初戦、そしてレベルアップ
心強い仲間「セーブ」が仲間に加わった。一人じゃないっていうのは何とも心強い。
「えっと、改めて。俺はジンバ。もともと、別の世界で暮らしてたんだけど、運よくこの世界に来れたんだ。女神さまはアルカディアって言ってたけど。」
「そう、この世界はアルカディアと呼ばれているの。魔物もいるし、魔法もある世界。私のような妖精は不思議じゃない。そんな世界なのよ。それでね。」
セーブが突然、地面を指さして
「そこに落ちている木の棒を拾って、構えて!」
「っっ!!」
俺は言われるがまま落ちていた木の棒を持って構えた。
するとその直後、「ガンッ!」と同じような木の棒がぶつかってきた。
木の棒を当てた相手、小汚い布を巻いた緑色の醜い生き物。ゲームでよく見る相手、異世界おなじみの相手、ゴブリンだ。
「あれはゴブリンよ。知能も低く、力もそれほどではない、けど集団で来ると厄介な相手。でも、一体だけなら簡単に倒せるわ。」
セーブはそういうと、俺の耳元に近づき
「私の合図で避けて、攻撃をよけたら、頭を狙ってたたいて!」
と囁いた。俺は無言で頷いた。
ゴブリンは木の棒を高く振り上げて俺に向かって突進してくる。
「3,2,1、今よ!」
大振りに振ったゴブリンの攻撃が来る瞬間、俺は大きく右にステップ。
すると攻撃をかわされたゴブリンはその勢いのまま転び、地面に倒れた。
「さ、この瞬間に攻撃を!」
俺は、倒れたゴブリンの頭を狙って、木の棒で叩く、叩く、滅多打ちした。
ゴブリンは小さく「グギュ」と声を出した。頭からは結構な血が流れ出た。
俺はその光景に少し気分が悪くなり、手を止めてしまった。殴る感触、流れ出る血、気持ちが悪い。
その瞬間、瀕死のゴブリンが起き上がり、俺めがけて木の棒を投げてきた。
「ッ!」
セーブがとっさに俺の前に出て、庇う。
木の棒とはいえ、体格の小さいセーブにはそこそこ威力があったのか、弾き飛ばされてしまう!
「セーブ!」
俺はとっさのことで叫ぶ、しかしセーブは
「・・・ダメよ、しっかりとどめを刺さないと。今度はしっかり倒して!」
「ッ! わかった!」
俺はもう一度しっかり木の棒を構えると、獲物を無くしたゴブリンに突進していき、無我夢中で乱打した。
今度はしっかり、動かなくなるまで、叩いた。
―ゴブリンを倒した!
ジンバはレベルアップした