スキュラ
アルテミスほどの大きな都市になると、冒険者ギルドも大きい。
当然、冒険者の数もとても多い。そのためCランク試験はほぼ毎日開かれているといっても過言ではない。
もちろん、試験料もかかるし、実技試験には危険がつきものなので何度も受けることができる冒険者は限られる。
「はい、確かに三名分の試験料を頂きました。
それではさっそく筆記試験となりますので、この札を持って、この先の水色の扉に入ってください。」
ギルド職員に事務的に言われるがままに進む。水色の扉を開くとそこには
「・・・・・・。」
20人ほどの受験者が居た。
人間だけでなく、獣人、エルフ、ドワーフも居る。
皆、静かに席に座っている。
卓上にはそれぞれ数字が書かれている。渡された札の席に座れということだろう。
俺の番号は18番、セーブの番号は7番、エポックの番号は9番であった。
番号がバラバラなのにも何か意味があるのかもしれないな。
「セーブ、いいなぁ。ラッキーセブンでしょ。」
「そんなことないわ、エポックも9番でしょ。『吸盤』ならひっついて離れないわ。落ちることはないわね。」
「にゃ!その発想はなかった!」
3人でそんなことを話していると、一人無精ひげを生やした、男がこちらを睨んできた。
うるさかったのかもしれない。
「とりあえず、席に座ろうか。」
俺はそういって18番の席に座った、二人も自分の番号の席に座った。
それから、ちらほら受験者が来て30人ほどになった。
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最後の受験者が入ってからしばらくしてから、また扉が開いた。今度はきれいな翼を持つ女性であった。
きれいな人形みたいな顔だちをしていて、白いシミ一つない革の鎧を着ていた。
腰に帯刀しているから、ギルドの職員ではないのかもしれない。そう考えていると
「お待たせしました。それでは冒険者Cランクライセンス試験、筆記試験の部を始めたいと思います。」
と彼女が紙を裏返して配り始めた。
「試験問題は一人ひとり違いますので、カンニングはできないようになっています。
カンニングペーパーなどを持ち込んでいた場合、この場で処罰されることがあります。」
問題用紙を配り終えた彼女はそういって、腰の長剣を少しだけ抜く。
きらりと光る刃、しかしそれ以上に彼女の目線は刃のように鋭かった。
「試験時間は120分です。不正行為をせず、頑張ってください。それでははじめ!」
彼女の号令とともに、受験者たちはいっせいに問題用紙を表にしたのだった。




