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転生皇女はヤンデレ達と遊びたい  作者: 池田ショコラ
第2章 ここは私の知らないゲームの世界
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4-10 神ちゃん

 ドワーフ地下帝国の街は、全てが人間の街の半分ぐらいの大きさだった。

 泊まった宿屋は一応人間用で、天井が大体170cmある。

 レイやハンスなんかは身長が170cm超えてるけど、頭をぶつけそうでも器用に頭を下げててぶつけてない。


 今私たちは、朝食を食べている。

 ドワーフの食事はキノコや根菜類の炒め物や、芋をペーストにした食事だった。


「あの……あなたは誰ですか?」


 さっきからずっと知らない女の人と一緒にご飯を食べていた。

 気になって仕方なかったけど、誰も聞かないから私が聞くことにした。


「妾はドワーフの言うところの神じゃ。……ドワーフに育てられた人間と言えば、より真に近い」


 私、神様とご飯食べてたんだ……。


「えっと……みんな知ってた?」


 レイとリーンは首を縦に振って、ハンスはニヤニヤと笑っている。

 知らないの、私だけかよ!


「……どうして神様がここにいるんですか?」


「ここは妾の家じゃが?」


 ……宿屋じゃなかった!

 なんで誰も私に説明しないの!?

 今日はここに泊まりましょうって言われて疑問にも思わなかった私も悪いかもしれないけどさぁ。


「……お邪魔してます。ご飯食べたらすぐに出ていくので許してください」


「そんなことせずとも良い。妾も久しぶりに人間と話せたし、今から妾の工房へ行くのじゃ」


 よかった、許してもらえた。

 にしても、ドワーフの神が人間ってどういうことだろう。

 

 バーバリーとドワーフが戦争になったのは、バーバリーの宗教であるルナール教の教えと反するからって話で、大昔の人間はドワーフとも仲が良かったらしい。

 ちなみにルナール教は機械を禁忌として扱ってる。

 列車はクランツェフトに戦争で負けてからバーバリーにも路線が増えたけど、絶対に大聖堂周辺に建設することは反対らしい。


「わかりました。工房って何を作ってるんですか?」


「……銃じゃ。最近はレールガンの開発をしておる」


 か、神だ……!!

 この人は神で確定した。

 そりゃドワーフの人達も崇めるわ。


「そうだ、お名前を伺ってもいいですか?」


「妾の名前はない。故に皆、妾の事を神と呼ぶのじゃ」


 か、かっこいい!

 見た目は小学生くらいだけど、存在が尊すぎる……。


「神様、もしよかったら写真撮ってもいいですか?」


「ふむ、よかろう」


 私は契約魔具から手のひらサイズの写真機能付き魔具を取り出す。実はドミニクに作ってもらっていたのだ。


「おお、なんじゃこれは?」


「我が国最高峰の技術で作った魔具です!」


「……もらっても良いか?」


「どうぞどうぞ!」


 神ちゃんは魔具がお気に召したみたい。

 新しいものを見て喜ぶ子供みたいでかわいい。


「むー、早く妾の工房に行くのじゃ!」


 私が微笑ましく見ていたせいか顔を赤くした神ちゃんは、私の袖を引っ張ってこの家の地下に連れてってくれた。


「これで工房まで行くのじゃ」


「これは……トロッコ?」


 地下にトロッコがある家ってなかなか珍しい。

 しかも天井が低すぎて、レイとハンスはお留守番になった。


「そうじゃ。いつもこれで街の中心に行っておる」


 もしかして、街の中心にあった高層ビルみたいな建物のこと……?

 イメージ的には某ゲームの巨大エネルギー企業だけど、あそこだけ暗い地中で光り輝いてるんだよね。


「あそこが神様の工房だったんだ……」


 トロッコが走り出して、外側の景色が土壁だったのが、途中から白くて綺麗な壁に変わっていった。

 それから10分もしないうちに到着した。


「リーンはここのこと知ってたの?」


「中に入るのは初めてですが、外観だけならゲームで出てきたので……。神様も設定だけの存在でした」


 なるほどね。

 にしても、まるで現代のオフィスビル並みに綺麗な内装だなぁ。


「こっちじゃ。ついてまいれ」


 神ちゃんに着いていくと、エレベーターがあった。

 技術進みすぎでは?


「ねぇ、ここの技術外に出したら天下取れる気がする」


「アリア様、それはダメですよ……それこそ戦争になっちゃいます……」


「妾も賛成はせぬ。ドワーフの気質と人間の気質は相容れぬものじゃ。恐らくドワーフが騙されて滅亡するのがオチじゃな」


 ここに来て思ったけど、本に書いてあった歴史は絶対バーバリーに捏造されてる。

 ドワーフは基本的に優しいし騙されやすい。

 機械が好きか嫌いかで物事を判断するし、嘘を見抜けない。

 

 バーバリーも、嘘をついてドワーフに近付けば戦争に勝てたんだろうけど、教義的にはそうはいかなくて膠着状態になってたんだろうと想像できる。


「そういえばリーン、ラビットさんの家族はどうしてドワーフにやられたんだろ?」


「ドワーフの犯行に見せかけた、バーバリーの当時の教皇の仕業ですよ。あ、そういえばそこまで伝え忘れてましたね……でもラビット様はそのことを知らなくて、ここに来て知るんです」


 なるほどねぇ。

 まぁ今のラビットさんは色々と吹っ切れてるから、その事実を聞いたからって何も変わりそうにないね。


「着いたのじゃ」


 エレベーターが開くと、全面ガラス張りの工房があった。


「うわぁ。外が夜景みたいで綺麗!」


「アリア様! すごいですね!」


 外に釘付けになってしまったけど、中央の机にはいろんな銃が並んでいた。


「外装パーツがオシャレだね!神 様がこれ全部作ったの?」


「そうじゃ! すごいじゃろ?」


 ふんっと腰に手を当ててふんぞり返っているところがまた可愛い。


「全部ドワーフサイズで可愛いなぁ」


 全部少し小さめで子供の私にも持ちやすそうだった。

 それに、やっぱりクランツェフトにある物と比べるとこっちの方が最先端だった。


「触っても良いのじゃぞ?」


「じゃあ、お言葉に甘えて……」


 1番気になっていたショットガンを手に取った。

 ちなみにプロゲーマー時代の得意武器はショットガンだった。


「シャッガン! 持ちやすい!」


 神ちゃんが作ったのは、中折式のショットガン。

 中折式のショットガンは、パカっと開けて弾を装填するタイプの銃で、私はポンプアクションよりも好き。

 ポンプアクションは、銃をスライドさせて装填するタイプの銃。


「気に入ったか!? 先ほど写真機をもらったから一つぐらい持ってくと良いのじゃ」


「う、うそ!? いいの!? ありがとう神ちゃん!!」


 思わず抱きしめてしまった。


「か、神ちゃん? 妾は今年30歳じゃぞ……」


 え……。


「……ごめんなさい」


「い、いや。そんな反応をされても困るのじゃ」


 ま、まぁ喋り方からして年上だと思ってたし?

 残念とか思ってないし!


「……それじゃあお茶でもどうじゃ?」


「はい……」


 別室に案内されて、眺めの良い窓際でティータイムになった。

 なぜか同じ席にもう1人ドワーフがいる。


「えっと……そちらの方は?」


「皇帝のイワじゃ。妾はイワちゃんと呼んでおる」


 皇帝の扱い……それでいいのか?

 まぁ見た目はおヒゲが長くて可愛い顔してるけど。


「ワシ、イワちゃん。ニンゲンの言葉トクイ」


「えっと……アリアーデ・クランツェフトです。クランツェフト王国の姫をやってたりやってなかったりしてます」


 イワちゃんがお茶をすすってて可愛い。

 マスコットキャラみたいで和むなぁ。


「ハンスから聞いておる。強くなるために修行しておるんじゃろ?」


 間違いじゃないけど、今回ここに来た目的ではないんだよな……。


「ハンスと知り合いなんですか?」


「いや、あやつは1ヶ月前にここに来て、妾達を脅したのじゃ。誰も勝てんから好きにさせておる」


「えぇ……」


 それでいいのか……?

 ほんと好き勝手してるよね。


「ワシも許可出した。マチ安全になった」


「ハンスが何かしたんですか?」


「もともと魔法無効化の技術はあやつが持ち込んだ物じゃ。それを改良してほしいと言われてな。おかげ様で妾達の銃にも魔法無効化を付与出来るかもしれん」


 そ、それって食らったら魔法で治らない傷が出来るんじゃ……。


「アリア様……こんなの初耳です。ドワーフじゃなくてハンスが元々研究していたなんて……だけどどうして今更その研究をドワーフに渡したんでしょうか」


 今まで黙っていたリーンが思わず口を挟んでいた。


「うーん……緊張感が欲しかった?」


「何言ってるんですか?」


 初めてリーンがキレてるとこ見た……。

 いや、私も思ってたんだよね。

 魔法で傷が治るから、実戦のような緊張感がなくって避ける意識が薄れると言うか。

 選択肢として体の末端を犠牲にする事が入り込むと、戦術的に幅は広がるけど人間としてどうなのか、とか……。


「あとはハンスと戦う人に使ってほしい、とかかな。ハンス以上の強者はいないわけだし、戦いを楽しむのなら少しでも相手の強さを引き上げたいんじゃない?」


「なるほど、さすがアリア様ですね……」


 そこ褒められてもあんまり嬉しくないけどね?


「ともかく、妾達は人間達から身を守る手段を得ることができたのじゃ。最初の出会いはどうあれ、今は感謝しておる」


「あのハンスが感謝されてるよ……」


これは明日、雨が降るんじゃない?

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