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100の資格を持つ勇者  作者: 小鳥遊カンナ
序章 ものがたりのはじまり
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冒険者の心

俺たちは草原の中でもとくに草の多いところに身を潜めていた。

村の畑に行くには、この草原の中でも俺たちの前の道を通っていくのがいいらしい。

そしてあまり深く考えることができないゴブリンなら、ここを通るだろう。ということも予想していた。

襲来は思ったよりも早いタイミングでやってきた。ゴブリンは3体、しかし先頭を歩くゴブリンは少しだけ身体のサイズが大きく、角も大きい。


「ん!あれはホブゴブリンだ!」

「ゴブリンとは違うのか?」


「ゴブリンよりも、手強い。少しだけ賢い。ゴブリン。村を襲うこともある、ゴブリン。いつの間に進化したんだ・・・。何とかしないと」

エポックは焦っていた。倒すことができず、迎撃することしかできなかったために、進化する機会を与えてしまった。

自分がなんとかしなきゃ。その思いがエポックの中をよぎっていた。


「僕がホブゴブリンを相手にする。ジンバとセーブは、残りの二匹をお願い。」

「勝てるのか?」

俺は不安そうなエポックの顔を見て尋ねる。


「正直、不安だけど。ここで痛めつければ逃げ帰すくらいはできるかも。できなくても、ダメージを与えれば何とかできるくらいになるかも。」

表情には緊張が走っている。手も強張っているようだ。

それでも彼女は勇気を奮い立たせる。それには理由があった。


エポック 彼女は冒険者にあこがれていた。

母と各地を転々としているときに、見た冒険者たち。

その姿は自由で憧れの強いものだった。

大きな王宮のある街で出会ったエルフの冒険者。

彼女はハーフエルフのエポックを嫌な目で見ることなく、頭を撫でてくれた。

ある時は洞窟の主を倒したと大きな竜を運んできたことがあった。

ある時は沼地の財宝を発見したと、たくさんの金貨を持ってきて、貧しい村人に分け与えたこともあった。

エポックが会いに行けば、心優しく、冒険の話をしてくれたり、剣を触らせてくれたこともあった。


今のエポックは冒険者ではない、村人の雑用を受けて暮らしているだけにすぎない。それでも、今は冒険者でなくても。

ー心だけは冒険者でいよう。ーと固く誓っていた。



エポックには引くことができない理由があった。


「それじゃ、予定通り、行くよ」

エポックはそう言ったのだった。


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