贈り物の日
「ダニエル、コーク、ティフ。
三人とも色々ありがとう。わざわざ助けに来てくれて。」
ギルドからの帰り道、三人にそう伝える。
単純に三人が来てくれたことも嬉しかった。
「やっと、少しだけ恩が返せました。
でも、まだ返し終えてはいないんです。」
ダニエルは俺の方を向き直るとそう言った。
「死なないでください。ジンバさん。
セーブさんも、エポックさんも。死なないでください。
僕だけじゃない、コークも、ティフも、まだこれから恩返しをするんです。」
「ああ・・・・・・。」
ダニエルは口調強めにいう、俺は目を合わせて頷く。
「信じてます。私は皆さんのことを。」
ティフはそういうと、首にかけていた木で作られたペンダントを俺ではなく、セーブに渡し
「これは昔、私のお母さんから貰ったペンダントです。このペンダントには不思議な力があると聞いています。
どんな力なのか、わたしにはわからなかったのですが。」
「そんな大切なもの、頂けないわ。」
セーブはペンダントをティフの手に返そうとするが、ティフは首を横に振り
「これはセーブさんがお持ちになった方が良いと、感じたのです。
何故だかわからないのですが、これもお持ちになれば災いを防げるのでは、と。」
と言って、セーブの首にペンダントをかけた。
チェスナット色の木、それがティアドロップ型に加工され、いくつかの透明な石が埋め込まれたペンダントだった。
「・・・・・・ありがとう、ティフ。大切に使わせていただくわ。」
「エポックさんも、どうかお気をつけて。」
「ありがとう、コーク!」
エポックはコークと固い握手を交わしている。
「私もティフと同じように、これをお守りがわりに使って。」
そう言って渡してきたのはダガーナイフだった。
いつだったか、エポックがナイフ選びで見ていたナイフの一つだ。
「私のようなフェンサーは、鎧で守られた相手と戦うときのために、こういう突き刺しナイフを用意しておくの。
エポックさんにも役に立つかなって。お揃いのを買っていたんです。」
エポックは嬉しそうに受け取り、シースから刃を取り出して見る。
欠け一つない刃は銀色に鋭く光っている。
「これは、いいものだ!
ありがとう!コーク。大事にするね。」
嬉しそうに握った手を繰り返し振り回している。
「必ず、合格してきてくださいね!」
「うん、僕らに任せといてよ!」
「ジンバさん、実は僕からも渡したいものがあるんですよ。」
ダニエルの表情はいつになく真剣だ。
きっと大きな覚悟を決めて俺に伝えたのだろう。
「僕がジンバさん達に渡したいもの、それは・・・・・・。」




