8節・人物用語紹介
<主要登場人物>
●ニコラス・ウェッブ (ニコラス):29歳、男性、アメリカ人
主人公。代行屋「ブラックドッグ」の助手を務める。元海兵隊武装偵察部隊の狙撃手。わりと常識人で上司のハウンドに振り回され気味。
かつて戦場で出会った少年兵がハウンドであることを知り、しかも国家絡みの陰謀に関わっていることを知って戸惑いつつも、彼女を護ること決意する。
●ヘルハウンド (ハウンド):18歳、女性、アフガニスタン人(ハザラ人)
ヒロイン。代行屋「ブラックドッグ」の店主でニコラスの上司。悪戯好きで自由奔放。ニコラスを「ニコ」と呼び、大いに気に入っている。
その正体は6年前、ニコラスに助けられた少女兵 (ニコラスは少年だと思っていた)であり、彼に並々ならぬ感情を寄せている。イラク戦争にまつわる《手帳》を盗んだことで、USSAから命を狙われている。
わりと食いしん坊だが、信頼できる人間が調理したものしか食べない。
<27番地の人々>
●店長 (ライオール・レッドウォール)
カフェ「BROWNIE」の店長。柔和な笑みが似合う上品な老紳士。
●イーリス・レッドウォール
店長の奥方。元ジャーナリスト。
●ケータ・I・マクナイト
元特警の巡査部長。生真面目な性格。銃は下手だが近接戦の達人。
<五大マフィア関係者>
●セルゲイ・ナズドラチェンコ
ロバーチ一家幹部。電子戦を得意とする。
●カルロ・ベネデット
ヴァレーリ一家当主側近。意外と腹黒。特技は根回し。
●ルスラン・ロバーチ
五大マフィア『ロバーチ一家』の現当主。特殊部隊出身で、表情が凍りついていると評されるほど冷厳な面持ちの偉丈夫。
●フィオリーノ・ヴァレーリ
五大マフィア『ヴァレーリ一家』の現当主。誰もが認める美男子だが性格は外道そのもの。
●リカルド・ルイス・ガルシア
五大マフィア『シバルバ一家』当主。非常に残忍な性格。過去の因縁からハウンドを毛嫌いしている。
<合衆国安全保障局関係者>
●クロム・クルアハ
USSA作戦本部秘密工作担当課の所属。正体は『双頭の雄鹿』の”銘あり”で、極秘武装組織『トゥアハデ』のメンバー。
<専門用語>
●特区
正式名称は「ミシガン州特別経済自治区」。公式には国営の実験都市という扱いだが、実情は世界最大級の犯罪都市。27番地を除く全区画を五大マフィアが支配している。
●五大マフィア
特区を統べる五つの犯罪組織。現在の五家は、シチリアンマフィアの『ヴァレーリ』、ロシアンマフィアの『ロバーチ』、中華系マフィアの『ターチィ』、先住民系ギャングの『ミチピシ』、南米系カルテルの『シバルバ』。
●27番地
特区で唯一、五大マフィアに支配されていない中立地帯。ニコラスとハウンドが暮らしている街。ハウンドを統治者として仰ぐも、政治体制は民主制を取っている。
●合衆国安全保障局
略称はUSSA。12年前の同時多発テロ発生直後に急遽設立された大統領直属の情報機関で、年々発言力を増している。現長官はアーサー・フォレスター。
●『双頭の雄鹿』
USSAに巣食う謎の結社。独自の強力な武力組織『トゥアハデ』を保有している。組織内に”銘あり”と呼ばれる幹部のような役職が存在する。
●手帳
イラク戦争中に起きた、国連絡みの大スキャンダル「バグダッドスキャンダル」に関する証拠品。手帳には世界屈指のブラックリスト、『失われたリスト』が記載されているらしく、現在はハウンドが所有していると考えられている。
●失われたリスト
イラク戦争中、国連主導で行われた『石油食料交換プログラム』を隠れ蓑に世界各国の大物たち(国連のトップ、現職の大臣、資本家、宗教関係者など)がこぞって汚職を行った『バグダッドスキャンダル』に関与した人物らの名が記されたブラックリスト。
このリストを公表するだけで、世界各国代表の首がすげ変わるほど破壊力を持った代物。
●絵本
ニコラスがハウンドから譲り受けた手書きの絵本。人間に連れ去られた黒い子狼が、5頭の犬たちの力を借りながら故郷を目指す物語が描かれており、ニコラスはこの物語がハウンドの人生を表しているのではと疑っている。
炙り出しで謎の文がページの各所に仕込まれており、それらを解き明かすと『証人はブラックドッグ』、『リーダーはアーサー・フォレスター』となる。
作者はラルフ・コールマン。
●五人の兵士
絵本に登場する5頭の犬の胴体部に、炙り出しで記されていた謎の5人。その正体は、かつてハウンドと行動を共にしていた米国特殊部隊の兵士。
シベリアンハスキーの『ラルフ』、ゴールデンレトリバーの『ロム』、ラブラドールの『レム』、ボクサーの『ベル』、コリーの『トゥーレ』。




