3節・人物用語紹介
<主要登場人物>
●ニコラス・ウェッブ(ニコラス):29歳、男性、アメリカ人
主人公。代行屋「ブラックドッグ」の助手を務める。元海兵隊武装偵察部隊の狙撃手。わりと常識人で上司のハウンドに振り回され気味。
かつて戦場で出会った少年兵がハウンドであることを知り、しかも国家絡みの陰謀に関わっていることを知って戸惑いつつも、彼女を護ること決意する。
●ヘルハウンド(ハウンド):18歳、女性、アフガニスタン人?
ヒロイン。代行屋「ブラックドッグ」の店主でニコラスの上司。悪戯好きで自由奔放。ニコラスを大いに気に入っている。
その正体は6年前、ニコラスに助けられた少女兵(ニコラスは少年だと思っていた)であり、彼に並々ならぬ感情を寄せている。イラク戦争にまつわる《手帳》を盗んだことで、USSAから命を狙われている。
わりと食いしん坊。
<サブ登場人物>
●店長:27番地住民にして、カフェ「BROWNIE」の店長。代行屋の受付所に店の一画を貸す代わりに、ハウンドとニコラスを用心棒として雇う。
●アンドレイ医師:27番地唯一の外科医。戦争後遺症を患うニコラスを診ている。ハウンドの過去を知る数少ない人物。
●クロード:27番地住民。商業組合長。禿げ頭を気にする愛すべきおっさん。
●ルカ:27番地住民。孤児で結成された『雨燕』のリーダー。わりとおませな13歳。
<敵役>
●フィオリーノ・ヴァレーリ:33歳、男性、南イタリア人
五大マフィア『ヴァレーリ一家』の若き当主。誰もが認める美男子だが、人の心を壊すのが趣味という最悪の性格の持ち主。壊れにくい玩具としてハウンドを気に入り、異常なまでの執着心を見せる。
●カルロ・ベネデット:27歳、男性、イタリア系アメリカ人
ヴァレーリ一家幹部にして、フィオリーノの側近。いつも当主に振り回される苦労人であるが、なかなかに腹黒。ハウンドの元相棒で、ニコラスが来るまではハウンドの相棒最長記録の持ち主だった。
<専門用語>
●特区:正式名称は「ミシガン州特別経済自治区」。公式には国営の実験都市という扱いだが、実情は世界最大級の犯罪都市。27番地を除く全区画を五大マフィアが支配している。
●五大マフィア:特区を統べる五つの犯罪組織。現在の五家は、シチリアンマフィアの『ヴァレーリ』、ロシアンマフィアの『ロバーチ』、中華系マフィアの『ターチィ』、先住民系ギャングの『ミチピシ』、南米系カルテルの『シバルバ』。
●27番地:特区で唯一、五大マフィアに支配されていない中立地帯。ニコラスとハウンドが暮らしている街。ハウンドを統治者として仰ぐも、政治体制は民主制を取っている。
●ヴァレーリ一家:五大マフィアの一家であるシチリアンマフィア。歴史が非常に長く、現当主はフィオリーノ。交渉術に長け、アメリカ経済界・政界ともに深く食い込んでいる。
●合衆国安全保障局:略称はUSSA。12年前の同時多発テロ発生直後に急遽設立された大統領直属の情報機関で、年々発言力を増している。
●手帳:イラク戦争中に起きた、国連絡みの大スキャンダル「バグダッドスキャンダル」に関する証拠品。手帳には世界屈指のブラックリスト、『失われたリスト』が記載されているらしく、現在はハウンドが所有していると考えられている。
●失われたリスト:イラク戦争中、国連主導で行われた『石油食料交換プログラム』を隠れ蓑に世界各国の大物たち(国連のトップ、現職の大臣、資本家、宗教関係者など)がこぞって汚職を行った『バグダッドスキャンダル』に関与した人物らの名が記されたブラックリスト。
このリストを公表するだけで、世界各国代表の首がすげ変わるほど破壊力を持った代物。




