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100の資格を持つ勇者  作者: 小鳥遊カンナ
序章 ものがたりのはじまり
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初めての依頼

エポックはもともとこのあたりで生まれたわけではなく、母親と一緒にこの地方にやってきた。とのことだった。

もともとはある森の中で生まれたのだが、ある時そこから母親が自分を連れて旅だったのだそうだ。

母親は優れた人物で、巫女として雨ごいをしたり、豊作を祈願することで、生活していて、様々な村を転々としてきた。

その母親がたまたま、この近くの村を訪れたときに大きな大災害があって、それを食い止めるために亡くなってしまったと。

本来であれば母親のような巫女になれればよかったが、自分には巫女としての才能があまりなく、雨ごいもできない。そのため、村の人の下働きをすることで生活しているということを教えてくれた。


「下働きって言っても、こうやって食料はもらえるし、食べるにも困ることはないからいいんだけどね!」

「とはいっても貴重な食料をいただいてしまって申し訳ない。」

「いやー、だいじょーぶ!私も一緒にご飯が食べられて楽しかったよ!」


「とはいってもな、なぁセーブ」

「そうねぇ、御馳走になってそれで「はい、ありがとう」ってのは、だめよね。・・・そうだ、何か仕事を手伝わせてくれないかしら?」

「んー?仕事?そりゃあ手伝ってくれたらありがたいけど。」

エポックは少し悩んだ様子だったが

「でも、ちょうど困っていたし、助けてくれるとうれしいかな。」

と俺たちの申し出を受けてくれた。



エポックの仕事とはこうだ。

村の人が育てている作物をゴブリンが荒らしに来てしまう。

ゴブリン単体は大したことがないが、最近3体で来るやつがいて、困っている。

なんとか撃退しているが、完全に倒してしまいたい。とのことだった。


「これを退治できれば、だいぶ楽だと思うんだよなぁ。たぶんしばらくゴブリンは来なくなると思う。もちろん、ゴブリン一匹くらいなら僕にも楽ショーなんだけどね。」

「やってくるのは、だいたいいつぐらい?」

「だいたい、夜に来ることが多いんだよね。」

「そしたらさっそく、今晩見張るわよ!私に良い作戦があるわ!」


セーブの作戦はこうだ。

まず、三匹のうち一匹をセーブが妖精の口笛で眠らせる。

二匹のうち一匹をエポック、一匹をジンバが狩るという単純なものだ。


エポックは銅でできた短剣と木でできた盾を使うそうだ。

ジンバはまだ、木の棒しか持っていない。さすがにゴブリン相手といえどこれだけでは辛い。

エポックの家には余分な武器がなく、とりあえず先ほど手に入れたゴブリンの角を木の棒にツタで結び付けて、即席の槍にした。

少しは殺傷力が上がった・・・ような気がする。


それだけでは心配だったので、小石をポケットに詰めておく。当たれば、きっと痛いはずだ。


俺が準備をしてる間に、エポックが木の皮で胸当てを作ってくれた。胸当てといっても大きくはいだ木の皮にツタを通して縛れるようにしただけの簡易的なものだが、ないよりはましだ。


全員が準備を終えるころ、すでに外は暗くなっていた。

夜が、やってこようとしていた。


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