第一話『陰謀論者と政権』
人は何かと変わった範疇の人々を馬鹿にしがちだ。例えば、陰謀論者とかをな___
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『速報です。岸田首相が今日未明新法案を可決しました。』
岸田首相「今回閣議決定の結果、新法案を可決させていただきました。このコロナ禍で
TwitterといったSNSでは反ワクチン、陰謀論いわゆるディープステートなどの虚偽情報が
相次いで拡散されるようになりました。このたび、陰謀論等の『虚偽情報拡散禁止法』を可決させていただきます」
政府がこの法律を施して1ヶ月が経った。自分を含み、普通の人なら大賛成の法案だが、頭にアルミホイル巻いてる奴らからしたらこの法律は邪魔者でしかない。
---2ヶ月後
某新聞社にて「おい!テレビつけろ!」
「なんかあったのか?」
ニュースキャスター「今日未明、反ワクチン系右翼団体『QJAF』を名乗るリーダーらが首相官邸を占拠しました。SNSなどでは様々な陰謀論が絶えません!』「やべーぞおい」
「首相官邸が占拠されるなんてな」
とその時、臨時ニュースが入る。
ニュースキャスター「先程、政府は反ワクチン系右翼団体のQJAFに対し解散命令を出しました。政府は今後この反ワクチン団体に対し圧力をかけていく方針です!」
「この法案可決されてよかったわ」
しかし、その直後、
“ドカーーーーーーーン!”
テレビから首相官邸の爆音が、聞こえた___。「おい!QJAFが官邸を爆破したぞ!」
それは、QJAFによる内閣総辞職を狙った自爆テロだった。首相官邸は壊滅的な被害を受け、岸田首相は死亡した。政府は直ちに解散命令をだした。
それから、平和国家日本は,破滅の道を歩み始めていく。
---3ヶ月後 首相官邸跡にて
「岸田さんがいなくなってからもう半年か」と、総理大臣秘書の井手内が言う。
「あの人がもし生きてたらどんな世界線になっていたんだろうな」と、続けて言う。
「岸田さんが生きてたらこのコロナ禍でもなんなく乗り越えてただろうな」
「まあ過去最低の総理大臣とは言われてたけどなぁ………」
「岸田さん生きてたらなあ」と、井手内は言う。
「ああ、岸田さんが生きてたらきっとこのコロナ禍もなんとかなっただろうに」
スマホのYouTube通知に速報が入った。
『速報です。反ワクチン系右翼団体新真都Qが国会議事堂を占拠しました』
ニュースキャスター「これはまたもや陰謀団体でしょうか?」
記者「新真都Qは昨年のテロ以降新団体として設立され,首相官邸襲撃、国会議事堂占拠など様々な行動に移しています。本当はQJAFの残党です。政府は解散命令をだしましたが、新真都Qは中部地方各都道府県の役所にて反ワクチン活動を行っています。」
---数ヶ月後
「岸田さんの暗殺以降ろくな事がないなぁ」
「そういえば、あのテロの後に新たな団体はできたんですか?」と記者が聞く。
「ええ、作られました」
「え?もしかしてQJAFの残党みたいな組織ですか?」
「いいえ、QJAFの残党ではありません。新たに作られた団体名は『KDS』と言います」
「そのKDSはどんな団体なんですか?」
「その団体は陰謀論を撲滅することを目的としています。」
「なるほど!そういう団体もあり得るんですね!」
ニュース『速報です。新真都Qによるクーデターに対しKDSが反撃し鎮圧しました。しかし、クーデターに参加していたとみられるメンバー数人が死亡し,KDSも事実上解体となりました。』
---数年後
「岸田政権が崩壊した時はどうなる事かと思ったなぁ」と井手内が言う。
「まさかあの陰謀論団体をKDSが取り込んでるとは思わなかったよ」と記者が言う。
「そういえば、あの後すぐにQJAFも解散しましたね」
その時、 ''バン!'' 井手内が撃たれた。「井手内!大丈夫か!おい!いったい誰d_____」
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ニュースキャスター『速報です。総理大臣秘書の井手内俊介氏と、同行していた毎日新聞の記者が何者かに銃撃され、2人とも死亡しました_』
『え,何?停電?!うっ………何、ぐる''し''い''………バタッ」