滝の裏の洞窟
「ぷはぁ!・・・滝の裏に何かありそうだぞ。」
俺は水面から顔を出すと、髪をかき上げてエポックとセーブに伝えた。
「何かって、もしかしてお宝?」
エポックは嬉しそうだ。耳だけでなくしっぽも震わせている。
「そうかもしれない。
とりあえず様子見で3人で行ってみよう。セーブは俺の身体に捕まっていればいい。」
「大丈夫よ。
こう見えても妖精は泳ぎ上手なのよ。」
と自信満々に言うセーブ。
彼女の格好は執事が着るような燕尾服にシルクハット。
俺の想像をインストールしたとはいえ、泳ぎやすいとは思えないんだが。
そんな心配をよそに、泳ぐ準備は万端だ。
「まぁいいや。それじゃ、限界になる前には水面に上がってこよう。
せーのっ」
3人同時に水中に潜って行った。
・・・
滝の裏、滝壺から潜っていかないと行けないようなところ。そこが少し光っている。
俺はそこを指差し、泳ぐ。
滝壺の中は、水流が早い。水底に流されそうになる。
得意と言ってただけあって、セーブは俺よりも先をいつのまにか泳いでいる。
と言うよりも、少しでも水の流れの穏やかなところを誘導しているみたいだ。
エポックは、泳ぎは苦手ではないが、流れに苦戦しているようだ。少し遅れている。
俺は彼女の手を掴むと、優しく誘導しながら泳いだ。
もうすぐ息が続かなくなりそうになるころ、滝の裏の光に飛び込むことができた。
そこは洞窟だった。洞窟の入り口は水に覆われていたが、上は明るく水面が見えた。
・・・。
「こんなところに洞窟があるなんて知らなかったよ。」
少し落ち着いたエポックがそう呟いた。
洞窟は発光する苔に覆われていた。そのため光って見えていた。
「この苔は、モエギ苔といって一年である時期だけ光り輝くのよ。だからちょうど光ってた今の時期だけこの洞窟が見つけられたのね。」
セーブが壁面についた苔を採取しながら教えてくれた。
この苔は、光っているときに採取すれば薬の材料になるらしい。
俺もアイテムボックスに採取して詰め込んだ。
「この洞窟、風が流れてる。
もしかすると、別の道に続いているかもしれない!」
と、エポックは洞窟の奥を指さした。どうやら道が続いているようだ。
洞窟の冒険か。少しドキドキするな。
俺たちは服を絞って、少し乾かして、洞窟の奥に向かうことにした。




