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100の資格を持つ勇者  作者: 小鳥遊カンナ
Cランク試験
104/119

名推理

「ね、これなら三人で協力してできそうだね。」

そういってエポックが声をかけてきた。その顔はうれしそうだ。

「そうね、これがみんなで殴り合いだったら困ってたわ。」

そういうセーブの顔も、一緒にできることがわかってうれしそうにしている。


周りを見渡すと、チームプレーで取り組んでいる奴もいる。もちろん個人で探している奴もいるが、周りに構わずにいろいろ物色している奴、じっくりと品定めをしている奴と様々だ。


特に壁にある武器はたくさんの人が群がっている。

「あの武器は、見ておきたいが……、待っているのは時間がもったいないか。」

「本棚に並んでいる、本も。全部価値がありそうだけど、う~ん。」

これだけの本、まともに目を通していると時間が終わってしまう。


「価値があるっていると、なにがありそうなのかな?このソファーだけでもとても高そうだけどね。」

エポックはそういってソファーに腰かけた。よく弾むソファーで、座り心地は良さそうだ。


「やっぱり本、かしらねぇ。みて、この背表紙、宝石がちりばめられているわ。」

とセーブが言うと、奥で本をあさっていた緑髪の女性の冒険者が走ってやってきて、セーブの手から持って行ってしまった。

セーブも俺もエポックもあっけにとられていた。


「油断も隙も無いわ……、で、どうしたらいいのかしらね。ジンバ。」

「うー、僕もさっぱりわからないから、ジンバに方針を決めてもらいたいな。」



方針、といってもな……。

そう思ってあたりを見渡すと、俺たち以外にも、まだ商品に群がらずにいる奴もいる。

黒いひげを蓄えたドワーフの男。彼は視線だけを武器を探っている奴らのほうに向けている。

武器を探っている奴らの様子を見て、鼻で笑っているようだ。


淡い黄色の髪をした女性、身軽そうなへそ出しルックがセクシーな彼女も、壁に寄り掛かったまま動こうとしないでいる。目を瞑って何か考えている様子だ。



(ドワーフの男、何が面白いんだ?もしかして、彼は『商品の価値がわかる』から、偽物に群がっている奴らのことがおかしくて鼻で笑ったのか?

そしてあの黄色い髪の女性は、なぜ動かないんだろう?『視覚』以外の何かの感覚で探しているのか?)


だが、しばらく眺めていても、二人とも価値のあるものを探し出した様子はない。

(と、すると、自分の力で探す「価値のある商品」の決め手に欠けているのかもしれない。だとすれば……。)


ジンバの中である作戦が思い浮かんだ。そして。

「二人とも、方針が決まったぞ。

あそこにいるドワーフのおっさん、そして黄色いセクシーなお嬢さん。あの二人に声をかけて5人のチームを作ろう。」


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