最初の旅の終わり
「あー、ここは極楽にゃー。」
街の中心街、大通りに面した宿屋「虹色のりんご亭」の一室のベッドの上に横たわって、エポックはそう言った。
砦をそそくさと後にした俺たちは街に向かってこれまたそそくさと歩いた。
みんな無言で、ともかく歩いた!歩いた!
ファーイストの街は砦から本当にさほど離れていなかった。ただ、街の中に入るには門で検問を受けなければいけなかった。
検問といってもガラスの板のようなものに触れて職業を伝えるだけで良かった。犯罪者や盗賊を入れない工夫らしい。
それと、入場に関わる税金を徴収するためだ。
商人などは街に入るためには税金を払わなければならない。その税金は市民よりも高い。
市民は銅貨一枚、もしくはそれにかわる品物が税金になる。
ところが、俺たちのような冒険者の職についているものは、税金が免除される。これは、魔物を退治することが、街の治安を守ることになっているからだ。
「ちょっとお得だよね!」と、エポックはニッコリウインクをした。
街の中は、もうそろそろ夕方だが活気がある。
食べ物のいい香り、お腹を程よく刺激する、が、
今はそれよりもベットに横になりたい。
「あっ!」
セーブが道の向こうを指差す。
大通りに、見るからに宿屋!ご丁寧に看板まで付いている宿屋!
俺たちは顔を見合わせると、駆け足でその宿屋に入った。
そして今に至る。
一番安い二人部屋だ。程よく古びた感じのする部屋で、床が軋む。
それでも、床に寝るのと違ってベッドはふかふかだ。掃除もされているのか、埃もなく、匂いも臭くない。
「俺、・・・もうベッドと結婚する。」
「なにいってんのよー、こんなとこに寝そべってー。冒険者ギルドに登録しに行ったりしなきゃじゃないの。」
エポックのベッドに身体を横たえたセーブがいう。
しかし、うつらうつら。もう寝てしまいそうだ。
「ちょっとだけー、ちょっと目を閉じて、すやすやするだけー。」
エポックも完全に寝る体制だ。辛うじて装備は外したがベッドの上で背中を丸めて居る。
「ちょっとなら・・・ふぁぁぁぁ。」
と俺も大きなあくびをして、そのまますやすやと。
三人仲良く、眠ってしまった!。




