表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

178/460

衝突

 荒木軍は本願寺へ向かってゆっくりと進んでいます。荒木村重の目的は織田信長へ反旗をあげたことのアピールでした。


 毛利へ行った秀吉からの使者が何度も現れて、毛利へ味方するように言ってきていました。もちろん腹は決まっています。もう戻れないことも理解しています。秀吉が信長に金の事をなんらかの形で漏らせば、荒木の命はないのです。


 荒木は結果的に秀吉に金を貢ぐ形にはなってしまいましたが、いずれ織田を裏切る予定でしたので自らも金を手に入れ、その事には満足しています。ですが、秀吉のように織田の勢力を削ろうとまでは考えていませんでしたが。裏切るきっかけ、それを探していました。大阪城建造がそのきっかけになったのです。荒木の領地である摂津に信長が引っ越してくる事になります。それは嫌です、嫌なのです。


 本願寺へ進む荒木の正面に、松永弾正が現れました。荒木は微笑みます。一番いいやつが現れました。これは天運は我にあり、と言いたくなるような相手です。天神口から遠くないところで軍が向き合う形になりました。とはいえ片方は五千、片方は三百です。圧倒的ですが荒木は慎重です。松永弾正が何も策なしに現れるとは思っていません。


 荒木は本願寺に攻め込むつもりはありません。あそこには大勢の工事人夫がいます。たかだか五千の兵でどうなるものでもないのです。誰か適当なやつが出てくるのを待っていたのです。


 松永から使者が来ました。


「荒木様に我が主人松永久秀よりお伺いしたい事がございます。この進軍はいかなる御用でございますか、お聞かせ願いたい」


「これはご丁寧にかたじけない。我らは大阪城建造のお手伝いに参ったのだ。これだけの工事、人手は多い方が良かろう」


 使者は陣に戻り松永にそのままを伝えました。そんなわけはなかろうに。明らかに戦の構え、だが誰と戦をする気なのだ?


 松永弾正は兵とともに反転し本願寺へと駆け出しました。荒木が謀反を起こしたのは間違いないようです。ですがわけがわかりません。本願寺の佐々成政へは事前に連絡してあります。とりあえず本願寺で迎え撃つ作戦にでました。


 荒木は突然逃げ出した松永を見て、笑いながら


「さすがである。この急な展開で最善策を取っておられる。見事だ。だが、松永が動けばあの男も動く。動かなければそれまでの男という事だ」





 本願寺へ向かって走る松永弾正の行く手を阻む兵団が現れました。その兵団はいきなり襲いかかってきました。


「ええーい、このわしが松永弾正久秀と知っての振る舞いか?頭が高いぞ、控えい!」


「はっはっは、当然知っての振る舞いでござる。お久しぶりでございますな。お命頂戴仕る」


 兵の背後から現れたのはあの島左近です。この時、筒井家の家老でした。左近は弾正へ突っかかろうとしますが護衛が邪魔をします。それを本願寺の物見が見て、佐々成政に報告します。


「島左近が現れただと!という事は筒井も寝返りか。弾正殿をお助けいた、いや、籠城の構えを見せよ。間に合うまいて。それにここには攻めては来られまい」


 佐々成政は勝手に戦をする事を控えました。ここにいるのは工事人夫であり兵は数少ないでのです。数は多いですが指揮系統が取れません。ですが、この決断は間違っていました。あとで信長の叱責を受ける事になります。




 松永弾正の部隊は島左近の部隊と互角にやりあっています。弾正が後ろを見ると徐々に荒木村重の軍が近づいてきています。このままでは挟み撃ちです。


 島左近は自らが長槍を振り回して兵をバッタバッタとなぎ倒していきます。左近は長年筒井順慶に従ってきていて、松永弾正は目の上のたんこぶのような存在でした。ここで倒せるのが嬉しくて仕方ありません。この戦には筒井順慶自らが出ると言っていたのですが、家老職の左近が留めました。万が一があってはいけません。本願寺にいる織田軍がどう出てくるかわからないのです。


 その時、荒木村重の軍から五百余の兵が突然松永隊に向かって駆け出しました。荒木はさけびます。


「どこの隊だ。命令違反だぞ、」


「はっ、高山右近様の隊と思われます」


「右近だと。どういう事だ?まさか、あやつ!」


 高山家は摂津の国衆でしたが、三好が衰退して荒木村重につくようになりました。今までの流れを見てきて織田信長に強さは明らかに群を抜けています。それ故に、荒木が織田家を裏切ると聞いた時、反対してなんとか思いとどまるようしつこく荒木に進言していました。ですが、荒木は聞く耳を持ちません。


『織田信長様は強い、そして怖い。逆らって勝てるわけがない。ここにいては危ない』


 高山右近はなんとかしたいと思っていましたがどうにもなりませんでした。そして荒木を離れる事を決意します。ですが機会がなかなかありませんんでした。そしてここを絶好機と見て本願寺へ向かって走り出したのです。配下にも合図を伝えてあったので一気に皆で駆け出しました。そしてそのまま戦闘中の松永弾正隊に合流したのです。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ