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100の資格を持つ勇者  作者: 小鳥遊カンナ
ファーイストの英雄
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長い夜③

「遅くなりました!警備隊です。」

そういって俺たちのところに駆けつけたのは、10人程度の兵士だった。


このファーイストの街は小さな街だ。それでも警備兵くらいは在中している。ギルドとは管轄の違う、帝国から派遣された軍人だ。それでも、まだ新米なのか、真新しい槍を装備している。



この北の詰所はこれまでは基本的に攻められることのない場所だ。そのため非常時以外はここに兵士が詰めているようなことはない。

なのでギルドが時々依頼を出して、冒険者を警備にあたらせているのだ。


「これは・・・!見たことがないタイプの魔物だな。・・・。しかし・・・。」

そういって銀色の兜をかぶった兵士は、驚きの色を隠すことができないでいる。少し悔しそうにも見える。冒険者なんかに魔物を退治する手柄をとられたのが悔しいのかもしれない。


「まだ他に、魔物がいるみたいなんだ。」

そういって俺は影を指さす。先ほどより近くなっているので、魔物の姿がよく見える。

グズグズ動いていて、覇気がない。

数も20体くらいであろうか。よく見れば、エポックが仕掛けた罠にかかっている奴もいる。それにほとんどの魔物はいわゆる低級の魔物だった。


「ずいぶんのんびりしているな、それに冒険者が仕掛けた罠に引っかかっている。これならば、楽勝だな。」

その隊の中で、少しまわりとは違った装備をしている・・・緑色の装飾の施された鎧を着ている兵士は、そういって胸をなでおろしている。

本当にそうだろうか?


「とりあえず、警戒しておくことは大切だとおもうんだ、だから、とりあえず俺達と協力して・・・。」

「いや、その必要はない。あの程度、しかも弱った魔物なら私たちでも大丈夫だ。

皆さんは下がって。

・・・よし!それでは魔物の掃討を行うぞ。」

ジンバの静止を聞くこともなく、兵士たちはどんどん進んでしまう。





「そうは言うけど・・・。」

「放っておくわけには・・・。」

「いかないわよねぇ。」


三人でそういうと、先行した兵士たちの後を追いかける。

おせっかいな俺達だから、仕方ない。



*********

罠にかかった魔物をせん滅するのは、簡単な仕事だ。

こいつらの目を見れば、弱っているのは明らかだしな。


私は兵士たちに「かかれ!」と指示をする。

それぞれの兵士たちは槍を構えて、魔物を猛然と屠っていく。


あのゴブリン?を倒されたのは、まぁしょうがないが、ここで少しでも魔物を狩っておきたい。

そうじゃないと、こんな辺境の街の部隊長で終わってしまうからな。早いところ帝都に帰りたいもんだ。


この調子なら、あっという間に・・・。

ん?なんだ。おかしいぞ。


倒したはずの魔物が、起き上がってくる?

なんだこいつら、ちゃんと仕留めることも出にないのか?

「おい、しっかり弱点を狙わんか!」

「い・・・いや、しっかり突き刺しているはずなんですが・・・。」


確かに胸に槍が突き刺さっている。

他の魔物も同じだ。こいつらアンデットなのか?

アンデットといえど、何度も突き刺せば体力がなくなり、いずれ死ぬ。だがこいつらは・・・。

何度も何度も立ち上がって、身体が崩れても襲ってくる。


「ひぃぃぃぃぃいいいい!もうだめだ!」

その姿に兵士たちは、武器を捨て、逃げようとする。

「おい、まて!持ち場を離れるな!」

そういっても遅かった、蹂躙していたはずの兵士たちはいつの間にか逃げる側に回ってしまっていたのだった。


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