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05昔の夏

「にいちゃん、とうきょーについたらすぐにれんらくくれよ!」

「私はもうお料理できるんだよ!だから心配しないで。」

「俺も洗濯も皿洗いも頑張るよ!」

出発前のロビーで弟や妹たちが口々に餞別の言葉をくれる。

ずっと一緒に狭い部屋で過ごしてきたこいつ等と離れると思うと無性に寂しい。

東京では一人暮らしだ。静かな生活に慣れることができるのだろうか。

「ごめんな、俺が行けたらよかったのに。」

兄貴は眉を下げながら俺の荷物を渡してくれる。

「兄貴はこっちでの仕事があるだろ。それに母さんや兄弟のことを守ってやってくれ。」

俺はそう言って兄貴の肩に手を置いた。

兄貴に異能はない。異能の発現があったのは兄弟の中で俺だけだ。

GSTは政府の仕事だけあって給料も良い。俺の家の事情を聞いて先にまとまったお金も用意してくれた。

おかげで病弱な母親のう医療費にあてることができる。

飲んだくれで暴力を振るう父親も引き離すことにも助力してくれたGST、この恩を返したい気持ちもある。

後ろ髪を引かれる思いで兄弟たちの声を背に搭乗口を歩いて行った。


ビービービーッ

GSTのジムで筋トレ後、プロテイン入りのドリンクを飲みながら兄弟からの手紙を読んでいると警報音が鳴り響いた。

また急な任務が入ったようだ。

「琉唯、早く事務所行くよ‼」

隣の射撃場にいた伊吹が顔を出すと声をかけてきた。

「おう、すぐ行く。」

俺が返事をすると伊吹はニカッと笑い先に事務所へと向かった。

この時間からの任務となると残業代が出る。今月の妹の誕生日は良い物が買えそうだ。

よし、頑張るか!

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