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転生皇女はヤンデレ達と遊びたい  作者: 池田ショコラ
第1章 ここは私の楽しい異世界
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間話 完璧セキュリティ

 ドミニクは皇都に来てから、皇城にある工房を陣取っていた。

 元いた魔具師達はドミニクの腕を見て、ある者は逃げ出し、ある者は教えを乞うていた。

 しかしドミニクは1人で作業がしたいと言い張り、結局新しい工房が新設されることとなった。


 そんな新品でまだ備品が整理されてない工房に今日は顔を出していた。


「ドミニク、いる?」

「何?」


 声だけが聞こえてきた。ドミニクの身長は低い。乱雑に置かれた機材の中、しゃがんでいたら確実に見つからない。


 チビって言ったら怒るんだろうな……。


「作ってほしいゲームの企画書持ってきたんだけどー」


 早くテレビゲームの試作を始めないとね。

 

「……今僕に失礼な事言わなかった?」


 機材の森の中から出てきたドミニクは、片手でベルを鳴らしながらこちらに近づいてくる。


「い、言ってない。思ったりはしたけど……。それ何?」

「盗聴防止ベルだけど。ここ最近、僕の周りで多いんだよね」


 ドミニクの技術は国宝レベルなので、そういったこともあるのかもしれない。


「ふーん……」


 しかし、ドミニクの身に付けている魔具は一体どういう効果の魔具なんだろうか。

 まだペグロックしか見ていなかったが、よく見ると指輪や腕輪、ピアスも着けているので、これが全部魔具だとしたら、それぞれ効果があるはずだった。


「じろじろ見ないでよ。もしかして、僕の魔具が気になるの?」

「身につけてる物って全部魔具なの?」

「うん。護身用と、日常生活用。僕の魔力じゃ同時起動は無理だけどね」


 お金にしたら一体いくらになるのだろうか。恐ろしくて聞けない。


「お金にしたら城が一つ建てれるよ」

 


 と言うか、さっきから心の中の声がバレてるような……。


「あの……ドミニクさん?」

「何? 安心して。僕の魔力じゃ長時間は無理だし」

「……うあぁぁ」


 私は顔を手で覆って、膝から崩れ落ちた。


「それで、どんなゲームを作りたいの?」

「ちょっと、時間を下さい……」


 今まで私が心の中で何を思ったのか思い返す時間が必要だった。


 え、まって、変な事言ってないよね?


 ドミニクに対して怒る以前に、恥ずかしさしかない。

 人見知りで引きこもりがちなドミニクの性格を考えれば、人の心が読める魔具を装備している可能性を考慮するべきだった。

 いや、それを前提に動くとか無理すぎでは?


「面白いね」


 やめてくれ。その言葉は私に効く。

 帰ろうかな?


 ドミニクは盗聴防止魔具を机に置いて、私が手に持っていた企画書を受け取って読み始める。


「ふーん。これなら今ある材料で試作ぐらいは出来そうだね。出来たら教えるよ」

「ありがとう……」


「あ、そうそう。アリアの契約魔具だけど、カスタマイズの準備が整ったよ」

 

 精霊祭の日にもらった魔具は、機能の更新もできるらしい。


 ドミニクがUSB端子のようなものがついたコードを渡してきた。


「これ、繋げて」

「これは何?」

「魔具更新用の接続コード」


 言われた通りに私はフレアスカートをたくし上げて、脚にある魔具に繋げた。

 ドミニクはその様子を見て眉を顰めたが、もういろいろと諦めているので無視する。


 ドミニクはタブレットのような板状の機械と睨めっこしている。

 

 このコードは無線に出来ないのだろうかと言う疑問はしまっておこう。

 きっと技術的に難しいに違いない。


「あ、ごめん」


 心の中が読まれているのだった。

 ……煽りに使える事に気付くとは、私は天才かもしれない。


「ッチ。今はまだ出来ないだけだし……」

「ふふん! この輪っか、お風呂の時洗いにくいんだよね。やっぱりそれなりの機能がないと、満足できないなぁ」


 日常生活に不便だけど、この魔具に魔力を通すとナイフとかの小物を収納できて現時点でも結構楽しかったりする。


「レイの魔眼みたいな効果はできないの?」

「はぁ? あのさぁ。そもそも眼に由来する能力はそれ自体が魔具みたいなもので、眼を取り替えるぐらいしか無理。……まぁ魔力の見える眼鏡くらいなら多分出来るけど、戦闘じゃ使えないね」


 そうなのかぁ……。

 やっぱり魔眼の攻略は他の方向から攻めるしかないな。


「無理言ってごめん。今日はどんな機能をつけてくれるの?」

「魔力偽装機能」

「!?」


 えっ、つまり認識阻害と似たような感じ!?

 それなら、魔力総量を隠したり魔力の色を変えてレイに見つからないようにしたり使い道がありそう!


「そうだね。多分今欲してるのはそれかなって」


 神か? 神様か?

 やはり持つべきものは仲のいい魔具師だね!

 ゲームも楽しみだし、高笑いが止まらないよ!


「そのキモイ笑いやめて」


 グフグフと言う笑い声が漏れていたようだ。



 更新を待っている間手持ち無沙汰となり、せわしなく動いているペグロックを見ていると工房の扉を叩く音がした。


 扉が開き、タイミング良くレイがお茶とお茶菓子を運んでくる。


「姫様。こちらをどうぞ」

「ありがと」


 それにしてもタイミングが良すぎる。

 ……扉の前で待機していた?


「ありがとう、レイ。いつもタイミングが良いね。どうしてだろうね……」

「姫様の要望はいつでも承ります」


 いつでもと言うのは、きっと24時間365日なんだろうな……。

 年中無休だね。えらいね。


 そうこう言ううちに、ドミニクにもお茶が運ばれていく。

 

「ねぇ、アリアの執事っていつもこうなの?」

「え? そうだけど、すごいでしょ?」


 レイは自慢の執事だ。


「はぁ。僕からは何も言わないけど、もう少し警戒心を持った方がいいよ」

「なんで?」


 レイとドミニクでビリビリと視線の応酬をしている気がするけど、身内に警戒してどうするんだか……。


「僕の目の届くところでオモチャは使えないから」

「私の目の届くところでは小細工はできません」


 はぁ。しょうがないなぁ。


「よし、みんなでゲームしよう!!」


 こう言う時はゲームするに限るよねぇ。

 パンパンと手を打って、懐から新作カードゲームを取り出す。


「これはねぇ。トレーディングカードゲームを想定したカードバトルゲームなんだぁ〜」


 スターターデッキを2人に配る。

 すると1人はため息、1人は沈黙した。

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