ストレートパンチ
「解散してほしいんだ。」
ベルナルドのその言葉を聞いた時、俺は・・・。
俺は思わずベルナルドに飛びかかって、全力で殴った。
スキルも何もない、俺の拳はベルナルドの頬にクリーンヒットした。
ベルナルドは部屋の後方にある棚に倒れ込む。
「何が解散だ!
エポックが、セーブが、俺がどんな思いでここまでやってきたと思っているんだ。」
周りが騒然とする中、ジンバはそう怒鳴った。
短い間だが三人で過ごした日々は色濃く思い出に残っている。
「ぐっ、・・・だがね、考えてもみたまえよ。
このまま冒険を続けたとして、2人のことが知れ渡れば、山ほど襲ってくるやつが増える。もちろん、君を地獄送りにした玩具屋もくるだろう。
一度死にかけた君に、守れるのか?」
口の中を切ったのか、口の端から流れる血をローブの袖で拭きながら、ベルナルドは問いかける。
「守る!」
俺はハッキリとそう答える。
自信なんてない。でも、そう答えなければ解散させられてしまう。それは嫌だ。
「ハッ、死にかけたジンバ君が言っても説得力もないな。」
鼻で笑ってベルナルドは一蹴する。
「それでも、守る!」
俺は負けじと繰り返す。
方法があるわけでもない、だけど言わなきゃ解散させられちまう。
それは嫌だ、絶対嫌だ。
睨み合ったまま、動かない2人。
周りも黙って見ているだけだ。
「では、こうしましょう。
守れるだけの力が本当にあるのか。
それをテストする、というのはどうでしょう?」
沈黙を破ったのは、彼女。
クレミアだった。




