43 刹那、その一瞬
今回はかなり文が自信ありです。
マジで文才を発揮。
松下:「雲の手!」
この【雲の手】という魔法、頑張れば実は2本手を出すことができる。
そして今まで、この魔法【雲の手】は敵の攻撃を止めたり、敵を抑えつけたりする魔法として使っていた。だがしかし、いろいろ考えてると、とある使い道を思いついた。
片手で移動の補助、片手で敵の攻撃を捌く
もし私ができたとしたら、かなりの強力な移動技になるはずだ。通常より速い移動スピード、今までの戦闘で証明された動体視力と反射神経...この二つを持ち合わせた自分自身の防衛力、回避力。
つまりは、速い移動スピードに、音速のうどん侍の【抜刀】すら避けることのできた回避と【雲の手】を使うという、この二つの自己防衛力。これならば、もしかしたらこの【フェアズンウォール】のジャングルに潜り込み、神殿という師匠のところへ!
いざ向かわん、師匠のすぐ近くへ!
水造:「おぉ。ついにその使い方をしたか。それが本当の、正しい使い方だ。成長したんだな。」
これが正解だったのかぁ。教えてほしいなぁ、師匠ぅ。いやただ、こうやって自分で成長してほしいのか。基礎的なことは教えておいてからは。
じゃあある意味私は手のひらの上でころころと...いやまぁ大丈夫だ。これはこれで自分的には良いんだから。
それでは、集中力全開で......行くぞ!
すごい、なんというか...自分的には普通に走るくらいの約3倍くらいだろうか。そこまで速すぎず、遅くもないんだな。結構何とも言えないレベルだ。
まぁしかし、これのおかげでないことは確かだが、フェアズンウォールの攻撃を本当に疲れなく捌くことができる。雲の手はかなり偉大だったのか。自由に出せてかつかなり自由に動かすことができるからだろうか。本当に楽に捌ける。
......よし、もともとの走るだけの想定ではなくなったために、おそらくこれは隕石からの脱出は余裕で行けそうだな。
だがしかし問題は、師匠に攻撃をできないかもしれないことだ。
今のこの雲の手二本状態にすると、発動時の魔力消費量が頭がおかしいくらい取られていった。そして今残っている魔力からランダムウェザーを使える回数を計算すると、一応一回は打てる計算だ。
まぁこのまま雲の手で攻撃もできるが、防衛か移動のどちらかが手薄になるのがいかんのだ。つまりは、どちらかといえばこの案は没になる。だとしたら、攻撃魔法はランダムウェザー。しかし、ランダムウェザーは一回しか放てず...のいたちごっこだ。何かいい案が欲しいのだが...この状況にはありえなさそうなんだよな。
...あれ?なんか忘れてるな...なんだったかな...
...あの落ちてくるあれはなんだ...鮫!?あ、そうだ!私は子鮫を放ってたんだった!
となると、どちらかが手薄になろうと、さっと外に突き出せばワンチャンスはある。さっきの【遠隔操作型霰バースト(仮)】のおかげで少しこっちの有利な方向に倒れかけている。ならば、あと一押しで子鮫の大雨の場所へご招待可能!
なんというか、勝利への暗闇の道が、電灯のついた裏道程度には見えてきた!
希望が見えてきた!
とりあえずは、ここからの詳細な作戦について、一応確認していこう。
①この【雲の手】を使った高速移動で師匠のところまで行く。
この際は、できるだけ被弾を最小限に抑えるようにしたい。回避でも、防御でもいい。といあえずダメージを受けるな、それだけだ。
②【雲の手】を使って、上にフェアズンウォールのない場所へ突き出す。
これにより、子鮫の降る所に動かすってことだ。
以上、まぁ簡単な作戦ではありそうだが、②はもうかなりの実質捨て身的な攻撃になりそうだ。失敗すれば敗北は必至。一応修行の一環だとしても、敗北するのは悲しい。しかも成長もしなくなりそうで怖い。成長をしないのはダメだ。今を自分の上限にしてはいけない。
まだ魔法の修業を始めてすぐの、魔法使い初心者だ。そんな中、私の魔法を修行してくれるのだから、まじめに受けないと、だめだろう。
とはいっても、今からやろうとしているのは、その修行の師匠を倒そうとしてるんだがな。
師匠にもう近いぞ...案外この移動技、使えるかもしれない。被弾ゼロで師匠のところまで移動できそうだ。
あと8...7...6...5...4...3...2...来た、残り二秒...残り二秒で接触するぞ......!
1......0!
はいっ、振っり向いてホイッ!
よし!確実にこれは入った!
ついでで、というか子鮫だけでは火力が足りないと思い、外に突き出すではなく、下に押し潰す!
......ッ!
なんだ、これ...師匠が...ボロボロ崩れていっている!べつに攻撃でそうなっているならいいんだが...いやまぁ倒せてるってことで勝負的には良いんだが。
だがしかしこれは違う。例えば、固まった砂とかを手ですり潰したらできる粉のように崩れていく......そんな感じの崩れ方だ。なにか攻撃を加えたためのものでも、予定していた結果ではない。
いや、ただしかし、攻撃は確実に当たった。何が起きている...
水造:「ふぅ、危ない...素晴らしいな、お前さんの成長は。」
松下:「!?」
水造:「お前さんが攻撃したのは、わしの石像だ。」
やはり、師匠本体ではなかったのか。ただすごいな、自分の石像を作ることができるのか。
水造:「お前さんがものすごいスピードでこっちに向かってきた時、正直避けれないとも直感で感じた。しかし、未熟な故に詰めが甘かった。それはだな...こっちを攻撃するときに振り向いてきたことだ。」
まずい!フェアズンウォールに乗って空へ、遠くへ行ってしまう!フェアズンウォールの上を渡って急いで追いつかなくては!
水造:「もしあの時、お前さんが振り向いてから攻撃するのではなく...振り向かずにノールックで攻撃してきたら、隙がなく避けれなかったかもしれない。」
松下:「そんな過去の話はもういい!今は追いつくことに集中したいんです!静かにしててください!」
水造:「違う、過去の話でもよくない!!いいか、戦闘でも、なんなら人生でもそうだが、過去のことを考えなくては意味がない、失敗した意味が!いいか、次につなげない失敗っていうのは、無意味ってことだ。何もなかったことと同じだ。強いて言うなれば、デメリットしかない行為だ。」
...確かにそうだな。不意に心に響く言葉を言われるもんだからびっくりしたが、師匠の言ってる通りだ。
失敗は成功の母というが、その母が流産してしまったら残るのは悲しみ、悔しみ、マイナスの感情しかない。その後には成功なんていう子供は産まれない。
つまりはここから繋げていけと、長いこと言っていたんだな。
...って、ほっこりしている場合じゃない!急いで師匠のところまで行かなくては!
【雲の手】のあの高速移動...行くぞ...って、私雲の手を引っ込めてるー!?
なんてバカな行動をしたんだ、私は!
さっきの雲の手を両手出した時の魔法消費量、それは優にランダムウェザー一回を超える量だった。
それを今、ランダムウェザー一回を発動したら倒れるくらいの時に出せるはずがない!これは困ったな...だがしかし、ラッキーなことも一つあるな。
フェアズンウォールに私は乗った。つまりは、フェアズンウォールをどれだけ伸ばされても、師匠との直線距離は変わらない!
いやただ、枝分かれされるとだめなのか...まぁ気合いで乗り切るしかないな。
これは非常にまずい状況になったな。とってもフェアズンウォールのスピードに普通のダッシュで追いつけるはずがない。それは今までの戦闘で身をもって体験済みだ。
そしてさらに、師匠の上には屋根が設置されている。これにより、多少かすらせることは可能だと思うが、【霹靂】を直撃は無理だ。そして子鮫も無力化だな。
...もうすでに八方塞がりな気がするな。もう勝ち目がどう見ても見つからない。
ならば、一矢は報いる。
もし倒せないとしても、殺せないとしても、気絶させられないとしても。最低のところ、認められたい。
そうだ、結局は、師匠に認められたい。魔法使いとして。一個人、師匠としての魔法使いとしてではなく、国も公認の、【魔法使い】として。
次回でまぁ戦闘終了くらいかな。




