小さな村の復興と。
それから数日、俺たちは村に滞在することにした。
襲われて亡くなった村人の埋葬をしたり、山賊の死体を集めて燃やしたりとやることはたくさんあった。
「山賊の死体なんか、ほっとけばいい。」と俺が呟くと
「あのままにしておくと、魔物の餌になって寄ってきたり、アンデットになってしまうのよ。」とセーブが教えてくれた。
セーブと俺はほとんど同じタイミングでこの世界に生まれたはずだが、セーブは物知りだ。
彼女にそれとなく聞いてみると、「サポーターって、そういうものだからね。」とはぐらかされた。
俺はヒールも使えるので、神父と一緒に怪我人の回復をしたりもした。協会に逃げてくる間に襲われた人も多く、ここでも少し役に立てた。
エポックも壊された家を修復したりと忙しい。だが、貰った代金の分は働かなきゃいけない。
後で聞いてみたことだが、銀貨10枚というのはやはり破格らしい。
銅貨10枚の価値が銀貨1枚。
物価も前の世界と違うからなんとも言えないが、銀貨1枚あれば市民は当面生活できるらしい。
更にロジャーは村にもいくばかお金を置いていったとのことだ。
「この辺りの村は帝国領ですからね。ロジャー様は時々ああやって人材を探しながら村を助けてくれるんです。はい。」とサロマが教えてくれた。
グランシード帝国
この世界のいくつかある国の一つで、武に秀でた国。魔物にも、賊にも、周りの国にも負けない勇猛な騎士団の国。
領地が広いため、帝王の治める帝都以外は領主制にしている。
だがこの辺りの村を治める領主はあまり有能ではないらしく、時々ロジャーが見にきてくれている。
サロマはドンドン教えてくれた。俺は時々相槌を打ちながら聞いていた。
夜、相変わらず教会の礼拝堂を借りて休ませてもらっている。
「帝都、行ってみたいよねー。昔、お母さんと行ったけど、あんまり覚えてないから。」
「そっか、エポックは昔、お母さんと旅をしてたんだもんな。」
「うん、あと。昔そこでカッコいい冒険者の人たちを見たんだよね。
また会えるといいなー。」
エポックは横になりながら、にっこり笑ってそう話す。
だいぶ村も落ち着いた。
怪我人も、命に差し障るような人は居ない。
あとは村人達だけでもなんとかなるだろう。
「そろそろ俺たちも、次の場所に向けて出発しようか。」
俺は隣でうつらうつらしているエポックとセーブにそう伝えた。
二人は笑顔で頷いてくれた。




