で招待される展示ショーまで同伴させてもらい、東京ビッグサイトや幕張メッセにも足を運んで、どうしても直せないゲーム機があればメーカーを呼んだ時にも、親しくなれば元の配属先があのスペースインベーダーゲームを開発した部署に居た人と話したり、他のゲーム好きやオタクたちとは違う経験をさせてもらった…

ココは、ぼくのゲーム人生の集大成の場所だ。


「さぁ!…レッツ…

(ガチャ…) ゴーッだっ!!」


ポーーーンッ


ぼくはプランジャーのレバーをおもむろに引いて直ぐに離した。

シューターから勢いよくボールが飛び出し、フィールドにあるパッドにぶつかる。クッションのバネが20年前のモノでは無いように跳ね返る。


記憶の思い出の中では色褪せていたが、目の前にキラキラ輝いて居るピンボール台が揺れて居る…と、この時ふと思った。


未だ10代の若い頃、反抗期で親と喧嘩して生まれて初めて家を飛び出し、

夏休みだったから暫く家には帰らず、友人の家に寝泊まりしながら友人の親戚の工場へアルバイトして過ごした事がある…。半分職人さんのような鉄工場で、知り合いでも怒鳴られて言うなりにして居た事を。生活がかかってるから、大人しくして居ないとクビになるし…でも、粋がってはたまに口ごたえはしてたっけ…

これが初めての社会勉強になったかな?


プランジャーレバーが母親…

鉄球のボールが自分…

パッドで跳ね返すのが、友人の親戚の職人さんになるのかな?

仕事の師匠でもあるし、社会勉強の最初の師匠だね、怒鳴る事以外は優しい職人さんだったよなぁ。


…チンチンッ

カンッピコンッ…ガチャッ

ブーーッ

(英語で)

ベチャクチャーベチャクチャ…


( 我に返る… )

「あっ…回想してたらフリッパー通り過ぎてボールが落ちた…失敗だ。


キンコンッ…ゴロッカタンッ

あと3プレーか、よし…

ガチャッ…ポーーーンッ


2プレー目のプランジャーを引き直ぐに離す。今度はミスしないように。」


ガチャガチャッ…

ピコンッカンカンッ

ガチャッガチャッ

カンカンッピコンッ…


左右のフリッパーボタンを軽快に押し

ボールを弾ませる。


ある一定の条件や、スコアを満たすとマルチボールなるモノが出てくる。

ピンボールは一つの球ではつまらないからね。


動かないクッションパッド以外にもトンネルや、記号の書いてある丸い札、

ティルトホールと呼ばれる穴に入ると最高3つでゲームが出来る…いいね。

今度は調子よく、もうすぐ2万点になろうとしていた…。



( つづく )




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