第2話- チュートリアル
気がついた人もいるかもしれませんが、アルテマさんのステータスは『異世界に行く時に必要なモノは』の魔逝蹴流くんにそっくりです!弱体化はしてますが。
今俺がいるのは草原。何もいない。生物の気配がしなくてかなり違和感がある。
頭をボリボリ掻くと硬い石のような物がついてる。形状から考えるとツノだろう。
髪から出てはいるが意外に小さい。まぁ、ツーブロックだしな。
「ここはカイデ草原です。ゲームが始まる《冒険者の街ファトス》の隣にある、比較的弱いモンスターがいる草原です。今はチュートリアルモードなので他のプレイヤーや生物は存在しません♪」
インスタントマップ状態らしい。
プレイヤーが溜まりやすい場所だからかかなり広い。移動するのが面倒くさそうである。
「まずは、ステータスの説明からしますね!名前と属性以外の部分はステータスボードの知りたい部分をタップすると説明や効果を見ることができます♪試しに種族を見てみて下さい!」
言われた通りにしてみる。と、
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二角鬼人
ツノが2本生えた鬼人族。一角鬼人よりも魔力と俊敏は低いが筋力と体力は高い。
また、鬼人族の特徴として精神と器用は絶望的である。
種族スキルは〈鬼火〉〈狂鬼化〉〈鬼の誇り〉
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と出てきた。知っていることがそのまま出てきたので収穫は無い。
「ちゃんと見えましたね?ではスキルとかも見てみましょう♪」
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〈斧術LV.1〉
斧が装備できるようになる。また、斧を振る動作を補正をする。補正は切り替え可能。使える技の種類はレベルが上がると増える。
技:フルスイング,トマホーク
〈格闘術LV.1〉
素手で攻撃してもダメージを受けなくなる。また、腕や足で攻撃する動作を補正する。補正は切り替え可能。使える技の種類はレベルが上がると増える。
技:キック,パンチ
〈身体強化LV.1〉
筋力,体力を上げる。上昇値はレベルに依存。
LV.1では1.15倍。
〈危険察知LV.1〉
危険を確率で察知する。察知する確率はレベルに依存。
〈炎魔術LV.1〉
属性に炎がある者のみ使える。使える魔術の種類はレベルが上がると増える。
魔術:ファイアボール
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ショボい。がLV.1ならこれくらいだろう。だが、
「ナビ子さん、危険察知のLV.1の時の確率が書かれて無いんだけど」
身体強化に倍率が書かれてるのに危険察知に倍率書かれて無いのはおかしくない?
「ゲルボルクでは確率は固定されません。確率が高い日があれば低い日もあります。ですが、レベルが高い人は確率が高い中でも特に発動しやすくなります。ついでに、その日の確率の高さを決めるのはゲルボルクで神と呼ばれる存在です♪」
「へぇ〜」
神様……いるんだ。しかも運がいい日と悪い日があるのね。
まぁいいや。神様になんて滅多に会わないだろ。
次、種族スキル。名前が全部かっこいい。
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〈鬼火〉
属性が炎でなくても蒼い炎を出せる。属性が炎ならば炎魔術が強化され、蒼い炎も強くなる。
炎の威力は魔力とレベルに依存する。また、技の種類もレベルが上がると増える。
技:灯火
〈狂鬼化〉
HPの半分を消費して器用と精神以外の全ステータスを上昇させ、MPを全回復する。HPが半分以下の時は残りHPが全HPの1%になる。ただし狂鬼化中はHPが回復しない。
ステータスの上昇値はレベルに依存。
LV.1では1.5倍
〈鬼の誇り〉
状態異常を任意のタイミングで解除できる。クルータイムはレベルに依存する。
LV.1では24時間
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素晴らしい。全て名前に恥じない効果だ。特に鬼火の蒼い炎。
技も、名前は弱そうだが効果は高い。鬼火が付いた場所は10分間燃え続けるらしい。
「ステータスの確認が終わったみたいなので、戦闘チュートリアルに移りますね♪武器を装備して下さい。装備しましたね?では、ホーンラビットというモンスターを出すので討伐してみてください!」
目の前にツノの生えた兎が出てきた兎……確かに兎だ。
だが、太っている。脂肪で横腹がかなり太い。一体どんな生活したらこうなるのだろう。
しかも可愛げがない。行動1つ1つが上品とは言えない。
まぁ、兎に下品も上品もないか。
「じゃあ、御命頂くぞ!」
技、フルスイングを発動。
ブウォン、と音を出しながら装備した初心者の斧を左から右に振り抜く。
「プギャ!」
可愛げない鳴き声を出しながらホーンラビットは吹き飛び、倒れる。
ピクリとも動かない。え?マジでこれで終了?
「一撃ですか〜。流石、筋力25の斧士ですね!では、次に解体へ移りましょう。
初心者用解体ナイフを装備してホーンラビットに突き刺して下さい♪」
言われた通りにタプタプの脂肪に初心者用解体ナイフを突き刺す。と、ホーンラビットはポリゴンとなって消えてそれと同時に
ーーホーンラビットのツノ×1を手に入れた!
と表示が出た。
「これで戦闘チュートリアルを終わります。他に何でも良いので質問ありませんか?」
とナビ子。だから俺は一番気になっていた事を聞く。
「サポートナビ妖精三姉妹の他の子の名前は?」
「え?それ聞くんですか?私という女が目の前にいるのに。別にいいですけど。
サーポートナビ妖精三姉妹は上からナビ美、ナビ子、ナビリオンです!」
全部ナビか。ナビリオンだけカッコいい。
「他に質問はありませんか?」
他は……やってみないと分からないな。
「分かった。もう質問はないぞ」
「そうですか♪分からない事があったらメニューからヘルプのボタンを押せばサポートナビ妖精三姉妹の誰かが駆けつけます!チュートリアルお疲れ様でした。」
ーークエスト《チュートリアルとサポートナビ妖精三姉妹》をクリア!1000Gと初心者用解体ナイフ×1、最下級HPポーション×5、最下級MPポーション×3を手に入れた!
ーーサポートナビ妖精三姉妹次女、ナビ子の加護を受けました!
なかなか豪勢なことで。加護の効果もきっと高いのだろう。
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《サポートナビ妖精三姉妹次女、ナビ子の加護》
ヘルプボタンを押した時、ナビ子が来やすくなる。
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……使えねぇ。
「では、ゲルボルクへようこそ!」
光に包まれながら俺は思った。
最初に時同じようなこと言われたくないか?と。
ブックマーク付けてくれた方ありがとうございます!やる気が出ました!次は次の更新は……今日中に出来たらいいな……