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高校三年生。第三十四回美山高校人気ランキング 女子編 玉・豹・須・渡



「もうそんな季節なんだねー」


「何をしている、豹馬、渡辺」


「あっ、玉様と須藤」


「何って集計。三十四回って誰が始めたんだ、こんなの」


「学校の人気女子の投票だよ。玉彦様のところにも投票用紙来たでしょ?」


「来ておらぬ」


「おい、渡辺。渡してなかったのか?」


「だって玉様にそんなの渡せるわけないじゃん?」


「俺は比和子に一票だ」


「はい! 無効!」


「無効だなー」


「無効だねー」


「何故だ!?」


「もう結果出てるもんよー。では僭越ながら渡辺が発表します。ででん。第五位。一年B組。普通課。後藤加奈子ちゃん。四天王の後藤先輩の妹ちゃん。言わずと知れた美女」


「確かにこの子、可愛いよね。弓道部に入って来たよ」


「鈴白トリオの誰かがお目当てだったんでしょう。では次。ででん。第四位。三年C組。家政科。香本蓮見。言わずと知れた家政科のドン。女子の信頼厚く、三年進学特化男子の投票が集まりました」


「まぁ学校祭でお世話になってたからね」


「香本はあんなにも言葉が悪いのに、四位なのか」


「それは玉様にだけだろうなー」


「ででん。第三位。一年B組。普通課。冴島流子。凍てついた視線のクールビューティー。言わずと知れた正武家玉彦様の母方の従兄妹」


「流子か……」


「流子ちゃんね……」


「流子を選んだヤツは性格をよく知らないんだろうな……」


「美人だから問題ないだろ。ででん。第二位。二年D組。家政科。田畑愛。ほんわか女子。癒し系」


「愛ちゃんかー」


「須藤の元カノじゃねーか。別れて人気急上昇か」


「そうそう。この子が急上昇したから、元祖ほんわか女子の弓場さんは六位に転落。良かったな、御門森」


「余計なお世話だバカ」


「ではでは。第一位! でででででん! 三年B組。普通課。鰉那奈。社交性抜群。イケてる女子は全員彼女と繋がっている、オシャレマスター! 以上です」


「おい。比和子が入っておらぬだろうが。この集計は作為的な物を感じる」


「……」


「……」


「あー、玉彦様。上守さんはね」


「言うな、須藤!」


「そうだぞ、空気読め」


「なに言ってんの。二人とも。上守さんは殿堂入りしてるからランキングには入らないんだよ」


「殿堂入り、だと……!?」


「そうそう。二回連続一位だと殿堂入りする仕組みなんだよ。鰉は三回一位に選ばれてるけど、連続じゃないんだ」


「上守さんは圧倒的な人気。二年の後期と三年の前期の投票で他の追随を許さない圧倒的な得票率。制服が一人だけ違って目立ってたし、ズバズバ突っ込んでくるだろ。しかも可愛い。可愛すぎる。隠しきれない都会のオーラが漂ってる。ついでに玉様の婚約者っていうステータス。惚稀人様という神々しい二つ名。みんな票を入れるだろ。もちろんおれも入れた」


「僕もー」


「オレは忖度で。女装喫茶の恨みはあったけど」


「……許せん。比和子をそういう視線で見ていたとは!」


「ほらぁー。だから言うなって言ったじゃん。須藤」


「でも言わなきゃ玉彦様は納得しないじゃない」


「このような不埒なランキングなど廃止しろ!」


「あ、それは無理。ランキング規則が二十年前くらいに追加されて面白いから絶対に無くしちゃダメって決まってる」


「なんだと!?」


「えーと、当時のランキング集計委員の……正武家澄彦様が追加……してる」


「つーことは、次代の玉様が言っても覆らんな」


「あの、馬鹿め!」


続く。

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