44 長ーい講義は眠くなる
一旦これは、このまま歩いていても追いつけるはずがないな。とりあえずはガンダッシュするほうが一応は良いだろう。だが、正直なところ切り札的な技とか、そういう技はない。ない...?いや、まて、何かあるだろ。なんか引っかかる...
ランダムウェザー、雲の手、ウィンディン、ロングチャージマジック、それと...ロングチャージマジック!?これこれ!こういうのが欲しかったんだ!
とはいえ、そんなに長い詠唱は今回できる気はしない。つまり、前の平家物語ほどの火力は出せないと思っていて良いだろう。
だから、短くてかつ暗記している何かが欲しいが...ちょうどいいものが思い浮かばないな。または超早口で平家物語でもいいか。それもありだな。よし、そうするか。
あ、少ししか知らないが、ワンチャン行けるものならあるな。なんだっけたしか.........よし、頭の中での口と脳みその会議は終了した。早速実戦に移していきたい。
松下:「いくぞ!ロングチャージマジック、詠唱かい...」
水造:「いや、それは発動させないな!」
くーッ、これはきついな。おあいにくさま、この世界の住民じゃないもので。攻撃を、ましてや元勇者パーティの魔法使いの魔法をよけながら暗記しているもの言うは、流石に無理。言うも易くない。
これはもうロンチャに逃げさせてはくれないっていうことだよな。ただしかしこっからランダムウェザーも使えっこない。もちろん両手雲の手だってそう。
かといって、片手もな...両手を防がれた、というかまぁ避けられた人が片手で致命的攻撃を仕掛けれますかって話だ。否、無理だと即答可能なレベルだ。5階から飛び降りて死にかけた人が、10階から全治した状態で飛び降りたらどうなるか。それを聞かれてるようなものだ。必然の結果だ。
てなことで、どうしようか。ランダムウェザーも屋根代わりのフェアズンウォールをどかさないといけない。雲の手は今は使えなさそう。両手は使えないし、片手はうまく攻撃できないだろうからだ。ウィンディンはそれ単品では攻撃はできない。ロンチャもおそらく妨害によって実質的な無力化...これはまずい。つまりは詰みだ。
水造:「お前さん、もうそろそろ魔力切れが近づいて来てるんじゃないか。」
松下:「ええ、そうですよ!主砲のランダムウェザーすらあと一回使えばぶっ倒れるほどですよ!」
水造:「それならだ...降参という選択肢もあるんだが、どうする?降参するか?」
そんなのもちろん...
松下:「もちろん、答えは「No」ですよ!」
水造:「よくいった、それじゃ、ここからも全力でかかるぞ!」
松下:「かまいません、むしろ全力でお願いします!」
とはいえ、今の私には切り札になる技どころか攻撃できる技すらないんだ。正直なところ勝ち目はない。
ただそれは、その技単品で使った場合のみ。例えるならば、魚の味噌煮のみだったら、美味しくても限界がある。たがしかし、定食に、つまり米があるとなると話は変わってくる。めちゃくちゃにおいしい食べ物となる。つまりちゃんとダメージの通る作戦になるのだ。
ってことで、まぁ作戦を考えようタイムが欲しい。
まずダメージを通らせることのできる魔法は、ランダムウェザー、ロンチャ。今使えてこの条件に合っている魔法はこれだけだ。この二つ。
ランダムウェザーとなると、正直なこと言うと...運要素が強すぎる!それは今の状況じゃ無理だ。チャンスは一度きりなのに運ゲーは流石にだ。
とはいえ、ロンチャということになると、バレた瞬間に邪魔をしてくるために意味はない...いやバレなきゃいいのか。そしたら邪魔されることもないからな。
そしたら、バレないようにする、つまり声が聞こえないようにするには...よしこれでいこう。
松下:「もういっちょ、ロングチャージマジック、詠唱開始!」
水造:「お前さん...なにをいっとるんだ?風の音が強くて聞こえないんだが...」
よし、なんて言ってるかわからないが、この時点で邪魔をしてこないってことは、聞こえてないってことだろう。
何をしたかっていうと、ウィンディンで師匠のあたりに強めの風を吹かせた。これにより風の音で私の詠唱が聞こえないってことだ。
これでかなり余裕をもって詠唱することができる。でも平家物語は長いな。考え直したが早口だと適応されるのかもわからない。この策が破られることも少ないと思うが、ないわけではないからな。他の、少し長いくらいのでいこう。
松下:「春は、あけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこし明かりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる!ロングチャージマジック!」
よしくらえ、多分五十文字くらいは言ってるはずだ!前回(クジャクリ閲覧推奨)のおそらく二分の一とちょっと程度だから、流石にダメージくらい入るはず。
あ...少しめまいが...
水造:「うっ、ロンチャだったのか!これは遠隔である程度の範囲の好きな場所に爆発をさせることができる。そのために...」
松下:「そのために、敵のすぐ目の前で爆発させろ...ですよね、師匠。しっかり言われたことはOKですよ。自分の体で確かめてください。」
水造:「しかしだな、一つお前さんは間違えたことがある。それは、わしがお前さんのロンチャの範囲外にいるということだ。まぁ爆風程度なら届くかもしれんがな。」
なっ...まじか...終わった。もう負け確定だな。
すでに魔力切れでめまいまでしてきている。いつ倒れてもおかしくない。というかもう気づいてないだけで倒れてるかもしれない。
いや、まぁそんなことはないか。
でも、とりあえず、師匠には負けたか。くそ...くそぉ...
水造:「大丈夫だ、倒れてしまってもいい。落ちないことは保証する。」
それじゃあ...遠慮...なく......
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松下:「ぶわっふぁぁぁ!」
ここは、寛三さんの家...ってことはあのまま倒れて、ちゃんと生きてるってことだな。ならよかった。
松下:「...あれ?ポークはどこにいるんですか?まだ帰ってきてないんですか?」
水造:「さぁな。あっちの様子も見に行ってみるか。」
松下:「はい。」
確かポークは寛三さんとどっかに行ってた。おそらくそっちも練習をつけてくれるんだろう。
そしたら寛三さんが剣士だったから剣技を学んでるってことだろうな。ちょっと楽しみだ。
松下:「とはいっても、どこかわかるんですか?適当歩いてるわけじゃないですよね。」
水造:「まぁとある能力でな。機会があれば教えてやろう。」
そういう何かしらの能力があるのか。機会があればだが教えてもらえるのはありがたい。
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そんなこんなで松下一行がポークらのいるところへ向かわんとするころ、ポークらは―
寛三:「そういうことなんじゃが...大丈夫か?」
ポーク:「あぁはい。ここまでの話は理解できました。」
寛三:「そしたらおさらいじゃ。まず①、剣士として、魔法使いを敵に回した場合は...?」
ポーク:「できるだけ距離をとる、また持っている場合は帯属剣で攻撃に行く。」
寛三:「それは何でじゃ?」
ポーク:「敵の魔法を帯属剣で吸収して、攻撃、また防御について強くするためですよね。」
寛三:「おうおう、上出来じゃ。それじゃあ次に―」
そして、寛三大先生の講義は終盤に差し掛かろうとしていた。
補足というか、余談というか...タイム
ステータスはスキル等を使わずとも上昇させることもできるんですよねー。
ここ好評らしいんで復活させます。




