第16話-修行とは急激に強くなるための行動ではない。少しずつ、積み重ねていく行動が修行である。
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二日酔いを治して貰った俺は、道場に向かう。
鍛錬は毎日することが大切だからな。
「オッサン、来たぞ!」
前と変わらずボロボロな道場の前で叫ぶ。
ドタドタ!と音がすると道着姿のミシェルが来て
「アルテマさん!どうぞ上がって下さい。師匠は中で待ってます」
と言ってきた。中で待ってるのか。
居ないかと思ったのに。
ミシェルに言われた通り中に入ると、ムキムキでボウズの男。オッサンが中に居た。
「来たか」
なに神妙な顔してんだよ。弟子入りしに道場へきた奴にいきなり模擬戦させるやつがそんな顔しても似合わねえよ。
「そんな顔するな。いや、せっかく弟子入りしてくれたからこの道場で古くから受け継がれてきた龍魔滅拳流の歴史を語ろうかと思ってな。今、思い出してるんだ」
こいつ、絶対覚えてないだろ。
「俺は龍魔滅拳流とやらを学ぶ気はないぞ?」
「「へ……?」」
ミシェル、お前もか。
「俺は斧士だぞ?斧を持つんだ。格闘術一筋で戦うわけないだろ」
「じゃあ、何で弟子入りなんてしたんだ?」
おまえ、そりゃあ
「格闘術の修行できる場所をここしか知らないからに決まってんだろ」
「弟子はミシェルだけだからそれでも良いし、この街の道場はココだけだが そんなに正直に言わないでくれ……」
「オッサンが聞いてきたんだろ」
ーーそれから俺の修行の日々が始まった。
朝昼晩の模擬戦から始まり目隠しして石を避ける、2mはある岩を担いで平原を走り回る、森でオッサンに襲われながらサバイバル、滝にあたりながら腕立て 腹筋 スクワットをオッサンが止めと言うまでひたすらやる。など漫画やアニメでしか見たことがないような事をやらされたのだ。
「一週間の強化訓練はこれで終了だ!」
「よっしゃあ!」
「もうこの街を出て行っちゃうんですか?」
ミシェルが可愛らしく聞いてくる。男なのにそこら辺の娘より見た目が良いし、この1週間でだいぶ懐いた。
決意が硬くなければ否定しそうだ。
「D級になったらな」
「この街に戻って来たらちゃんと道場にも来てくださいね?」
「モチロンだ。じゃあ俺はギルドホールに依頼を受けに行くぞ。世話になったな、オッサン」
オッサンの名前、何だっけ?
ギルドホールに着いたら早速受付嬢にお叱りを受けた。
「1週間も何してたんですか?たぶん異界人の方でE級の冒険者は、もう殆どいませんよ?ね?速くD級になって下さい」
笑顔が崩れそうだぞ?
そういえば、プレイヤーが更に減ってる気がする。
「取り敢えず《ホーンラビットの肉収納》を受けるか」
「分かりました。今回は失敗しないで下さいね?」
怖えよ。
依頼を受けたからカイデ平原に行こうとしたのだが、歩いてる途中に気がついてしまった。
「斧、受けとってねえ」
そう、武器屋に作ってもらった斧を受け取ってなかったのだ。
3日後に取りこいと言われたから4日間も遅れた事になる。これはヤバい。
ーーカランカラン
武器屋に入ると
「遅かったな。もう少しで得るところだったぞ?」
と言われた。反省してます、タブン。
爺さんは奥の部屋から俺が依頼した物と思われる斧を2本持ってきた。
「コレが依頼されてた斧だ。キチンと炎耐性も付いている」
「ありがとな」
斧を受け取って性能を見てみる。
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[フレイムアックス・改]
必要筋力:60
特殊効果:炎耐性(強)
作成者:マレオン(G)
[ベルバルディオ]
必要筋力:57
特殊効果:炎耐性(強)
作成者:マレオン(G)
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前も思ったが情報が少な過ぎないか?〈鑑定〉を習得したらもっと情報が多くなるのかも。
「良い武器だな」
「ああ。久ぶりの良作だ。刃が欠けてきたら持ってこい、半額でメンテしてやる」
ありがたい。だが、もう依頼に行きたいな。
「じゃあな」
武器屋のドアを潜るとすぐにカイデ平原に向かった。
「オラァ!」
ーー兎の肉を手に入れた!
「ウリャア!」
ーーホーンラビットのツノを手に入れた!
弱い。サーチアンドデストロイが可能なレベルで弱い。元々1撃で勝ってた気がするが。
今ならアレができる気がする!
「灯火!」
炎に鬼火が付く。普通だったら斧の耐久値がガンガン減るんだろうが、炎耐性(強)があるから耐久値はあまり減ってないはず。
「うおおおおお!」
ブンブンと斧を振り回して兎を斬りつけるが、威力が上がったかどうかは分からなかった。
1撃だしな。
だが、カッコいい。炎の斧を振り回すんだぞ?カッコ悪いわけないよな。
それからMPが無くなるまで平原での狩りを楽しんだ。
受付嬢にも
「今回は失敗しませんでしたね!」
と言われた。久し振りに怒られなかった気がする。
次から2章のクライマックス?が始まっていきます。
次回、不可能は可能にできないから不可能である。




