表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
想いは儚い  作者: マカミ
1/6

第1話 春風と再会

えー…恋愛っぽい感じなんで、ジャンル恋愛にしましたが…

正直、微妙です…

自分でもカテゴリわからん

寒い季節が終わり告げた



少しだけ暖かさを感じられるこの時期になると…


俺は、決まってある場所に足を運ぶ…


いつものように、その場所…

ごく普通の交差点に着くと、俺はガードレールに腰掛けた

そして煙草を銜え、出勤に急ぐ人々を眺める。


春になったとはいえ、朝はまだ冷える日が多い


そんな中でも人々は寒さに耐え、白い息を吐きながらも歩みを進めていく


時々、俺の方を横目でチラリと見る人もいるが、その殆どは気にもとめずに素通りをする。


今の俺は、誰にも気にされない存在…


そう…それで構わない…


俺は誰かを探しているわけではない…


ましてや、何かを待っているわけでもない


ただ、ここにいるだけだから…


そんな俺に気を止めるヤツなんて、中々いないだろう…


まぁ、正直なところ気にされても困るんだが…



俺は煙草を吸い終えると、携帯灰皿に吸い殻を入れた


今の俺は…この吸い殻と同じ…


残りカスでしかない…


脱け殻になった今の俺には…


何もできやしない…



目の前を通り過ぎていく無数の人々…

その流れを見ていると、突然昔の記憶が走馬灯のように甦ってきた…


………………………


…そう…だから…


だからこそ、俺は此処にいるんだ…


ここに来れば…


(お前)との思い出を忘れないでいられるから…


自分でも未練がましいって思う…


…こんな風に弱い俺のところ…

おまえは嫌いだったな…


それでも…

どんなに惨めであっても…


俺は最後の絆にしがみついている…



そんな感傷に浸る俺の前を、誰かの捨てたビニール袋が勢い良く通過していった


今日はいつもより風が強い…


空気もやけに冷たく感じる…


そうか…今日はあの日に良く似ているんだ…


お前と<別れる>ことになったあの日に…



出会いの時も…

別れの時さえも…


俺たちは風の中にいつもいた気がする…



お前がいなくなってから…

一人で過ごすことにも大分慣れた…


けれども、俺は相変わらずダメなヤツだよ


独りの休日に…

俺は…何したら良いか解らないんだ…



お前が今の俺を見たら…

きっと笑うだろうな…



おまえの前で俺は…

強がってばかりだった気がする…


少しでも強い男であろうとしていたんだと思う…

お前をいつでも守れるような…


でも、冷たくしてしまうことも多かったと感じてるよ…


悪かったと思ってる…

本当に…


今、お前に逢えたなら…


伝えたいことが…

してやりたいことが…

沢山あるんだ…


願わくば…

もう一度逢いたい…


叶わない望みだと解っていても…




どのくらい時間が経っただろうか…


気が付くと、人通りが少なくなっていた


腕時計で時間を確認する

九時二十分…

どうやら通勤ラッシュの時間は過ぎたようだった



彼女のことを考えていると、いつも時間が経つのを忘れてしまう…



(……これで静かに考えられる…)


周囲に人気がなくなると、俺は再び自分の世界に入ろうとした…


しかし、その思惑は次の瞬間に阻まれることになる


不意に、誰かが隣に腰掛けた気配がしたのだ


だが、別に珍しいことではない


稀にいるのだ…

こういう物好きが…


何をしている?とか…

何故ここに居る?とか…


大抵は、どうでも良いような事を尋ねてくる


そして、俺がここにいる理由を答えてやると…


何も言えず…

何も言わずに去っていくのだ


決まっりきったやり取りは…


ウンザリだ…


だから俺は、その人物を無視することに決めた


隣からは、仄かに甘い香りがする…

どうやら物好きは女のようだ


まぁ、それが分かっても何も変わりはしないが…


『何してんのよ…あんた…』

唐突に隣人は話し掛けてきた


隣から発っせられた声は…


意外にも、俺にとって聞き覚えのあるものだった


俺は言い慣れた…

しかし、久しぶりに使う名前を呼んだ


雪菜(ゆきな)…?』



春風と共に訪れた再会…

これは俺に何をもたらすんだろうか…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ