お店再開ウルトラ大作戦④
ギルドから出た後も、俺たちは緊張が解けなかった。
それでも、俺たちはダニエルと共にスラムに向かう。子ども達をギルドの職員宿舎に送る為だ。
俺は子ども達に
・ギルドの嘱託を受けた治療院になれたこと。
・そしてギルドが衣食住を提供してくれること。
を伝えた。
喜ぶ子ども達をなんとかなだめながら、ギルドに連れていく。ギルドの職員も、すでにクレミアから話がいっていたのかすんなりと受け入れられた。
俺たちはもうクタクタだ。先ほどはクエストボードを意気揚々と見ていたエポックも、もう見向きもしない。
本当は少しでも金を稼ぎたいが、今日は帰ろう。
ダニエルと別れると、ふらふらと宿へと戻っていくのであった。
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その日の夜、ギルドマスター室
部屋は薄暗いが、中には何人かの人が話しているようだ。
「・・・と言うことがありましたので、報告しておきます。」
「そんなことがあるもんかね?や、確かに彼らは君の言う通りかもしれないな。うん。
しかし、ヒールを使える孤児の子どもか、凄いね。コレは。」
「どうやら奴は・・・ラトゥーユ伯の子息を助けてもいるらしい。」
「ああ、その人なら今日一緒にいらっしゃってました。
まだ未熟な前途明るい商人さんと言った感じでしたが。
貴族と関係を作りたいと言うことでしょうか?」
「やー、それなら長男ではなく、次男だろう。いくら伯爵位とはいえ、後継でなければ意味はないよ。」
「腕前の方は、まだ未知数といったところだろう?」
「まぁ上級職の私に一撃与えたとはいえ、まだ下級職ですから、でも、私の『バトルマニア』のスキルが反応するわけですから、まんざら素質がないわけでもなさそうですね。」
「・・・磨けば光る逸材といったところか。」
「だが、そんな逸材なら頑張って育てておきたい所だねぇ、うんうん。」
「・・・そうだな、何せ今はきな臭い、危うい危ういロア同盟国に一番近い街はこのファーイストの街だからな。・・・あのスカウトの娘は、俺の方で鍛えよう。」
「私は、あの妖精族のお嬢さんですかね。私に怯えて何も言えなかったところを見ると、ね。」
「やー、そうすると僕がジンバくんか。
困ったなぁ。僕じゃうまく育てられないよ。うんうん。」
「またそんな事をおっしゃって、顔が嬉しそうですよ。ギルドマスター。」
そう言って三人の影が笑っている。
「・・・くれぐれも、やりすぎないようにな。クレミア。お前はなかなか手加減が下手だからな。」
「貴方こそ、副ギルド長兼諜報員なのバレないようにね。アルフォート。」
「ま、ま、二人ともほどほどに頼むよ。うんうん。」
そう言って、二人を宥めるギルドマスター ベルナルド。
ジンバ達の知らないところで、また別の動きが始まろうとしていた。




