ブレークアップ
「な、なんで私が・・・。」
「セーブ君、君のクラスはヴァレットだ。従者系のスキルをいくつか使えるはずだ。そしてその中に、【スワップ】という、スキルがあるだろう。」
「ッ!それは・・・。」
ベルナルドにそう指摘されるとセーブはハッとした顔をして黙り込んでしまった。
「【スワップ】というスキルは、簡単に言ってしまえば精神力を移す力だ。
精神力が足りなくなった人に分け与える時に使うスキルだが、セーブ君はジンバ君を助ける時、このスキルを使った。」
無言のまま、セーブは下を向いて俯いている。
「精神力を移し替える・・・、でもそれだけじゃ何もできな「そうか、エポック君の力と合わせると!」」
コークの言葉を途中で遮るように、ダニエルが立ち上がる。
「そうだ、エポック君の【実現する願い】は自分の精神力の限界を使って、その時に自分が必要とする力を発現する。もし、エポック君の精神力に、セーブ君の【スワップ】を使って何人かの精神力を移すことができたとしたら・・・いや、実際にあの時は出来たのさ。
だから、ジンバ君は蘇生した。」
セーブは震えていた。彼女には分かっていたのだ。
エポックの秘密を聞いた時、自分が思わぬ形で参加していたことを。
そして、それがどういうことなのかを。
エポックも、わかっている。だから、青い顔をしたまま、何も話さない。もしかすると事前にベルナルドから聞かされたのかもしれない。
「ドンッ!」
沈黙の広まった部屋にテーブルを叩く音が響く。
「あの少年のことも、わかった。
セーブとエポックが、それにみんなが俺を助けてくれたのもわかった。
そしてセーブもエポックも、俺のために危険な立場にいることも、わかった。
それで、つまるところ何を言いたいんだ。」
俺には、その答えが
わかっている。
力を持つエポック、そしてその力の底上げができるセーブ。
2人が揃ってしまうと、それはとても「危険」に見えるのだ。
俺たちが、この力を悪用しないと思っていても、周りがどう見るか分からない。
危険を放置するより、刈り取っておきたいと考える奴の方が多いのは当たり前だ。
だとすると、この後のベルナルドの話は決まっている。
俺はベルナルドを睨みつける。
ベルナルドは一度長く目を瞑ると、意を決して
「・・・・・・つまるところね。
チームを解散してもらいたいんだ。」




