第21話-最終的に信用できるのは自らの知恵、技量、身体である。
少し遅れての投稿です!
どうやら大量の魔獣と魔物が街に向かって来るらしい。せっかくだから今のうちに魔獣と魔物の違いを聞いておこう。
「オッサン、魔獣と魔物ってどう違うんだ?」
やっと再起動したオッサンが早口で喋る。
「魔獣は魔力を持ち強化された獣で魔物は邪神の僕だ!魔獣はテイムできるが魔物はテイムできんし、何より魔物は邪神の指示だか知らねえが計画的に街や国に攻めてくる!」
気になってたことが分かって気分スッキリ。つまり今回は魔獣が大量発生したしたのに乗じて魔物も攻めてきたということだな。なんかヤバいのは分かった。
今度は鎧を着た美女、詳しく言うと金髪で顔が整っていて胸の部分の鎧が大きく膨れている美女がオッサンに質問する。
「ドラゴン討伐は中止になるの?マッチェさん」
「中止にしたいところだが、魔獣と魔物に手間取ってる間にドラゴンまで来たらこの街は終わりだ。この街の近くにドラゴンがいたのだって魔物が仕組んだのかもしれない」
「じゃあ、ドラゴン討伐は決行すると?」
オッサンは少しの間、悩む素振りを見せて肯定した。
「……ああ」
「街を捨てると言うのか!」
正義感が強そうな俺と同じぐらいの年齢と思われし青年が叫ぶ。
しかしオッサンも威厳を保つ為……じゃなく青年を黙らせる為にいつも以上の大声で言う。
「街が危険なのは分かっている!しかし!いつ街にドラゴンが来るか分からない!今、この街には異界人が数百人いる。この街の冒険者と衛兵、そして異界人たちを信じろ!」
「………ああ、分かった」
青年は静かに席に座る。
俺、凄く居心地悪いんだがさっさとイベント参加しに行っていいか?いいよな。
「俺は、どうすればいい?」
視線が集まる。この視線が嫌なんだ。
せめてもっと暖かい目で見てくれ。……いや、それも嫌だな。
早く答えろオッサン。
「おまえは予定通りドラゴン討伐する者の案内を頼む!俺は街を守らなければならないから、討伐隊にはフォレニの森に行ったことある奴がいない。頼んだぞ!」
「オッサンは討伐に行かないのか?」
「ギルドマスターは街が危機に晒された時、街を守る為に戦う義務がある」
ギルドマスターも大変なんだな。
だがそんな事より、俺は今日会ったばかりの個性的な冒険者を案内しなければならないのだ。しかもイベントに参加できない。
絶対トラブルが起こるわ。
そんな予想はすぐ裏切られたが。
□◇□◇
「グルルル……」
ここはフォレ二の森。
高ランク冒険者と共に森に入って5分後、目の前にはドラゴンがいる。真っ赤な唐辛子色のドラゴンが。
案内いらなかったな。
「なんでこんな場所にドラゴンが居るのよ!」
おなじみ美人の女性冒険者。
あ、ベルバルディオがまだ片目に刺さってる。回収したいな。
ガチャッと冒険者たちが構える。流石、隙がない。
俺はもう暇だな。
「よし、防衛戦に参加しよう」
そうと決まれば急いでファトスへ向かう。
高速立体起動が無ければもっとかかっただろうが、15分ぐらいでファトスの街が見えてきた。
そこまで押されてない。このまま行けば勝てるだろう。が、
「うおおおおお!!」
死んでもいいから暴れよう。どうせ金は少ししかないし無くなって困るアイテムも卵と武器だけだ。
後ろから突撃していつも通りフルスイングを使う。
なんか強そうなヤツが多くないか?デカイの多いし。
「「「ガアアアア!」」」
まさに孤軍奮闘。今まで手に入れた技、魔法、スキルを惜しみなく使う。種族スキルは鬼火以外使ってないが。
かなり奮闘している(はずの)俺だが、HPがガンガン減ってくる。
そういえば俺、初心者装備から鎧変えてないな。
「こうなったら!」
魔力操作を覚えた俺だからこそ使える最大級の技を使う。
「ファイヤートルネェェェド!」
斧に灯火を使い、それに重ねるように蒼蛇を斧に水平に使う。斧は横を向いているから真上に蒼蛇が伸びる。そこから回転戦斧で勢いをつけながら身体を回転させる!
これで炎の竜巻の完成。
「うおおお!……おおおお……おおお」
正直言って酔う。すぐに気持ち悪くなってきた。だが、止めるわけにはいかないのだ。何故なら止めて動き止まった瞬間攻撃されて死ぬから。死んでもいいが、できるだけ死にたくはない。
まだ終わってないよな、とか思っていると終わった。俺の斧が。
「あああああああ!」
そういえばフレイムアックスで練習してたけど、今使っているのはメタルアックスだ。
炎耐性がない、つまり炎を纏ったらガンガン耐久値が削れる。さっきまでの俺のHPより速く。
「しまったああああ!」
それが俺の最後の言葉だった。その瞬間ボコボコにされて死に戻ったからな。
ファトスの村防衛戦は俺が死んだ30分後ぐらいに終わり、その少し前にドラゴン討伐も終わった。らしい。
(注)アルテマさんはうっかりさんです。
技については第11話をご参照下さい。
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次回、世界は誰か1人を中心に回ることは無い。しかし2人を中心に回ることも無い。




