海遊び─ビーチバレー3
しばらくゲームを続けていると、みんなもだんだん慣れて来たのか、だんだんラリーの時間も長くなり、たまに突き刺さるスパイクの勢いも増してきた。
とはいえ、ゲームの時間が長くなるという事は慣れで良くなる動き以上に、疲労から来る動きの鈍りも大きくなるものだ。バスケ・サッカー組は未だ元気に動き回れている一方で、運動部ではない夜黒さんと大鳥さんの運動量が目に見えて落ちて来た。
「次のセットで終わりにするか」
肩で息をしている夜黒さんと大鳥さんを見てそう提案する。時間的にもかなりの時間をやっている。折角の海なのだから他の遊びをするのもいいだろう。
「じゃあラストサーブだね~」
「ばっちこーい」
ネットの向こう側でボールを高く掲げる大鳥さんと、それをノリノリで受け止めようとしている夜黒さん。
ボールがポーンと高く打ち上げられる。放物線を描いたボールの着地点を予想して夜黒さんは目一杯ダッシュする。今日の練習の成果か、夜黒さんは正しくボールの方向に走れている。正直ここまで走るくらいならコートの後ろの方にいた俺や康祐がとった方が早いが、楽しそうなので俺らは動かず夜黒さんに任せることにした。俺と康祐の間を駆けようとした夜黒さんだが、しかしそこでバランスを崩してしまう。あっ、と思った時にはもう遅く、夜黒さんは俺の方に倒れて来た。
「あっ」
「おっと」
流石に体格差があるとは言え勢いに乗ったまま転んだ夜黒さんを受け止めきることはできずに一緒に倒れこむ。
「大丈夫か?」
下敷きになったとは言え、砂浜のおかげで俺にはダメージがなかったので転んでしまった夜黒さんに声を掛ける。
「うん、大丈夫……。晴気君は大丈夫? 」
「おう、問題なし」
「よかったー」
倒れた体をおこしながら夜黒さんが口を開く。
「……もう一本やりましょうか」
「そだね」
深雪の提案に渚が乗ったことでもう一本やって終わりになった。
ビーチバレーは俺たちの負けで幕を閉じた。
いくら緩めのルールのエンジョイ戦とは言え負けたら悔しいものである。
「あははは! 楽しかった!」
でもそんなことを一切気にしていない人もいるわけで。
なんだかんだボールを追って走り回って疲れていた夜黒さんだが、今は疲れを微塵も見せずに元気に笑っている。体力があるんだかないんだかよくわからない。
22/12 1時現在
昨日の11時に予約してたつもりなんです。3周年遅刻です、すみません
1年以上続いたバレーに決着がつきました




