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炎の斧士  作者: 手羽先丸
第1章-その男、ゲルボルクに立つ
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第6話-【マビスさんの飼っている犬の散歩(高難易度)】

前々回、主人公は恋愛関係にならないと書きましたが、尊敬はされる予定ですし、主人公の人脈は最終的にかなり広がる予定です。ソロだけどボッチじゃないよ?

受付嬢の対応に引っかかるものがあったが、俺は気にしないことにしてマビスさんの家へ向かう。

マビスさんの家は豪邸と言っていい大きさで、少し離れてても目に入るぐらいには周囲の家と雰囲気が違う。

門の前には門番と思われる男がいる。


「依頼の犬の散歩に来たのですが」


と門番にギルドカードを見せながら言うと、門番のゴツい男も心配そうな表情で


「頑張れよ」


と言ってくる。物凄い不安になりました。

ええ。流石に2回も心配されたら不安になりますよ。


依頼主のマビスさんは初老の女性で、大きな商会の会長であるらしく有り余る財産でペットを飼い始めたはいいが散歩が上手く行かないらしい。

歳だろ。と思ったが声には出さない。


「では、早速ですがペットの紹介をしますね?スピードドッグとアクロバットドッグのハーフ、ヴァルヘイムです。最近は立体移動まで使いこなすようになったんですよね」


頰に手を当てて困ったわ。というマビスさん。

マビスさん、歳ではなかったですね。確かにこんな大きな犬、散歩できませんもん。


目の前にいるヴァルへイムという犬はかなり大きく、目の高さが俺と同じぐらいだった。

この大きさで立体移動すんの?


「では、ヴァルへイムの散歩、お願いしますね」


と、言われたので散歩を開始する。

人通りの少ない道を選んで歩くだけだ。そう信じてる。


そんな思いは開始3分で打ち砕かれた。

急に走り出す。しかも力が強い。屋根の上に乗ったり壁を走ったりする。

人に危害は加えないし物も壊さない。だが、それだけだった。


「ヴァフ!ヴァフ!」

「ちょっと待てやゴラァァァァ!」


ヴァルへイムが屋根に飛び移る。俺はリードを握っているので勿論引っ張られる。

腕をタイミング良く引いて体勢を整え、屋根に着地。気分は忍者。

そしてそんな俺を気に留めずヴァルへイムは走りつずける。俺も必死に追いつずける。

なぁ、犬の散歩ってこんなにきつかったっけ。


そういえば、今の俺はボロボロの初心者装備だとしても鎧付けて斧を背負っている。装備、アイテムボックスに入ってた村人Aの服にしとけばよかった。

身体能力が上がっているとしてもこの装備では重すぎる。

つまり、

「事前に準備して調べておけばよかったぁぁ!」

こういうことだ。


走る、跳ぶ、壁を走る、着地とか基本的な動作が出来るようになったら簡単になったが。

そう、途中で

ーースキル〈アクロバット〉を覚えた!

ーースキル〈壁走り〉を覚えた!

ーースキル〈高速移動〉を覚えた!

ーースキル〈アクロバット〉〈壁走り〉が統合されてる〈立体移動〉になった!

ーースキル〈立体移動〉〈高速移動〉が統合されて〈高速立体移動〉になった!


と表示が出てから随分と体が軽くなって余裕ができたのだ。

引きずられなくなったし。


だが、そんな地獄の散歩は3時間も続いたのだった。



「散歩。終わりました……。」


散歩が終わってマビスさんの豪邸に着いた時、俺の初心者装備の鎧はボロボロだったのが更にボロボロになっていた。

鎧がこんな動きをすると想定して作られてるわけないしな。


「お疲れ様でした。この依頼を達成してくれたのは貴方が初めてですわ」


ゲルボルク人は知らんが、異界人は今日初めてギルドに登録してるからな。


「私の手にはあまりますし、貴方にはこの子の卵を差し上げますね?」


正直言って入りません。マジ勘弁して下さい。


「厄介事を押し付けただけになってはいけないので、これを差し上げます。ある程度は優遇して貰えるでしょう」


ーー犬の卵×1を手に入れた

ーーマビス商会への紹介状(会長印)×1を手に入れた!

犬って卵産むの?


ギルドに戻ってギルドカードを受付嬢に渡すと

ーークエスト【マビスさんの飼っている犬の散歩(高難易度)】をクリア!

ーー10000Gを手に入れた!

「あなた何者ですか?」

と言われた。地味に心に刺さる言葉だった。


「おめでとうございます。今から貴方はE級冒険者です」

「まだ俺1回しか依頼受けてないぞ?」

「ギルドの依頼には、それぞれ昇級ポイントというのが設定されています。E級になるには、魔物と戦って生き残れる最低限の能力がある。と判断できる依頼には昇級ポイントが多めに設定されているのです。ちなみに、冒険者は昇級ポイントを把握することはできません」

「へぇ、貴重な情報ありがとうございます」


言っていいのか?それ。

受付嬢に礼を言ってクエストボードに歩いていこうとすると、


ーー称号《異界人初のE級冒険者》を手に入れた!

と表示されてた。称号は嬉しいが、E級だとショボく感じる。


E級の依頼は討伐系も含まれてたから、俺は装備を整える事にしてギルドホールを出た。



祝!総合PV700突破!

4件目のブックマークありがとうございますm(_ _)m

感想や評価は作者のやる気に直結すると信じていますので

別にいいんじゃない?と思った人は是非。

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