エポックの秘密①
「いやー、このお茶ね。帝都にある有名なお店のお茶でね。並ばないと買えないんだよー。」
そう言っていつも通りの様子でお茶をすすっているベルナルド。
感動の再会の後、改めて俺たち三人とベギルド陣営、それとダニエル、コーク、ティフの三人を交えた会議が始まった。
「こっちのお菓子もね、ほら。あの有名なね、市場通りのお店で買って来たやつ。ドラゴンホーネットの蜜を使ってるんだ。うんうん。」
「そんなことよりも、いろいろ説明しなければならないことがあるのではないですか?」
ふざけた調子でお菓子を頬張るベルナルドにクレミアが釘を刺す。
「ああ、わかってるさ。
そうだねぇ、話すと長くなるんだが・・・。
まず今回のことの発端だ。これまでは戦争というほどの事じゃない。たかだが極小の同盟国が帝国領を攻めるなんて大変な事だからね。」
「ところがロア同盟国が本格的に攻めて来たという事でしょうか?」
ダニエルがすかさず質問をする。優秀な商人だけあって、こう言ったときには素早い。
「キメラを作ったという話は、既に得ていたんだ。そしてそれはジンバ君たちなら、余裕で倒せるだろうと・・・。だが、それは甘かった。まさかマリシャスが来るとは。」
「マリシャスというのは、あの少年か?」
ジンバが尋ねる。ベルナルドは静かに頷く。
「アレは、悪意の塊だ。
いつからロア同盟国に肩入れしているかわからないが、アレはただ楽しんでいるだけだ。」
そう言って苦虫を噛み潰したような表情をする。
彼らは、少なくとも昔からの知り合いらしい。
「ともかくも、今回の一件はこちらの落ち度だ。アレが来るのを見抜けなかった。それによって君たちの命の危機があったわけだからな・・・。
特にジンバ君は、危なかった。そこの二人が居なかったら、助からなかった筈だ。」
「二人が必死になって助けてくれた話は聞いています。精神力が切れるまでヒールしてくれたと。」
「それだけじゃない。
・・・それだけじゃないんだ。二人がやってくれた事はな。
まず、エポック君から説明しておこうか・・・。いいかな、エポック君?」
ベルナルドのその言葉に、エポックは頷いたのだった。




