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100の資格を持つ勇者  作者: 小鳥遊カンナ
Cランク試験
100/119

主人公

「わぁ!さすが城壁都市って呼ばれるだけはあって立派な壁だよねぇ。」

エポックは立ち並ぶ大きな城壁を見上げながら、驚きの表情で言った。


―城壁都市アルテミス―

大きな壁に囲まれたこの街は、ファーイストと違って様々な軍事拠点が点在している。

そのため、帝都に並ぶ戦の要として重要な拠点街となっている。


「本当はいろいろな名産もあるんだけどね。でも今回はお急ぎの旅だから観光している余裕はないわね。」

門を抜けて、にぎやかな市場を通る。そこでは様々な商品が売買されていたが、それを眺めながらセーブは言う。


「試験は、筆記試験と実技試験だっけ?」

「ええ、そうよ。それぞれ100点、合計200点の内、100点が取れれば合格なんですって。」

エポックの質問に、セーブが答える。彼女は短期間でもギルドの職員をしていたので、そこについては知識があるのだ。

「半分で合格っていうと、簡単そうにも思えるけど。」

御者台からジンバがそう言うと

「点数だけ聞けばね。でも、筆記試験問題もランダム、何が出るかわからないのよ。

だから、あそこで、ほら過去問を売っている商人もいるけど、あれは無意味みたいよ。」

そう言って指さした先には、紙の束を冒険者風の男性に売りつけている商人の姿があった。この街ではおなじみの光景らしい。


「かといって、実技試験もランダム、チーム戦のこともあれば個人戦のこともあったし、面接なんて年もあったみたいよ。試験官によって変わるのかしらね。」

「やー、面接なんて苦手だなー。」

エポックがそう言うと、セーブは笑いながら

「今の「やー」は、ファーイストのギルドマスターみたいだったわよ。」とからかった。

その言葉に、俺が吹き出す。

セーブもつられて笑う。そんな姿を見て、エポックも笑い出した。

三人の楽しそうな笑い声が馬車の中に響いていた。




『あの、神託を受けた夜』

俺は二人と、もう一度向き合って話をした。


自分でもどう話したか、覚えていない。

でも、ともかく、このチームを続けたいこと。

二人と離れたくないこと。

それを自分の言葉で精いっぱい説明した。


二人は答えてくれた。だからこうして、今試験を受けることができる。




「絶対受かって、帰ろうな。」

「大丈夫よ、だって私たちはいわば物語の『主人公』なんだから。

主人公が、夢破れて終わる。なんて話、物語として成立しないわ。必ず成功して、戻るのが『主人公』で『英雄ヒーロー』ってものよね。」

セーブのその発言を聞いた二人は静かに頷き



「だいじょーぶ、三人ともCランクになって帰れるよ。まずは筆記試験を突破しなきゃ、だね!」

エポックは明るくそう言ったのであった。


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