第一話 ありきたりな女神様
どうもこんにちは。
突然ですが、皆さんは異世界転生(または召喚も入れていいです)作品に何作出会いましたか?おそらくこの作品に出会ったあなたはきっと私よりたくさんの作品を見てきているでしょう。あっ、これは作者本人の言葉です。もう少しだけ私のお話にお付き合いくださればなと書きながら思っております。
私は大量に見てきたわけではないのですが、どれもこれも内容がほとんど一緒で新しいものを見た気分にならなくなってしまいました。異世界で勇者になって魔王を倒しにいく物語、逆に魔王側について魔王軍を率いたり、ほとんどの作品に共通して転移する主人公はチートスキル、または成り上がり特化のスキルを保有しています。
これは作者の匙加減ですからね。先に言っておきますが、私は別に異世界作品が嫌いになっているわけではございません。面白い作品に出会いたいだけです。
と、いうことでこの異世界作品ではたくさんの異世界作品を見てきた主人公が異世界のマンネリを打破しようと異世界に抗う作品です。長くなりましたが、お待たせしました。それでは本編をどうぞ。
「またこの展開か」
俺はまた新たな異世界作品を読み、似たような展開に出会った。
「もう何ヶ月も目新しい作品に出会わないな」
彼が読んだ作品数は序盤リタイア作品も含めてその数数百越え。作者の私の何倍も色々な作品を見ているようです。(あっ、たまに作者でできますのでよろしく!)
「やっぱりどれを見ても『俺つえー!』って感じやな、つまらないわけじゃないんだけどおんなじものばっかりで…やっぱりつまらないかも、とりあえず、お菓子でも買いに行こうかな」
俺は財布を拾い、近くのコンビニを目指し始める。そういえば、異世界作品でコンビニで転移するのもあったな。異世界って思ったより楽しいのかなあ?…なんかフラグ立ってね?
「…うーん」
ちょっとやってみるか。
「俺は高橋日比谷、25歳。ただのフリーターだ。人生生きるのが大変で大変で、もう生きるのが辛い感じ、もし異世界転生できるのであれば、今度こそは幸せな家庭を築きたいな」
こんな感じかなあ。と感心していたが、次の瞬間、
作業員「あっ!」
なんと上空から鉄骨が一本降ってきた。
「ん?あっ」
気付いた頃にはもう鉄骨はすぐそこだった。俺は鉄骨の下敷きとなり、何がとは言わないが、とても面白く感じていた。
その辺にいた人「大丈夫ですか!」
あまりにも大きな苦痛でもはや痛みも意識もなかったが、こんなにあっさりと死んでしまうことに、異世界フラグを立てた自分に声もなく笑うのだった。
意識が戻った俺は異空間にいた。本当に笑うしかなかった俺はその場で本当に笑った。
女神「何がそんなに面白い?」
振り返ると、みるからにありきたりな女神っぽい人がいた。
「いやぁ、まさかこうも簡単に異世界に行けるとは思いませんでした。」
女神「…何を言っているのだ?ここは死者の行先を決める生と死の狭間の世界だぞ。」
「やっぱり俺は死んだのだな。」
女神「ま、まあそうなるな」
すこし引っかかるような喋り方だな。
「で?俺はこの後どうすればいいのだ?」
女神「なかなか話がはやくてたすかる。死んだ時に人間には一つ能力があたえられ、それに見合う世界に連れていくのが私の仕事だ。」
「能力?やっぱりありきたりだな。で俺の能力は何なんだ?学習系?大魔法系?」
女神「初めてみるな。お主の能力はものとものを繋ぐ能力。名前は『コネクト』。例えるならペンとリンゴでアップルペンを作る感じだな。」
この例え大丈夫なのか?
女神「核さえあればなんでも繋げて新しいものに出来るそうだ。しかし、その核と自身を同期させる必要がある。簡単にいうと…」
簡単に能力の説明するとまずはマーキングをする必要がある。右手と左手でそれぞれものを持つ、またはそれぞれの手で触れている時に強く念じてマーキングをすることができる。両手でマーキングが完了している状態で『コネクト』と掛け声をすると結合できるらしい。人間を結ぶこともできるし、無機物も結合することができる。何でも結合できるが、結合した場合、基本的に永遠に結合されたままになる。ものによっては結合を解除できるものもあるらしい。
「なるほど、難しくないか?俺の能力」
女神「そうだな一回やってみるといい。財布を持っているだろう。500円玉2枚を右手と左手に持ってみるのだ。そうしたら強く念じ、『コネクト』と言えばできる。」
「こ、こうか。えっと、『コネクト』」
すると500円玉はなくなり、千円札となる。
「いや、そうなるんか、てっきり、素材として結合されるのかと思った。」
女神「お金は概念だからな概念として結合されたようだ。」
「概念まで結合できるのか」
女神「そのようだな。ということでこの能力に見合う世界をいくつか用意した。さあどれか選ぶといい。」
なんだかよくある感じなラインナップだな。勇者として魔王を討伐する世界、魔王として君臨し、思いのままに操る世界、俺が過去に遊んでたあのゲームの世界など、いくつか用意されているが、異世界作品をたくさん見てきた俺に惹かれるものはなかった。
「それはそうと女神さん?俺は本当に死んだのか?」
女神「な、なにをいう?ここは死なないと来れない場所なのだぞ」
「本当か?やけに早く話を進めるし、さっき少し喋り方が変だった。それにいくつかの異世界作品では死なずに転生するケースもある。本当のとこはどうなんだ?」
女神「…はあ、やっぱり、君のような感のいいガキは嫌いだよ」
女神も漫画とか読むんだな。そして影響されすぎ。似せんなて。
「で、どうなんだい?め・が・み・さ・ま☆」
女神「そ、そうだな。しょうがない。本当のことを言うとな……お主は死んではいない!」
「やはりか、そんな気はしたよ。」
女神「本来なら本当に死んだ人を私がここへ呼び寄せるのだが、つい死ぬ前に呼んでしまい、のちに息をしていることを知って…」
「いくら女神様といえど嘘をつくこと、失敗を隠すことはいいことではないぞ?」
女神「だ、だって〜、あんなシーンをみたら死んでるって思っちゃうじゃ〜ん!」
いきなり化けの皮が剥がれたように駄々をこね始めた。
「ふっ、これがいわゆる駄女神ってやつか。これもありきたりだな。」
女神「なんの話をしているのだ?さっきから変だぞお前」
「いきなり口が悪くなり始めたな。まあいいや、多分だけど俺はどうせ元の世界には戻れないのだろう?」
女神「そうなのだ。この世界から元の世界に戻すことは基本できない。だが、もし未練があるのなら、少しの間だけなら霊として見にいくこともできるぞよ。自身の体に入れば干渉もできる。だが、こちらに戻ってくる時に実体ごと戻ってくるために現世の方にあなたは残らなくなるぞよ。」
「そうなのか、であれば少しでいいから元の世界、可能なら元いた場所まで戻してくれ。2分くらいでいい」
女神「やけに細かい指示だな。わかった。せめてもの償、そのくらいのことはしてやろう。それではいくぞよ!えい!」
すごいペースやな、と思うのも束の間、目を開くとそこには鉄骨に潰されている俺がいた。
その辺にいた人「大丈夫ですか!」
どうやら自身の体に入り込めるようだ。体に入り込んだが、感覚はまるでない。痛覚を感じない。そのまま、鉄骨から抜け出し、全速力で走る。
その辺にいた人「ちょ、ちょっと!待ってください!」
自身の家に戻り、荷物を背負い、後数秒のタイミングで、1つ疑問が浮かんだ。
「これっていま能力使えるのかな?こうして、マーキングして、『コネクト』」
50円玉2個で100円玉になった。
「できるのか!それなら、『マーキング』」
右手を差し出してマーキングと叫んだ。しかし、その後すぐに制限時間となり、女神の元へ戻ることとなった。
「戻ってきたか。おっ!リュックがある!やはり読み通り、物まで持って来れるとは!いくつかの異世界転生でも持って来れてたからなこうも上手くいくとは」
女神「な、なんかすごい動きじゃったのう。死人RTAでもやってるのかと思ったわい。とにかくあとは次の世界を選ぶだけじゃ!どうする?」
「俺はちょっと試したいことがある。『マーキング』」
左手を差し出し、マーキングと叫ぶ。
「やはり、これは行けるな!行くぜ!『コネクト』」
すると、左手に乗るように、空間が開き、その中には俺の部屋が見える。
女神「な、なんじゃと!空間が繋がった!」
「よしきた!」
女神と俺で空間の中に顔を入れてみる。
女神「こ、これは紛れもない!お主のもといた世界じゃ!」
俺は空間に飛び込む
「よいしょ!おっ!やはりな。この能力のおかげで俺は元の世界に戻ることができるようだな」
女神「こ、これはびっくりじゃ!もしやお主、元の世界に戻るつもりかや⁈」
「そうだな。そうしようと思…ってたけど、この能力のおかげでマンネリな異世界転生にはならなそうだからな。女神様、俺はいろんな世界を行き来したい!」
女神「な!べ、別にできないわけではないが…」
「頼む!テキトーな世界で『俺つえー!』をやっても楽しくないんだよ!」
女神「!!…まあ、いいか。ただし!この異世界を繋ぐ空間はお主だけしか通ってはダメだからな⁈私が他の人が通れないように細工するからの⁈」
「おうわかった。とりあえずはそれでいいや。」
女神「なんか、嫌な予感はするが、まずはどの世界に行ってみるかの?」
「なら無難にまず勇者として魔王を倒す世界にする!」
女神「わかった。どうせここと繋ぐのだろう?準備ができたら教えてくれ」
「ああ。『マーキング』、これでよし。いいよ女神様」
女神「はあ、それでは行くぞよ。えい!」
そして、俺は綺麗な草原に到着した。
「ここが異世界!というありきたりな言葉を吐いたところで早速、『マーキング』、『コネクト』」
先ほど同様空間が開き、その中には女神様が立っていた。
女神「早速すぎるのよ」
「ということで楽しんできます!また次の世界に行きたくなったら尋ねに行きますのでその時はまたお願いしますね!それでは!」
女神「ちょ、ちょっと!煽ってくな〜!」
女神の叫びが少しだけ響き渡るのを横に、ルンルンと歩いて行く俺であった。




