第23話-目立ったから強いわけではない。
少し間を置きましたがちゃんと連載は続いています。ちょっと忙しかっただけです!本当ですよ?
さて、なんと一回目のグランドイベントでランキング98位、パフォーマンス部門でMVPという名誉を手に入れたプレイヤーである俺。
犠牲になったのは斧と金、犬の牙2つと初心者用ポーション1つである。斧以外はまだ許容範囲だが斧はダメだ。手に入れて2日でフレイムアックスを折ったのに今度は3日でメタルアックスを折ってしまった。
武器屋の爺さんになんて言い訳しよう……。せめて南にある山は突破できる装備が欲しいんだが、もう俺には武器を売らないとか言われたらかなり困る。もしそうなったら素手で突っ込むしかない。
それも良い修行になるかもしれないが。
「動くしかないか」
俺はそう言って歩み始める。そう、今は動くしかないのだ。止まっていては何もできない。
だから行こう。
ギルドホールに。
……いや、武器屋に行きたくないってわけじゃないぞ?本当だ。
ただ、武器屋に行くなら金を持って行った方がいいだろ?ドラゴン討伐の時の案内と防衛戦参加した報酬を受け取らないとな。
その後、こころの準備ができてから武器屋に行こう。
目の前にあるギルドホールのドアを開けて中に入ってカウンターに並ぶ。
ファトスの街の防衛が上手くいったからだろか、酒場で冒険者が騒いでいる。
ゴリスの姿が見えないがきっと他の冒険者も誘ってニワトリ亭に飲みに行ったんだろうな。今ニワトリ亭に行ったら奢ってもらえるかもしれない。いや、奢って貰えるだろう。
しかし、今の最優先事項は報酬の受け取りだ。武器を買うには金がかかるからな。鎧も買いたいし。
金がなければこのゲームの中で碌に飯も食えない。
いくら満腹度が減少し難くなっていても満腹度は減るのだ。ドラゴン討伐までの3日間はウサギを討伐して飯代だけ稼いでいたが、所詮E級依頼。稼ぎが少ないから美味い飯には辿り着けなかった。
今日は美味い飯をたらふく食うのだ。現実?自分で作った飯より他人が作った飯の方が良いに決まってるだろ!一部、例外もあるが。
「依頼お疲れ様でした。報酬の受け取りですね?」
おっと、順番が来たみたいだ。
「ああ。ドラゴンの討伐隊の案内と街の防衛、どちらも達成だろ?」
「討伐隊の案内はあっても無くても同じだったみたいですけどね。街の防衛は参加したか調べるので少し待っていてください」
受付嬢はそう言うとカウンターに置いてある機械?のような物にギルドカードを近付ける。
そしてピピッと音がすると紙が出てきた。どういう仕組みだ?
受付嬢はその紙をこちら側に書いている内容が見えないようにめくる。どうやら裏面が上になるように出てきたらしい。
「お待たせしました、防衛戦には参加していたみたいですね。それなりに強い魔獣と魔物しか討伐していないみたいなのですが、よく討伐できましたね?」
「群れの背後から突っ込んだからな。油断していたんだろ」
「そうですか。では、報酬をお渡ししますね」
え?討伐できた理由には無反応?
「今回の報酬は防衛戦が15000G、討伐隊の案内が20000Gとレッドドラゴンの牙と鱗が1つですね。そして3日前のフォレ二の森の調査は30000Gです。」
そういえば、森の調査の報酬受け取ってなかった。
しかもフレイムアックスは35000Gと森の素材をそれなりに出したのに、報酬は30000Gか。赤字だな。防衛戦と討伐隊の案内は爺さんのおかげで黒字だが。
そういえばD級は一回の依頼で30000Gも稼げるのか?
「森の調査、異様に報酬が多くないか?」
「普通は多くありませんが、ファトスの街は貴方がドラゴンを見つけなかったら壊滅していたので。領主様が報酬を上乗せしました」
「そうか」
本当はもっと少なかったのか。領主に感謝すべきか、ギルドに文句を言うべきか。
……ギルドへの文句は止めておこう。受付嬢が怖い。にしても今日の受付嬢は威圧感なくていいな。
報酬を受け取った俺は道場に行った。武器屋?心の準備がまだだ。
中に入るとミシェルとオッサンが居た。ミシェルが型のようなものをして、オッサンがそれを見ているが俺が中に入った瞬間二人同時に俺の方に顔を向けた。ミシェル、お前型の途中だろ。
「おう!討伐隊の案内ご苦労だったな、アルテマ!」
「オッサンは今日もハイテンションだな」
「ハッハッハ!そうか?お前もなんか強くなったみたいだから俺が直々に見てやろう!模擬戦するぞ!」
「ミシェルが型やってるだろ?」
「休んでていいぞ!ミシェル!それか見取り稽古だ!」
「はい!」
ミシェルが道場の隅に座る。審判はないのか。
オッサンは構えると
「かかってこい!」
などとほざく。
良いだろう。俺の恐ろしさを見せてやる。
「はあああああ!」
「甘いぞ!」
まずはフレイムライダーキック。オッサンは見切って前と同じように足を掴もうとする。
だが、今回は一味違う。
「ナヌ!?」
俺は掴もうとする手を空いているもう一方の足で蹴り、身体を捻ってオッサンのすぐそこに着地。
その勢いで回り込んで新技岩石落としをきめる。
ガン!と音がして勝利を確信したが、危険察知が反応したのですぐにオッサンを離して距離をおく。案の定オッサンが起き上がり、俺が構えようとしたところで腹パンくらって負けた。
速すぎて見えなかった。
「マジかよ」
今、アルテマさんはレベルでは中堅、実力では上の中ぐらいです。アルテマさんがトップだったのは滝で修行を始めるまでだ!
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