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「あっ、玉彦。お役目お疲れ様でした」
「うむ。比和子、三郎爺様の家に行くぞ」
「何しに行くのよ。あんたが無駄に顔を出すとお祖父ちゃんたち疲れるんだけど?」
「では、では……。どこに行けば……」ぼそぼそ。
「大人しくお屋敷に居れば良いじゃないの。外は雪が降ってるし、お出掛けしたくない」
「そういう訳には……」
「……なんか隠してる?」
「ば、馬鹿な。そのようなことはない」ぎくり。
「ふーん……」
「……」
「玉彦はお祖父ちゃんの家に行きたいの?」
「行きたいというか、泊まりたいというか」
「なんで泊まるのよ」
「それは……」
「あ、もしかして」
「な、なんだ」ぎくり。
「明日はクリスマスイブだからちょっと二人きりになりたいなーとか思ってる?」
「そうだ!」渡りに船!
「でもお祖父ちゃんの家だと二人きりじゃないし、そもそも母屋の方が二人きりになれるよね?」
「そうなのだが……」
「しかも明日でも良いよね」
「しかし明日は父上とケーキを食べねばならぬ」
「……普段から澄彦さんに文句を言ってんのに今さら?」
「こういう時は別なのだ」
「ふーん……」
「……」
「ふーん」
「……! ではこういうのはどうだ。比和子からのクリスマスプレゼントは今日俺と一緒に三郎爺様のところへ行き、一泊するという」
「……うーん。ほんとは何か作ってあげようと思ってたけど、玉彦がそれで良いなら良いよ。ただし、変なことはしないでよ?」
「相分かった!」
「いっつも返事だけは良いんだから。じゃあ、お泊りの準備してくる。玉彦も準備してよ?」
「心得た!」
続く。




