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トルストイ
7番のセーブ、9番のエポック、そしてゼエツは10番だったらしい。
それぞれ呼ばれて出て行く。
仲間がいなくなるというのは、なんとも孤独だ。
試験に落ちたら、チームを解散しなければならない。
「解散したら、どうしようか?」と頭の中のもう1人の自分が声をかける。
2人が居れば解散なんて、考えずにカラ元気で出来たんだけどな。
こういうの、なんていうんだったかな。
ー孤独な時、人間はまことの自分自身を感じるー
「トルストイ、だったかな?」
と、独り言を言っても返事は帰ってこない。
残った受験生がピリピリしているだけだ。
「受験番号17番さん、どうぞ!」
俺の前の番号の人が呼ばれて行く。
彼はしきりに剣を眺めていた。ゼエツがメッキだと言っていたあの剣をだ。
と、すると彼は筆記がよほど良くなければ落ちるのだろうか?
それともゼエツの目利きが間違っていて、実は良い物だったりして……。
とすると、落ちるのは俺らか?……なんて、そんなこと考えててもいけない。
「受かんなきゃ、いけないんだよな。」
俺はそう言って両頬を叩く。
今更ジタバタしたってどーにもならん。
そう決意したのと同時に
「受験番号18番さん、どうぞ!」
今度は俺の番号だ。
立ち上がって扉に向かうジンバの口元は、ニンマリと笑っていたのだった。




